来週月曜から働くことになったので、
読書にかけられる時間も減るだろう、と思い、
たまった本を徐々に消化中。
それでも、読書量・時間とも中高生の頃には及ばぬな。
※画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます
●「超一流じゃなくても「成功」できる」(長谷川滋利)
彼が大リーグに行ったとき、
さして活躍できるとは思っていなかった。
速球とフォークで三振をバタバタ取れる野茂に比べて、
特に光るボールがあった訳でもないし。
それでも9年間大リーグに在籍し、
そこそこの成績を残した。
この本を読むと、それを可能にしたのは
自分をマネジメントする力なのだろう、と感じた。
高過ぎず低過ぎない目標を立てる力。
客観的に自分の現状を見たり、弱点を明確にして「処方箋」を書く力。
そのあたりが、長谷川の中学からの経験などを踏まえて書かれている。
野球選手の本、ではあるのだが、全体にはかなりビジネス書寄り。
本人の経験などが予め書かれているので、
具体的にイメージしやすい。
あと、アメリカと日本の文化の違いについても結構書かれている。
「アメリカは選択を求められる社会」というのは、
個人的に経験した訳ではないが、何となく理解できた。
バックボーンの異なる人間が共同して生活する以上、
「暗黙」で済ませては社会が成り立たない。
だから常に意思決定し、それを外部に表現していく必要があるのだろう。
そこから、決定事項など、外部化されたものが評価され、
属人的な要素はあまり考慮されない。
そのあたり、日本と比較してのプラス・マイナスも述べられていた。
あまり期待していなかったのだが、なかなか良い本。
●「人形有情―吉田玉男文楽芸談聞き書き」(吉田玉男)(聞き手:宮辻政夫)
吉田玉男の入門や修業時代の話、
あるいは様々な役でのポイントなど。
人形遣いと人形との関係で、
「人形の気持ちになり切る」か、という質問に対して玉男は否定的。
「人形を如何に見せるか」を意識している、という話。
ただその関係は、不即不離なのだろうな。
登場人物の心持ちを客に感じさせるためには、
いったんその登場人物を理解する必要があるだろうし、
そのタイミングでは内面に入る必要があると思う。
そしてそこに留まらず、さらに如何に表現するか、を考えるのだろう。
文楽に限らず、様々な表現活動に共通のものだと思っているのだが。
…能は、ちと違うのかなあ。
最後の方に、各役の表現や気を付けていることが記述されているが、
若干羅列的であり、もう少し深掘りしたものも読んでみたい。
●「酒場の藝人たち―林家正蔵の告白」(矢野誠一)
単行本「圓生とパンダが死んだ日」の文庫化らしい。
特に追加収録もないようだ。
内容は落語だけでなく、新劇や大衆演劇などの役者についても書かれている。
追悼文が多いと思う。
●「現代落語の基礎知識」(広瀬和生)
途中で挫折した。
あまり落語を知らない人が読んではいけない本だと思う。
タイトルに惹かれてはいけない。
「名人」に関する記述(30ページくらいかな)まで読んで、
耐え切れず投げ出した。
「名人」について様々な噺家が語っている内容を紹介しているのだが、
それを踏まえずに本人が考えていることを書いている。
全く積み上がっていない、と感じた。
「まえがき」を含めて読んだ部分から判断するに、
結局、筆者の考える「落語論」が綴られた本だと思う。
それはそれで、無意味とは言わないが、
これを「基礎知識」と臆面もなく提示するあたり、
己の視野の狭さや自己満足ぶりに無自覚であるように見え、
非常に不愉快。
あと、上方落語を見る上では、
この筆者が戦おうとしている対象がよく分からないので、
ほとんど参考にならないと思う。
読書にかけられる時間も減るだろう、と思い、
たまった本を徐々に消化中。
それでも、読書量・時間とも中高生の頃には及ばぬな。
※画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます
●「超一流じゃなくても「成功」できる」(長谷川滋利)
彼が大リーグに行ったとき、
さして活躍できるとは思っていなかった。
速球とフォークで三振をバタバタ取れる野茂に比べて、
特に光るボールがあった訳でもないし。
それでも9年間大リーグに在籍し、
そこそこの成績を残した。
この本を読むと、それを可能にしたのは
自分をマネジメントする力なのだろう、と感じた。
高過ぎず低過ぎない目標を立てる力。
客観的に自分の現状を見たり、弱点を明確にして「処方箋」を書く力。
そのあたりが、長谷川の中学からの経験などを踏まえて書かれている。
野球選手の本、ではあるのだが、全体にはかなりビジネス書寄り。
本人の経験などが予め書かれているので、
具体的にイメージしやすい。
あと、アメリカと日本の文化の違いについても結構書かれている。
「アメリカは選択を求められる社会」というのは、
個人的に経験した訳ではないが、何となく理解できた。
バックボーンの異なる人間が共同して生活する以上、
「暗黙」で済ませては社会が成り立たない。
だから常に意思決定し、それを外部に表現していく必要があるのだろう。
そこから、決定事項など、外部化されたものが評価され、
属人的な要素はあまり考慮されない。
そのあたり、日本と比較してのプラス・マイナスも述べられていた。
あまり期待していなかったのだが、なかなか良い本。
●「人形有情―吉田玉男文楽芸談聞き書き」(吉田玉男)(聞き手:宮辻政夫)
吉田玉男の入門や修業時代の話、
あるいは様々な役でのポイントなど。
人形遣いと人形との関係で、
「人形の気持ちになり切る」か、という質問に対して玉男は否定的。
「人形を如何に見せるか」を意識している、という話。
ただその関係は、不即不離なのだろうな。
登場人物の心持ちを客に感じさせるためには、
いったんその登場人物を理解する必要があるだろうし、
そのタイミングでは内面に入る必要があると思う。
そしてそこに留まらず、さらに如何に表現するか、を考えるのだろう。
文楽に限らず、様々な表現活動に共通のものだと思っているのだが。
…能は、ちと違うのかなあ。
最後の方に、各役の表現や気を付けていることが記述されているが、
若干羅列的であり、もう少し深掘りしたものも読んでみたい。
●「酒場の藝人たち―林家正蔵の告白」(矢野誠一)
単行本「圓生とパンダが死んだ日」の文庫化らしい。
特に追加収録もないようだ。
内容は落語だけでなく、新劇や大衆演劇などの役者についても書かれている。
追悼文が多いと思う。
●「現代落語の基礎知識」(広瀬和生)
途中で挫折した。
あまり落語を知らない人が読んではいけない本だと思う。
タイトルに惹かれてはいけない。
「名人」に関する記述(30ページくらいかな)まで読んで、
耐え切れず投げ出した。
「名人」について様々な噺家が語っている内容を紹介しているのだが、
それを踏まえずに本人が考えていることを書いている。
全く積み上がっていない、と感じた。
「まえがき」を含めて読んだ部分から判断するに、
結局、筆者の考える「落語論」が綴られた本だと思う。
それはそれで、無意味とは言わないが、
これを「基礎知識」と臆面もなく提示するあたり、
己の視野の狭さや自己満足ぶりに無自覚であるように見え、
非常に不愉快。
あと、上方落語を見る上では、
この筆者が戦おうとしている対象がよく分からないので、
ほとんど参考にならないと思う。