昨日はトリイホールへ。
月亭八天の入門25年を記念した
25日連続独演会の初日。
2時開演と思って行ったら、3時開演だった。
1時間ほど飲みながら勉強して、時間をつぶす。
前説(鳥居社長)
ミナミの歴史を、地図などを示しながら。
勉強になる良い話。
「寿限無」(天使):△
マクラなど、まだたどたどしい。
上下を振り切る前に喋り始めてしまうところが散見された。
あと、「登場人物が相手に喋っている」感じが弱い。
まだ科白を憶えて一生懸命喋っています、という感じ。
まあ、入門一年ならこんなものだろう、と思う。
「池田の猪買い」(八天):△+
マクラで25周年50歳にちなんで連続独演会をやる、という話。
前向きなような、少し不安があるようなところがこの人らしい。
ネタは、まあ普通。
雀三郎ベースかな。
細かいギャグで追加されているものもあり、不自然でもないが、
全体に特に良い、とも感じなかった。
ツッコむ側のペースが、安定していると言えば安定しているのだが、
もう少しアホに振り回されてブレる方が良いと思う。
「寝床」(たま):○-
マクラは八天と遊方の話など。
言って良いか悪いか、微妙なところを喋っている。
最初に設定を(周りの人間は聞きたくない、まで)話してしまって
ネタに入る。
個人的にはここまで言ってしまうのはどうかな、と感じなくもないのだが、
「旦那の浄瑠璃が酷い」「周囲が困っている」
その困り具合や迷惑度合いを激しく描いていくのがメイン、と考えて
最初に設定をを作っているのだろう。
そう仕込んでいるので、
最初から周囲の人間の困り、行けない喜び、てなところを
描いてウケをとっていく。
番頭でなく娘がとりなすのも良いな。
「嫌がっている」店の者よりも娘の方が良いだろう。
浄瑠璃を語る場面の浄瑠璃
→三味線が大きくなる
→さらに浄瑠璃の声が大きくなる
悪循環が楽しい。
「女殺油地獄」に絡めるのはあまり好みではないな。
この演り方であれば、別に外題を言わずに済ませる方が
全体に整合性が取れると思う。
何か良いサゲはないものかな。
「たちきり線香」(八天):△+
色街の話などをマクラに振ってネタへ。
変なクセがなく聞きやすい。
当然破綻もなく、きっちりと聞かせるのだが、
亡き吉朝やら文枝やらに比べると、
人物の設定・表現が薄い感じがする。
上手いのだが、手先・技術で処理してしまっている印象。
科白そのものは米朝ライン(吉朝かな?)。
「番頭の筋書き通り」という中間の地の文が好きではない。
あと、
三七日の雰囲気は母親の「お仲」の声よりも前に、
若旦那が店の前に立った時に店からその雰囲気を漂わせておく
(その雰囲気を若旦那が感じ取っている)とより良いのでは、と
ふと思った。