ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

安中市で白井晟一の作品に出合う(バイク旅その3)

2016年08月12日 13時26分29秒 | バイクツーリング
バイク旅の3回目の記事です。
旅の3回目の宿泊は安中市です。一回目の記事はこれ、2回目はこれです。

今回の旅の目的の一つには白井晟一(しらいせいいち)という建築家の作品を見ておきたいと思っていたこともあったのです。
今は合併で安中市となっていますが、合併前の旧松井田町の古い役場の建物が白井晟一の作品の中では、特徴が良く表れているものとして知られているそうなのです。

白井晟一の作品は秋田県の湯沢市に数か所が残されています。このことは以前にブログで紹介しました
秋田県南部に残されている氏の作品と松井田町の旧役場の建物との共通点などを見てみたいとかねがね思っていました。
ありがたいことに、私の古い友人が、前橋から安中に引っ越してきたのでした。彼に案内を頼み、連れて行ってもらいました。

旧松井田町役場がまさしく「白井晟一」なのだと一目でわかる作品でした。
まずは旧松井田町役場と秋田県にある作品を、ならべて画像にしましたのでそれを見ていただきましょう。



画像の左が旧松井田町役場、右が秋田県の旧雄勝町役場です。
遠目にはそんなに共通点はないように見えます。あえて共通点を探せば建物の二階にベランダが設けられていることぐらいでしょうか。
ですが次の画像を見ていただきたい。

ベランダの手すりが丸い穴の開いた面格子になっているのです。
両者の建物には円の大きさこそ違っていますが、円形の穴をくりぬいた面格子が手すりとして用いられています。

次の画像も見ていただきたい。


画像の右の建物は秋田県南部の旧秋ノ宮役場です。
全体がわかりやすい画像はこれです。以前にバイクで訪れた時の物です。

屋根の形やアーチ状のベランダ部分に旧松井田町役場との共通点を見ることが出来ます。
雪国で緩い勾配の屋根にすることは普通ではありえないことなのですが、白井氏はあえて勾配の緩い切妻屋根にしました。
これは白井晨一がこだわった美学なのでしょうか。

残念なことに秋田県の旧雄勝町役場の建物は取り壊しが決定し、今年の9月にもなくなってしまうそうです。
戦後の建築史に多くの偉大な足跡を残した白井晨一の作品がまた一つなくなろうとしています。とても残念なことです。
私がこのたび訪れた旧松井田町役場が少しでも長くその姿を留めてくれることを願うばかりです。

今回取り上げた三つの建造物が建てられたのは次の通りでした。
旧秋ノ宮役場   1951(昭和26)年
旧松井田町役場  1956(昭和31)年
旧雄勝町役場   1956(昭和31)年

松井田町と雄勝町の役場は同じ年に完成していました。
旧秋ノ宮役場がこの三つの中では最も早く建てられたのは意外でした。

安中市ではこのほかに訪れた場所がまだあるのですが、そのことはまた別の記事にしたいと思っています。


次に続きます

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