一昨日、知人と連れ立って白井晟一(しらいせいいち)の設計になる建物を観てきました。
まず行ったのは、横手市にある「横手興生病院」です。
この建物は2009年に建て替えが完了しましたが、以前の建物は1962年に白井誠一氏の設計によるものでした。
その当時の建物を覆っていた物が現在の建物にも残っています。
次のものです。
アルミダイキャストの面格子の一部が現在の建物の一部に意匠として、残されておりました。
丸い穴の面格子は、白井晟一の建築に特徴的に見られる意匠です。
その裏側がどうなっているのかを見てみましょう。
円筒形の穴の開いたパネルは一個ずつ独立したものですが、それを連続してボルトによる接合で大きなパネルにしたものでした。
またその端部はアール状になっており、その部分のパネルはコーナー部だけの特殊な形状になっております。
このパネルを造るためだけの鋳型を特注して製造されたものである事は明らかです。
なんという贅沢さでしょうか。白井晟一のデザインに対するこだわりをうかがい知ることが出来ます。
そこを見た後、我々が向かった先は湯沢市秋ノ宮に残されている建物です。秋ノ宮には「旧秋ノ宮村役場」の建物と稲住温泉に白井氏の作品が残されております。
現在稲住温泉の持ち主は東京のデベロッパーにより買い取られ、復旧改築の工事がが行われており建物には近づくことは出来ませんが、来年の春には復元改築工事も終わりオープンすることになっているとの事です。
その温泉宿の敷地内に、「旧秋ノ宮村役場」の建物があります。
これです。
庇が大きく張り出しているのが白井作品の特徴です。それに加えて屋根の厚みを出来るだけ薄く見せるという意匠になっています。
次に我々は湯沢市に戻ってきました。
「湯沢酒造会館、四同舎」という建物を見学するためです。
建物の外観の写真を見ていただきます。
ここは以前に2回ほど訪れていますが、今回はここの内部を見せていただくことが出来るように管理者の方のご厚意でできたのです。
中がどうなっているのかがとても気になります。
入り口を入ってすぐ目に着くのが2階へ上がる階段です。人の目線の高さから見ると、踊り場へ続く踏板がまず目につきます。大きな御影石の一枚物の踏板です。一見したところ、その厚さは5センチほどにしか見えません。
しかもその踏板を支えているのは中央部のコンクリートの斜めになっている部分です。その両側に踏板が大きく張り出しているのです。
普通であれば踏板の端部に荷重が掛かればひびが入ったり、破損したりする危険性もあります。自然石の御影石なので板の内部に鉄骨の補強材などを入れることは出来ません。
はたしてこの部分の構造がどうなっているのかが、気になります。
次のようになっておりました。
見えるところは出来るだけ薄くして、それを補強するように踏み板の裏側は斜めになっていたのです。
考え抜かれた意匠を見ることが出来ます。
内部や外部にも白井晟一氏独自なデザインを見ることが出来ますが、それは次回という事にします。
この項、次回に続く。
まず行ったのは、横手市にある「横手興生病院」です。
この建物は2009年に建て替えが完了しましたが、以前の建物は1962年に白井誠一氏の設計によるものでした。
その当時の建物を覆っていた物が現在の建物にも残っています。
次のものです。
アルミダイキャストの面格子の一部が現在の建物の一部に意匠として、残されておりました。
丸い穴の面格子は、白井晟一の建築に特徴的に見られる意匠です。
その裏側がどうなっているのかを見てみましょう。
円筒形の穴の開いたパネルは一個ずつ独立したものですが、それを連続してボルトによる接合で大きなパネルにしたものでした。
またその端部はアール状になっており、その部分のパネルはコーナー部だけの特殊な形状になっております。
このパネルを造るためだけの鋳型を特注して製造されたものである事は明らかです。
なんという贅沢さでしょうか。白井晟一のデザインに対するこだわりをうかがい知ることが出来ます。
そこを見た後、我々が向かった先は湯沢市秋ノ宮に残されている建物です。秋ノ宮には「旧秋ノ宮村役場」の建物と稲住温泉に白井氏の作品が残されております。
現在稲住温泉の持ち主は東京のデベロッパーにより買い取られ、復旧改築の工事がが行われており建物には近づくことは出来ませんが、来年の春には復元改築工事も終わりオープンすることになっているとの事です。
その温泉宿の敷地内に、「旧秋ノ宮村役場」の建物があります。
これです。
庇が大きく張り出しているのが白井作品の特徴です。それに加えて屋根の厚みを出来るだけ薄く見せるという意匠になっています。
次に我々は湯沢市に戻ってきました。
「湯沢酒造会館、四同舎」という建物を見学するためです。
建物の外観の写真を見ていただきます。
ここは以前に2回ほど訪れていますが、今回はここの内部を見せていただくことが出来るように管理者の方のご厚意でできたのです。
中がどうなっているのかがとても気になります。
入り口を入ってすぐ目に着くのが2階へ上がる階段です。人の目線の高さから見ると、踊り場へ続く踏板がまず目につきます。大きな御影石の一枚物の踏板です。一見したところ、その厚さは5センチほどにしか見えません。
しかもその踏板を支えているのは中央部のコンクリートの斜めになっている部分です。その両側に踏板が大きく張り出しているのです。
普通であれば踏板の端部に荷重が掛かればひびが入ったり、破損したりする危険性もあります。自然石の御影石なので板の内部に鉄骨の補強材などを入れることは出来ません。
はたしてこの部分の構造がどうなっているのかが、気になります。
次のようになっておりました。
見えるところは出来るだけ薄くして、それを補強するように踏み板の裏側は斜めになっていたのです。
考え抜かれた意匠を見ることが出来ます。
内部や外部にも白井晟一氏独自なデザインを見ることが出来ますが、それは次回という事にします。
この項、次回に続く。
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