この度の「ゴーン逃亡劇」が何故起きてしまったのかを考えてみる。
この事件は起きるべくした起きた事件であった。ゴーンの心理と論理を推し量り彼の行動原理を推理してみたい。
ゴーン被告は自分を「法を犯した犯罪者」であるとはいささかも自覚していない。自己を犯罪者と決めつけ拘束したのは不当である、と考えている確信犯なのである。確信犯は政治犯に見られるように裁判にかけられる事ではなく、自己の主張を変えなければならなくなることをを敗北だと考えている。敗北しないためにとる方法にはいくつかが考えられる。一つは裁判で無罪を勝ち取ることである。もう一つは裁判そのものを俺は認めないぞと宣言することである。裁判無効宣言の確実な履行がこの度の「逃亡劇」であったのだ。ですからゴーンはどのような手段を取ることも躊躇することはなかった。日本の司法当局がそのような人物を釈放したことがそもそもの間違いであった。仮に釈放するのであれば拘置所内にいるのと同等な厳格な管理をするべきであった。
この度の事案では外国の警備会社が大きな役割を担ったのではないかという報道があった。もしそうだとすれば、外国の民間警備会社の方が日本政府の危機管理力を上回っていたことになる。
日本の政府と司法当局の危機管理に対する無自覚と能力不足が露呈してしまった事案であった。しっかりせよ日本、と言いたい。
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