営業時間の古今東西
先日、相方と入ったパンケーキ屋さん。
入店した途端に、
「食事は時間がかかります。」
と言われて唖然とする。
まだラストオーダーには1時間位あったし、食事をする店なのに注文しないでほしいような感じである。スタッフもギリギリでやっている事情もあるのかなと思ったが客商売ってこんなんだったかな?、と受け流してみた。
昔このような経験がある。
たしか閉店時間の少し前に入ったラーメン屋さん。
「まだ大丈夫ですか?」と暖簾をくぐる。
「もう火を一度落としちゃったから、ちょっと時間がかかるけど」と言ってすぐに麺用の大きな鍋の火を入れてくれた。
今回の件は、おなかを空かせた客への提供よりも、より閉店時間や勤務時間がシビアに管理され始めて接客の行き場を失ったようにも感じた。
久しぶりに友人と飲み会をした。
もうひとつは、旧来の友人と何十年ぶりに飲みに行った時のこと。
普段は、なぜかいつも行くスーパーだったり、銀行のATMだったり、ちょくちょく合う。その時は挨拶をする程度でじっくりと近況を話すこともなくなっていた。もう25年以上約束をして会うこともなくなっていた。
そんな時、正月も明けて新年会のシーズンも収まったくらいに「どこかで飲みにいきますか?」ということになり会うことに。
席がなくて待つのもイヤなので、予約して行くことに。たった2名なのでいつもは何とかなるとフリーででかけるのだが、ネットで予約を入れておくことにした。
希望していた一件目は、さすがに混でいてかなわなかった。
札幌で居酒屋で、禁煙というのも探したがなかなかヒットするモノはなく、喫煙というところばかり。「仕方が無いなーと」今回の居酒屋に決めたのだった。もう少し時間があって直前予約で無ければ見つけることができたかもしれない。
なんと言っても、前日の夕方に友人からショートメールが入ったくらいだから、予約する客側の責任もありそうだ。
札幌市内の居酒屋は、どうしても禁煙や分煙すらない喫煙の店が多い。
今回は、コース料理と飲み放題がついたプランで、あまり期待がもてなかった。なぜなら、長年の経験で、飲み放題のプランであっても、そんなに飲まないからだ。
当日、席に案内されて予約席に着く。
さすがに全国的に喫煙率が減っているので昔ほど煙のニオイを強く感じない。
話は変わるが、近年、居酒屋やスナックなど酒を飲みに行く機会を極力減らしているのも、この喫煙者と同じ空間で、飲み食いをしたくないからだ。
友人関係もタバコを吸う人がまったくいなくなっているので、大勢でも個室で分煙されているところを選んでしまう。
とりあえず、タバコの件はしょうがないし納得ずみなのだが、今回の予約についてきた「クーポン」の存在である。
これは、今回の選んだメニューで、1000円ほど割り引くというクーポンとなっている。品質を落とされるなら使うのをためらうのだが・・・。
最近は、このクーポンの経済圏を、広告費として考えることがすでにできなくなっている店が多いように感じる。特に、飲食は提供する内容でクーポン利用で調整するのが露骨である。
これなら、席だけを予約しておいて、当日フリーに好きなモノを注文する方がいい。これは昔から言われていることなので、驚きもしない。
しかし、この時代は昔の口コミ以上にSNSなどの広がりが大きく、Facebookなどの非常に近い関係者、Twitterの速報性、Instagramの実在性など、その人が発するツールで、いっぺんに使っている「広告費」の費用対効果を失いかねない。
食事提供の流れができていないで、最後に雑炊用のご飯が出て来たのは、鍋の火を止めて汁もなく、もう帰る時だった。
それはいいとしよう、飲み放題であるはずの「お酒」の提供がなんとも変な理由で
「ただいま、飲料の提供に時間がかかっています」
友人は「日本酒を持ってくるのに時間がかかるってどんな時間?」と言うくらい遅いのだ。
そして飲み放題といっても名ばかりで、ほとんど数杯程度で単品オーダーと変わらない世界。
ほろ酔いにもならずに、店内をあとにした。
クーポンという提供する側の広告会社の販促品の度合い(費用)にもよるが、それに耐えきれないこの店は、情報弱者側にいるのかと思ってしまう。もっとネット集客を学べよ、と強く言いたくなる。
これは、きっと誰のせいでもない。
吟味して予約を入れる顧客側(私達)の責任であることは明白なのだが・・・。
Amazon Kindle月替わりセールで「紙の本の価格: ¥ 918」が100円