内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

七月は「パスカル月間」にしようと思っていたのに…… 「NO」と言えないニホンジンの私の人生は「トコロガ」の連続

2023-07-03 22:01:34 | 哲学

 今月31日から8月4日までの五日間、東京で夏期集中講義としてメルロ=ポンティの『眼と精神』を日本の修士課程の学生たちと読むことになっているから、今月は私的「メルロ=ポンティ月間」とするつもりでいたのですが、冬にパリ・ナンテール大学でする発表の準備の一環としてパスカル関連の書籍を読みだしたら、それどころではなくなってしまいました。
 それに、五月が私的「モンテーニュ月間」だったことからしても、フランス哲学史的順序にしたがえば「パスカル月間」とするのが順当でしょう。
 いや、それならばデカルトが先でしょうという当然至極の指摘が聞こえてきますが、これは、当分、飛ばすことになるだろうと思います。私にもかつてあった若き日には、『省察』をラテン語で読もうと結構頑張ったこともあるのですが、どうも苦手なのですね(カルテジアンのご寛恕を乞う)。
 というわけで、7月の記事はパスカル率が急上昇するだろうと予想されます。で、今日もパスカルについて記事を書くつもりでいたのです。
 トコロガです(人生、まことにトコロガの連続であります)。今日、思いもかけず、フランスの記号学の専門雑誌から査読の依頼が届きました。
 どうも一昨年あたりから、フランスでの出版物に関して、ニホン・テツガク・キンゲンダイという三条件が揃うと、とりあえず私のところに査読や書評の依頼が来るようになって、正直に言うと、嬉しさと煩わしさとが半々です(だって、すべてほぼ無報酬ですから。「同情するなら、金をくれ!」― ナツカシィ)。
 まだ引き受けるかどうか迷っているので、査読を依頼された論文のテーマ及び概要は伏せますが、これがまた実にアクチュアルで面白そうな論文なのです。他に原稿執筆の予定がなければ二つ返事で引き受けるところなのですが、一晩考えてから返事します。と書きつつ、実はもうほぼ引き受けるつもりでいる自分が厭わしい。私には他にもっと重要な仕事があるから、申し訳ないが引き受けられないときっぱり言えんのかい、オマエは!