疲れる夜じゃ。
さっきから、片方で、ラジオの「アクセス」を聴きながら、片方で、細野さんの「Dark Side Of The Star ~地球の夜にむけての夜想曲~」をくり返し、くり返し聴いている。
この曲は、世界が「スピード」「消費」をキーワードに、ひたすら、超資本主義の中、加速に走っていく中、細野さんにとって、そういう走る自分を解放するために作ったスローなピアノ曲である。
「SFX」という、そういう時代的なアルバムの最後に収められた、全てを無に帰すための鎮魂歌である。
自分も、イラつき、高ぶる精神を落ち着けるために、夜の暗がりの中、この曲をよく、精神安定剤として、聴くことが多い。
この曲は、深夜~朝にかけて行われたアルバムの録音、深夜の営みのさなか、ひっそりと、細野さんが独りで作った子守唄である。
都会の孤独の中、その都市のキチガイじみた速度を、落としていく作用がある。
今夜も、かたちんばは、この曲を、独り日本酒を冷やして飲み、タバコをくゆらせながら・・・聴いている。