二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡を育てる。

2016-05-02 17:57:51 | ■工房便り 総合 
二胡を楽器として育てていくのに良い時期と言うのが2つあると思います。

一つは、冬場の空気の乾いた時期、

そして一番望ましいのは、これから始まる梅雨の時期でしょう。

新しい二胡の蛇皮は、どうしてもかなり最初は硬い音がします。

これを人為的にオイルを塗ったりすれば、一時は皮が柔らかくなって、音も柔らかくなります。

ところがオイルは皮の内部にまでしみこみます。

そうすると、冬場の音の硬い時期は良いでしょうが、

湿度も上がってくると、オイルで柔らかくなっている皮はさらに柔らかくなります。

靴のクリームには、乳化されたものとされていないものがありますね。

鞣した皮のうるおいを保ちながらつやを出すのが、乳化されたクリームです。

これは水分を含みます、蝋分とオイルと水分の含まれた状態の物です。

オイルを塗ってしまった蛇皮が、湿気に当たると、さらに柔らかくなるのはこのためではないでしょうか。

まあ、見た目は綺麗になりますが。

それであったら、冬場に音が硬くなったら、水分を少し、与えた方がまだましでしょう。

水分はあとで乾きますから。

それはともあれ、梅雨時の湿度の高い時に、蛇皮は緩くなりますね。

元々蛇皮を二胡の胴に貼る時には、水で濡らしておいてから張ります。

蛇皮自体が、縦横の伸び率の違いがありますし個体差もあります。

最初に貼った時には張力として、全く均一というわけではないのです。

最初はパンパンに張りますから音も硬いです。

二胡独特の低音など全く響きません。

この段階で二胡を買わなければいけないのがつらい所ですね、育った時の音が想像しにくいでエスから。

ですから中には、この二胡は低音が出ないなどという方もいますし、それで見向きもされない楽器もあります。

ところが、梅雨時になると、いくらパンパンに張られた、新品の二胡でも、かなり湿気を含みますから、育った時の音というのが想像しやすくなります。

ある意味良い楽器を探すには、梅雨時がベストとも言えますね。

それはともかく、

全く均一ではなくとも蛇皮は湿度を与えられると、緩くなり、多少張力が変わってきます。

この時が二胡を育てるチャンスです。

二胡の皮を張る時には濡れて湿った蛇皮を、なるべく均一になるように叩いたり、

推したりして、伸ばしていきます。

日本の大太鼓などはる時には、皮の上で子供たちに飛び跳ねさせたりするとも言われます。

ですからこの湿度の高い時期に、強めにとにかく強めに、

例え弦がぎーぎー鳴っても良いですから、(出来たらならないように手頸の力を抜いて)強めに毎日弾き込んでください。

その時には、にこのこまの松富士を使って下さい。

駒が押さえる面積が大きくなりますから、全体を良く振動させやすくなります。

しばらく続けると、今までなんだか雑音ポかったところなどなくなってきます。

また新品の二胡なら育ちやすくも鳴ります。

なんだか嫌な音になる梅雨時こそ、育てる時期とも言えます。

これは是非やってみて下さい。

まあ、これは梅雨場だけでなく弾き込み大切ですが。
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