二胡工房 光舜堂

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知っておきたい二胡の常識?非常識その2

2011-11-17 09:38:03 | ■工房便り 総合 
現在の二胡はまだ楽器としては進化の途上です。

まだ二胡は、出来上がってから、50年ぐらいきりたっていない楽器だということです。

まだ新しい楽器なのです。

ですから、まだ南の曲に合う楽器北の曲に合う楽器などということが言われています。

頭の形だけでも、龍頭を始め様々あります。

そのほか、スピーカー型や、棹が胴の中を貫通していない物偏8角形など、いろいろな物がまだ試されています。

40年ほど前にできた、8角形は、もう中国では殆ど使われなくなったといいます。

やはり主体は6角形に落ち着きそうな気配もあります。

まだこれこそ二胡というのは確定していないのです。

ヨーロッパの楽器でもそのような時代が有りました。

ストラデバリウスやアマティーまたガルネリなどが作って、

それからバイオリンは殆どその形態は変わってきてはいないと、言う記事がいろいろなネット上にあります。

でもよくよく調べてみると、バイオリンに2つの種類が有ります。

1600年代に出来上がり、1700年代の半ばまでにストラデバリウス達が完成した、バロックバイオリンと、

1800年代の半ばにそれまでのバロックバイオリンに手を入れて、作られ始めた。モダンバイオリンというのが有ります。

決定的な違いは、ネック(棹)が傾斜したことでしょう。

それまでのバロックバイオリンは、棹が表の板と平行にできていたことです。

モダンバイオリンは棹の頭が、表板より下がって下に傾斜したことです。

この傾斜したことで、表板にかかる弦の圧力が増しました。

当然、音は大きくなります。

二胡で言うと、千斤を思い切って、棹にまで着くくらいに、縛った状態です。

これやってみてください、ボリュームアップします。

或いは、千斤はそのままで、木軸を長くして、弦の出る位置を現在の32ミリから、38或いは42ミリぐらいまで長くすると、

弦が駒を押す強さが上がりますので、ボリュームがアップします。

気をつけなければいけないことは、皮の状態によっては、雑音がひどくなることもあります。

バイオリンでも同じことが起きました。

それまで、ストラデバリウスや、アマティー等のイタリアのバロック時代のバイオリンの中に、最近は弾かれなくなったドイツのシュタイナーの楽器が有りました。

そのモダンバイオリンへの変更以前では、ストラデバリウスや、アマティー等より人気が有り、2、3倍の金額したといわれている物です。

このシュタイナーの楽器は、ネックに傾斜をつけて、ボリュームアップをした時に、表板が薄すぎたせいか、音の割れがひどくなりました。

雑音がひどくもなりました。

8角形の二胡もボリュームアップを求めて出来上がった物です。

8角形の二胡が、わりと雑音が多いのは、ボリュームアップをするために、

胴を円形に近くして、さらに、響きやすいように、皮を薄く梳きすぎているのが原因と思われます。

バイオリンの演奏が、それまでの、王宮や貴族の家庭などよりも広いホールでの演奏が増えて来て、

音の大きさを要求されるようになってきたからと言われています。

ストラデバリウスや、アマティー等も、この時代、ネックを傾斜する改造を施された物が多いのです。

それでも、改造後、ちゃんと鳴るというのは、これらの楽器の凄さかもしれません。

二胡の場合、まだまだこれらの、ボリュームアップや、音色の追及など、まだまだ進化の途上にあります。

バイオリンは、ストラデバリウスを越える楽器は無いといわれています。

そういわれる二胡が出て来るまでは、まだまだ、私などにも、楽器の進化にに参加できる余地があるのだと思います。

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