二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

可使由之、不可使知之。 由らしむべし・知らしむべからず

2018-11-28 13:22:39 | カラコラム
楽器はただの道具である、と教えてこなかったのが、日本の二胡の世界でしょう。

知らしむべからず,とやってきたのかもしれません。

二胡は不思議なもの、難しい物、何しろ自分たちで購入することもできないものでしたから、

サイテス(輸出入の許可証)さえとれば自分でも購入できるという事が知られてきたのが、つい最近のことです。

その他、楽器の事、

もっと簡単に言うと、弦を巻くこと、駒を取り換えることそんなことでさえ、

10年くらい前のSNSやいろいろなブログに、やっと書かれていたのです。

ヴァイオリンなど、小学生くらいになればもう自分で弦は交換できます。

二胡の弦にしろ同じことなのです。

二胡の愛好家のほぼ90%以上が女性です。

それも割とお年を召した女性たちです。

でも、その女性たちが家庭の中でどんなに器用に、服を縫い、ちょっとした棚ぐらいはご自身で取り付ける方もいます。

庭木もいじり、家のメンテナンスでさえ、やる人は多いです。

弦を巻くぐらい誰でもできることなのです。

確かに二胡の弦は硬く、ぴょんと跳ねることもありますし、たまには手を指すこともあるでしょう。

でも、それらは、さいしょにきちっと教わりさえすればよかっただけなのです。

それを教えなかった、知らしめずに、二胡の扱いは大変なのだと教え込んできた人たちがいたのでしょうね。

確かに千金の巻きは難しいかもしれません。

しかし、この糸の巻き方そのものは、日常の中で女性たちはいろいろやっていることの一つの方法でしかないのです。

あとは、巻く千斤の位置と、幅の問題ですね。

これは知らしめずではなく、単に教える基準を教える側が持っていなかったという事ではないでしょうか。

ですからつい先生がやってあげてしまう。

ついでに弦も交換してあげてしまう。

まさに由らしむべし、ついついやってもらえれば、人はそれによりかかります。

そんなことを手に取って教えるより、次の曲を、、、という事なのかもしれません。


楽器の扱いを教えるのも、先生の役割ではないですか?

そして楽器の扱いを教えることも先生の役割なのです。

二胡の場合それらもはっきりとした、決まりがなく、皮にハンドクリーム塗るように、

油を塗るように勧める人までいます。

ましてや二胡を販売しているのに、今ではだれも使わなくなった固定千斤が良いものだと、押し付ける。

皆さんがもし、いま、弦をご自身で交換できないとしたら、それは、販売したものの責任ですし、

教える人の責任でもあるのではないですか。

知らなければ、できないですからね。

今考えているのは、せめて光舜堂は、弦交換だけのお客様は受け付けないことにしようと思っています。

受け付けないというと問題はありますが。

これは一緒にやろうと思うのです。

少し時間を取っていただいて、ご自身出来るようになるまでやってもらおうと思うのです。

二胡は弦を変えるくらいで壊れません。

音も悪くはなりません、その楽器の皮に合っていさえすれば。

また練習用のげんもあります。

高い弦をダメにしたら、万一音が悪くなったら、というご心配をする人も多いようです。

しかし、私もいますし、またほぉさんもいます。

今までの例から言うと、15分もかからずに覚えられることです。

もし弦を交換してくださいというお客様がいらしたら、方法は教えます。

一緒にやりましょう。

簡単ですよ。

出来るようになると、うれしいですよ。


先生方もぜひその時間作って教えてあげてください。


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