二胡工房 光舜堂

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光舜松脂は何故、弦を高らかに鳴らせるのか!

2024-11-28 13:59:43 | 光舜松脂 ヴァイオリン用
最近工房においでのヴァイオリン弾きさんが増えています。
その中でほとんどの人がかの高級松脂を使っておられ、その松脂の上に直接「光輪」「寂光」を試していただく事が多くなりました。
引っ掛かりの良いと言われるその松脂の上に乗せても光舜松脂は更に豊かな音色と大きな響きを実現して、皆さんたちまち光舜松脂の虜になるようです。

擦弦楽器の弦は松脂の摩擦力で振動を起こします。
弓毛だけでは音がとても出にくいのは皆さんご存知だ思います。

普通の樹脂から作ら作られる擦弦楽器用の松脂は、基本的にテレピン油を含んでいます。
ですから、そのテレピン油が松脂の粒子と混ざり粘りを出すことで弦を引っかけます。いわゆる皆さんの言う引っ掛かりです。

原料を割ってみると内部はこのように光っている油分をたっぷり含んだ状態です。
ガット弦が使われていた時代には、寧ろこの引っかかりは抵抗となってしまうので、樹脂そのものではなく、天然熟成された油分のほとんどなくなっていた松脂を使っていたと思われます。

天然熟成の松脂は、殆どテレピン油を含まないくらいに熟成されています・
松脂の粒子だけになっているのです。
大変細かい粒子でそれは馬毛と密着します。
粒子は細かくなればなるほど他の物質に密着しやすくなります。

粒子でも絵の具に使う顔料の大きさくらいなら、手ではたいただけでも落ちますが、染料くらいの大きさになると手に付いた染料は洗っても落ちなくなります。
もしかしたら分子間結合力など働くのかもしれません。
その粒子の細かさによる密着度が弦を振動させます。
そして油分の入っていない粒子ですから、一つの粒子が振動を起こして直ぐ次の粒子に移動できます。

油分の入っているものは、粒子と粒子が油分でつながってしまっていて、次の粒子がつながりになってしまいます。ですので音のキレは悪くなってしまいます。
現在既存の松脂は、松脂に含む油分や添加物の質や量を変えて、太さの違う各楽器の弦に対応するように、作っているようです。
ですから、コントラバスようやヴァイオリン用と別れています。

天然熟成系の光舜松脂は基本的にそれぞれ各種の楽器を鳴らせます。
基本的にはヴァイオリンからコントラバスまで同じ「煌」でも「寂光」「光輪」でもすべて鳴らすことはできると考えています。
それはすでに弓そのものの大きさ太さ毛の量が楽器の違いに合わせて作ってあるからです。
要するに、弓毛の幅と量が増えれば、弓毛に合った分の松脂粒子が付着しますので弦の振動を起こす松脂粒子が多くなるのです。
その粒子の数が増えればより太い弦も振動させやすくなるのです。
単純にそういう事です。

例えばです、ヴァイオリンの弓でチェロを良く鳴らすのはかなり力を入れないと鳴りませんが、二本のヴァイオリン用の弓をもって弾くと簡単に弦は振動してくれるのです。(しかし演奏はしにくいです)

そして弾き方あるいは圧力のかかり方によっても振動しやすさは変わります。
ヴァイオリンの弓は約60グラム、チェロは90グラム前後コントラバスは様々ですが120グラム以上はあります。

ヴァイオリン用の弓で、チェロを弾こうとすると弓の木がふらふらおと柔らかすぎる感じが伝わって来ます。
反対にチェロ用の弓でヴァイオリンを弾くと強すぎてガリガリという音に鳴ってしまいます。

そして、手の重さというのも脱力していればしているほど弦にかかります。
男性と女性ではその手の重さというのは数キログラム違います。(もちろん女性でも体格の大きな方はいますし男性でも小柄な方はいます、ですからその体格に合わせてという事です)
そこで、比較的小柄な女性の普通は男性より軽い手の重さにも合うように、粒子の大きさは変わりませんがより密集度を高めた赤寂光・赤光輪を作ったのです。これは体格の大きな方には弦が鳴りすぎると感じるかもしれません。

洋楽器の弓はその木の重さや弓毛の量など既にそれぞれの楽器に対応するように、長い歴史の中で、重さも太さも毛の量も変えてきています。

ですから、本来は天然の松脂でも全ての楽器を鳴らすことができたのです。
ガット弦の時代には。
金属巻の弦になった時に天然松脂ではそれらに対応できなかったのは、天然では、その熟成の過程と経過で綺麗に一定の大きさの粒子ではないからです。
現実缶ベルの一番古いタイプではヴァイオリンのG弦は物足りない感じもあります。チェロはさらに全体に物足りなかったです。
ですから、弓毛に松脂が密着して弦を鳴らす状態になりにくく、ガット弦のように表面が荒れたものなら鳴らせたのです。
金属巻になってきて弓毛に天然の松脂を塗っても粒子の大きなものはかえって弓毛から落ちてしまい太い弦などですと鳴らしにくいのです。
そこで誰かが、ポマードなどを松脂に混ぜると弦に引っ掛かりが生じると現在の松脂を作る事になったのでしょう。

光舜松脂は反対に徹底して熟成させることで弓毛そのものに松脂が密着するように大変細かい均一な粒子として、現在の金属巻の弦を松脂成分だけで鳴らすようにしたのです。

何より良い事は引っ掛かりをお止めた油分を含ませた現在の松脂はしばらく弾いていると弦に松脂がこびりつき本来の弦の振動を妨げます。それが無いことも良い点の一つでしょう。

松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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