二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡は寒さに弱い

2011-02-19 09:19:57 | ■工房便り 総合 
二胡が、湿気に弱いのは皆さんも実感していると思います。

寒さにも弱いです。

湿気があって寒ければ、ホントにこれ自分の二胡?と疑いたくなるような音きり出ません。

響かないし、掠れるし。

ホントに寒い北国の人は、家の中が一日中しっかり暖房されていますね。

以前よく北海道の北見に、11月から12月ぐらいに木の伐採の立ち合いに行きました。

知り合いの神主さんの家や、樵さんの家に泊めてもらって、家の中がものすごく暖房されているのに驚いたことがあります。

東京の私の家などは、冬のさなかに、火鉢一つなどということもありましたから、むしろ東京の方が寒い感じがありました。

それより寒い多摩地区のそれも多摩川べりの、私の工房は、一冬中氷の解けない場所があるくらいに寒いのです。

朝7時半仕事場に着くと、まずやることは、薪ストーブをつけます。

親友の今は亡くなった、塩田君(工房メタルスミス)が40年前に作った鉄のストーブです。

薪もかなりの火力になりますから、今では、うちの鉄の制作者たちが代々にわたって鉄板を張り替え張り替え、彼が作ったのが残っているのは、焚口のドアぐらいでしかありません。

とにかく火がたきあがってくるまで、ストーブのそばで火の番しながら、二胡を弾きます。
当然音は、最初カリカリします。薪ストーブのそばに、二胡をかざして、炊きあがってくる熱にかざしたりしますが、なかなか暖まりません。むしろコートの(まだ寒いのでコートは着たままです。)中の懐へ入れておく方が早く暖まります。

多分、木の楽器というのは、人肌くらいが良い温度なのかもしれません。

しばらくコートの中で温めて適度に良いかなというころには、ストーブの火も立ちあがって、毎朝寄ってくるスタバのカプチーノ飲みながら、二胡弾きです。

このとき音がみるみる鳴るようになってくるのが良くわかります。

蛇皮二胡は暖かいところの楽器なのだなという気がします。

だからでしょうか、中国でも北の方に板で作った二胡(板胡)があるというのはこういうことなのかもしれません。

アラブの当たりのレバーブという楽器が弦楽器の先祖だと言われていますが、その振動板は多分羊の皮でできていました。
それが北の方トルコや東欧に伝わって木の板に変わったと言います。

馬頭琴も初期のころは振動版が皮でできていたと言います。

それがいつのころか多分元の時代くらいには、気の振動版に変わってきたようです。

皮は湿気と寒さに弱いです。

楽器は人が持ってあるって、その地方地方によって、その地の気候や、材料に合わせて変遷していきます。

メタルスミス http://www.d3.dion.ne.jp/~a_shio/

クラフトマンズワークス http://craftmans-works.seesaa.net/ 

見てやってください。

西野和宏
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