これは二胡と似ていますね。
左ががヘグムで右がラヴァナストロンです。
このほかやベトナム、東南アジア一帯にそれぞれ、少しづつ違う形態をした楽器と言うのが有ります。
言ってみると丸い筒に棹を立てて、日本の弦を張った楽器、それも弓で弾く擦弦楽器というのが有ります。
二胡も中国全土に、様々な形の二胡があります。
ヘグムも元は中国から来たものだそうです。
大体1400年代だそうです。
誰も実際に見たわけではありませんからこれはいろいろな文献の上での推測です。
これらの二弦の楽器の一番古いのが、ラヴァナストロンだと言われています。
これを原型にして、アラブラバーブなどが作られ、更に、進んでヴァイオリンにまで至るのかもしれません。
実際にそれらが伝わっていくところを見ることが出来たら面白いでしょうね
そいうわけで、最後の最後になって、海を渡って日本にまで来ました。
ヘグムは音がとても小さいです。
楽器の筒自体も小さな物です。
その上、振動板が桐の木で出来ています。
弦も絹弦です。
ですから、とても雑味があって、心地良い音でもあります。
皆さんが知っている音で言うと、阿炳(アービン)が弾く二胡の音に近いでしょう。
私がなぜこのヘグムに興味があるかと言いますと、
これかなり古い原型に近い形ではないかと考えているからです。
この楽器を音色を変えずに進化させた楽器にしてみたいという気持ちですし、また
この楽器を貸してくれたヘグムマニアさんからの願いでもあります。
とかく伝統的な物というのはの伝統を引き継いできた人では更に進化させるというのは、難しいものがあります
それこそ伝統を引き継いで来ていますから、守ろうという気持ちの方が強くなります。
私が二胡を作り始めた時、日本にいる中国の人によく言われたのは「日本人に二胡が作れるわけがない」
たぶん、このヘグムを売り始めても日本にいる韓国の方に言われるでしょうね。
でも一方で、中国本土のプロたちには期待もされています。
ヘグムは、私の木造りの興味を更に盛り立てると共に、
たぶん二胡造りへも、ヴァイオリン造りへも とても良い経験が出来ると思います。