ちまちま進めていた、ひぐらし絆。やっと最後の染伝し編をクリアした。
染伝し編は、鬼頭えん氏の「鬼曝し編」を元に描かれた外伝的ストーリー。
この物語は雛見沢御三家の1つ「公由家」の親類である”公由夏美”を主人公として描かれており、「祟殺し編」や「暇潰し編」の最後に言われていた”雛見沢大災害発生後の雛見沢出身者の異常行動”を最も残酷な形で表現している。ある意味、本編の「目明し編」を越える惨劇になっている(目明し編は詩音の置かれた状況を考えると惨劇じゃなく悲劇だが)。
原作の「鬼曝し編」では大石&赤坂のコンビが登場して、夏美の周囲をうろつくことになるが、「染伝し編」では新キャラクター”南井巴”が2人の代わりに出ている。巴は正義感あふれる女性で20代ながらも次長を務めている。妹がいて名前が”まどか”で、同じ警察官。しかも、妹の婚約者が巴の上司(何と57歳)で、巴はそれにトラウマを負っている様子。お疲れ様会ではそれでイジメられていた(笑) それと、この姉妹は両親が幼い頃に死んでいることもTIPSで判明している。
この「染伝し編」は、大石が行方不明扱いされていることから、「祟殺し編」の後日談と思われる(祟殺し編は大石が殺されるため。同じく大石が殺される「皆殺し編」は梨花を除く部活メンバーは行方不明扱いになるので、エンディングの被害者一覧で災害で死亡したと書かれていたのを見ると祟殺し編になる)。
ところどころ、「鬼曝し編」の内容が展開されるが、大部分はまったくの「別物」。鬼曝し編では親友2人は夏美と暁のことを応援していたが、こちらでは非常に”消極的でかつ敵意を剥き出し”にしている。最終的には夏美と暁を応援するようになるが、「染伝し編」の惨劇はこの親友2人がキッカケになっているのは間違いない。このことが夏美が疑心暗鬼にとりつかれた最初の出来事だからだ。これは「鬼隠し編」の圭一と共通している。
そして、一家惨殺事件の顛末はほぼ鬼曝し編になぞってはいるが、結末が違う。鬼曝し編では最後まで夏美を信じていた暁が、染伝し編では夏美を見捨ててしまうからだ。何より、夏美が”鬼”になるという展開が1番驚いた。その様子は詩音のそれをも超えるものだった。
エンディングでは「追走のディスペア」が流れ、おなじみの「雛見沢大災害」の被害者、それと、雛見沢出身者のその後が出てくるが、最後に南井巴が死亡したことまでが判明。なんとまぁ。
次巻では「染伝し編」の続編「影紡し編」が収録されることが決定している。今度はようやく、大石&赤坂のコンビが登場するもよう。今度こそ「鬼曝し編」の内容になるのかな?