フルール・ダンテルディ

管理人の日常から萌えまで、風の吹くまま気の向くまま

運の悪い人

2006年10月07日 | 極めて日常茶飯事
 会社の同僚の話。
 彼女は派遣社員としてやってきて、今月から正社員になった。前職は自衛隊員、森の中で演習中に毒蛇に噛まれ、九死に一生を得たという経験もある、異色の経歴の持ち主だ。(そのときの話もすごかったが、とりあえずはぶく)
 その彼女が入社してまだ10ヶ月、その間の彼女の身に降りかかる不幸な出来事の数は尋常ではない。
 まず、駐車場に置いておいた彼女の車が、無免許で車を乗り回していた大家の馬鹿息子に全壊させられた。もちろん大家が新車を買って弁償した。
 その次、彼女が飼っていた子犬を公園で散歩させているとき、綱を放された大型の狩猟犬(たぶんアフガンハウンド)に襲われ、大怪我をした。犬が大きくて怖くて近寄れなかった彼女は、石を投げて追い払おうとしたそうだが、それを見ていた大型犬の飼い主は泣いて怒る彼女に「あんただってうちの犬に石を投げたんだからお互い様でしょ」と言い放ったそうな。(そもそも大型犬、しかも狩猟犬を公園で放すという行為自体が間違ってるだろ!)彼女の犬は後ろ足と腸に傷を負った重傷で、1ヶ月も入院していた。
 その子犬、なんとか退院して、つい先日帰宅していた旦那がたまたま散歩に連れて行ったとき、引き綱の止め具がはずれて犬はだーっと車道に飛び出し、車に轢かれた。幸い打ち所がよかった(?)のか、ぽーんと空中を飛んだが打ち身くらいで済んだ。でも、相手の車は逃げていったそうな・・・。
 で、もともと大家と折り合いが悪かったし、ペット禁止のアパートだったので、彼女は、ペット可のマンションに引っ越した。急いでいたので実物を見ずに契約したのだが、入居してびっくり。まず畳が入れ替えてなかった。家具の痕が残っているし、擦り切れているし、窓近くの畳は日焼けして色が変わっている。それを抗議すると70過ぎたばあさんの大家は「替えた」と言い張って譲らない。ベランダには白骨化した鳥の死骸があり、風呂桶の隅には黒いかび。明らかに掃除してない。極めつけは水道。コップの底に赤錆が沈む。不動産業者に言うと大家の知り合いだとかいう男が来たが(どうも水道業者じゃないらしく、彼女が都合のいい日を連絡しようと電話すると会社名ではなく苗字を名乗ってその男が出たものだから「なんていう会社名なんですか?」と彼女が聞くと「なんであんたにそんなこと教えなきゃいけないんだ!」とキレたそうな。)、屋上の貯水槽を見るでもなく、彼女の家の蛇口を捻って赤錆が出るのを見て、「たいしたことない」「使っていれば出なくなる」と言って帰った。しかし1週間経っても赤錆が出るので頭にきた彼女は不動産業者に抗議し、業者は水道業者を手配して寄越したが、やはり「1年くらい使ってないせいだろう。出なくなるまで水は出しっぱなしにしてください。その間の水道代は負担します」との回答だった。彼女は「水道代負担してもらったって、料理や飲み水にミネラルウォーター使うしかなくて金がかかる」といって怒っている。しかし、またペット可マンションを探して引っ越す金はないので、そのまま住むしかないのだ・・・。
 他にも彼女の旦那のダメ兄貴の話とか、彼女の兄が交通事故で入院したとか、これでもかというほど不幸に巻き込まれている彼女。これほど立て続けにいろんな災難(まあ、ダメ兄貴は災難という問題ではないが・・・)に遭う人を、私は見たことがない・・・。彼女は四国出身で、母親の生まれた村は巫女さんとかイタコみたいなことを生業とする人たちの集まりで、彼女もその村の人に「あんたは四国を出てはいけない」とか言われたが、就職口がないので名古屋に出てきて自衛隊に入ったとのこと。さらに友人が紹介でしか受けない霊能者に見てもらうというので見物についていったら、その霊能者に「あなたは守護霊がいない。あなたがいると邪魔が入って見えなくなるから出て行って」と部屋から追い出されたことがあるそうな。それを聞いた私たちは、「あの不幸続きは守護霊がいないからじゃないの・・・」と内心思ったよ。彼女は今、真剣にお祓いを受けることを考えている・・・。
 というわけで、彼女と一緒にお昼を食べていると、毎度話題が尽きないのであった。
 もう一つ、彼女の不幸話を思い出した。彼女のお兄さんが事故に遭ったのは彼女の結婚式2週間前(彼女は籍だけ入れて、結婚式をしていなかったのだ)。なのにその知らせを受けて母親と共に徹夜で四国へ車を飛ばした。式の準備で疲れている上に心労がたたり、彼女は血を吐いて倒れ、入院。胃潰瘍だった。退院してきた彼女は薬を飲みつつ会社に来て、式を上げて新婚旅行に旅立っていった。行き先はハワイ。台風でもないのになぜか天気は嵐のように大荒れで、毎日雨だったそうな。もはや運が悪いを通り越しているような気がする・・・。

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