「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

法科大学院を今春、修了いたします。ひとつの通過点、だけど、すごくうれしい。

2015-03-07 22:42:14 | マニフェスト2011

 本日、修了者の掲示が張り出されているのを知りました。
 自分の名前もありました。
 法科大学院を今春修了いたします。

 法律を学ぶ者にとっては、ひとつの通過点、だけど、すごくうれしいです。


 

 仕事をし(18時半過ぎまで)、その後、夜間(19時~22時10分)に法科大学院(東京校のキャンパスが日比谷線神谷町の駅前にある。)の講義に出席しますが、物理的に限られた勉強時間しか生み出せない状況の中で、理系の自分が、法律学についていけるか、当初不安でした。

 でも、通ってみると、いずれの講師の先生も、ご指導が懇切丁寧で、素人にとってもわかりやすく、なんとか授業についていくことができました。
 気付くと、法律を学ぶ時間は、自分にとってとても楽しい時間となっていました。
 嫌々で法律の科目を勉強したことは一度もありませんでした。
 法律学は、理系の学問のようにも感じました。

 

 以下のブログは、4年前の2011年、大学院合格発表の日のものです。
 ちょうど、東日本大震災があり、その後、区長選挙に臨んだということがありました。
 6月に適正試験があり、夏に入試があり、9月に合格発表を受けました。 

*************4年前 44歳の自分(2011/9/16のブログ)*******

http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/85c7af6f8b4b318fadd12bfb26879e1d 

 まず、最初に念のためのお断りをしておきます。

 私は、法科大学院に来年4月から通いますが、クリニックの診療と必ず両立を致します。幸いにして私が通う法科大学院は、夜間に授業がなされますので、診療時間とはかぶりません。



 本題に入りますが、本日、法科大学院の合格通知を手にしました。

 法科大学院で、法律を一から学び、出直す所存です。

 自分にとって、三度目の大学への入学です。広島大学理学部物性学科(後に中退)、同大医学部、そしてこの度の法科大学院。



 人生の喜びのひとつは、学ぶことです。学ぶことの幸せにまた浸れることに感謝いたします。



 なぜ、法科大学院なのか。

 大きな影響を与えたのは、なんといっても築地市場移転問題関連裁判の弁護団長 梓澤和幸弁護士との出会いでした。

 梓澤氏そして弁護団の弁護士の皆様は、本来、行われて当然の土壌汚染コアサンプルの保存をせずに、廃棄(汚染証拠隠滅)しようとする東京都に対し、食の安全と市場で働く皆様の健康を守るため、異議を申し立てるため提訴くださいました。そして、論理構成がとても難しいのにも関わらずクリアーをし、法廷で討論してくださって今に至ります。

 「法はひとを守るために存在する」その思いを、私に強く抱かせてくださいました。

 梓澤氏との出会いは、とても細い線で、偶然つながりました。

 1)築地市場の仲卸のかたが他の裁判で、梓澤氏の活躍されている現場を見る。

 2)築地市場の現在地での再整備を実現するためのアドバイスをいただくため梓澤弁護士に面会の依頼をし、梓澤氏が面会をくださる。

 3)面会し、築地市場の移転問題の経緯を知るにつけ、梓澤氏が、大いに問題意識を共有くださる。

 4)その時、土壌汚染の専門家の皆様が警告しているにも関わらず、東京都がコアサンプル廃棄を始める。

 5)梓澤氏ら弁護団を結成し、コアサンプル廃棄にまったをかけ、提訴。



 これらの長いステップがすべてつながって、私は梓澤弁護士と巡り会い、かつ、法への関心を高めるきっかけとなったのです。

 

 もちろん、私のスタンスは、いままでも、そしてこれからも、子どもたちが心も体も健康に育つことを目指す小児科医師であるということは変えるつもりはありません。

 区議会議員や、この度の区長選挙を経験する中で、法を知りたいという思いは、素地には育っていました。
 はたまた、大昔、それは、議員をやるよりもずっと前に、法科大学院の通信講座をやりかけて挫折した苦い経験も恥ずかしながらもっています。

 そこへの梓澤氏の登場であったわけです。



 いままでの法に対する具体的な思い。

 たとえば、

*区長選挙マニフェストに「区政の重要事項は、住民投票に図り直接民主主義を取り入れる」と謳いました。その住民投票の意義を深く知りたいという思い。

*中央区議会会議規則「第百三条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を附し、議長に報告しなければならない。一 採択すべきもの二 不採択とすべきもの」とあります。請願の審査結果は、「採択」か、「不採択」の区分しか存在しないにも関わらず、今回第三回定例会で「趣旨採択」なるものがされたが、この妥当性を知りたいという思い。

*日本国憲法を遵守し、日本が戦争の道をたどることのないよう努めるとともに、まだまだ、世界各地の紛争やその火種は絶えない中、それらを鎮め、調整する仲介役を日本は、将来、役割として担っていくことが出来る、担っていくべきであると信じています。そのためにも日本国憲法の理解を深めたいという思い。

*「個人情報保護」と「情報公開」をクリアにすることができるための理解を深めたいという思い。

*まちづくりの情報が区民に開かれたものにするための制度づくりや住民参加の制度づくり、それらを担保する法のありかたの理解を深めたいという思い。

*「やらせ」「ねつ造」など、社会の不正義を正す法のあり方の理解を深めたい思い。

*裁判員制度は、日本のシチズンシップを発展させてくれるであろうという思い。


 などなど。

 
 44歳にして再度大学への挑戦は、自分でも未知の世界に飛び込む気分です。

 せっかくのいただいた貴重なチャンスを生かせるように精一杯努力いたします。

***************4年前の自分終わり*********



 4年前に約束した通り、通過点ではありますが、修了という結果を得ました。

 上記ブログで書かれている、法律を学ぶきっかけとなった、数々の法律に関する疑問に対し、今の自分が、わかることを回答してみます。




**********4年前の自分に対する今の自分による回答********
→が回答

*区長選挙マニフェストに「区政の重要事項は、住民投票に図り直接民主主義を取り入れる」と謳いました。その住民投票の意義を深く知りたいという思い。

→法科大学院で、住民投票には限界があるがやはり有効な手段であることを学びました。



*中央区議会会議規則「第百三条 委員会は、請願について審査の結果を次の区分により意見を附し、議長に報告しなければならない。一 採択すべきもの二 不採択とすべきもの」とあります。請願の審査結果は、「採択」か、「不採択」の区分しか存在しないにも関わらず、今回第三回定例会で「趣旨採択」なるものがされたが、この妥当性を知りたいという思い。

→採択、不採択のどちらかしかない。趣旨採択は、不採択でないのであるから、採択に他ならない。



*日本国憲法を遵守し、日本が戦争の道をたどることのないよう努めるとともに、まだまだ、世界各地の紛争やその火種は絶えない中、それらを鎮め、調整する仲介役を日本は、将来、役割として担っていくことが出来る、担っていくべきであると信じています。そのためにも日本国憲法の理解を深めたいという思い。

→芦部先生の『憲法』をテキストに、憲法学という学問のおもしろさを学びました。なんとか、国際公法も学びたいところです。
 内閣総理大臣さえ、憲法学を理解されていないようですが、そして、右左を抜きにしても、国民ひとりひとりが憲法学を基礎の知識として持つことが大事なことだと考えています。



*「個人情報保護」と「情報公開」をクリアにすることができるための理解を深めたいという思い。

→いずれの情報もとても大事。情報公開だけでなく、情報公開が機能するためには、公文書の管理に関する条例も整備する必要がある。情報公開でやむをえず非公開にした場合にも、20年30年先には、公開をする規定を情報公開条例の条文に盛り込むことで、恣意的な非公開の運用をしていないことの説明責任を果たす手法が有効であることも知ることができました。



*まちづくりの情報が区民に開かれたものにするための制度づくりや住民参加の制度づくり、それらを担保する法のありかたの理解を深めたいという思い。

→住民参加を条例で約束することができます。行政訴訟法、行政不服審査法、行政手続法など使うことで有効に対応していくことができると思いました。



*「やらせ」「ねつ造」など、社会の不正義を正す法のあり方の理解を深めたい思い。

→刑法学、刑事訴訟法、経済刑法など刑事事件法の考え方が最終的に不正義を正す担保として存在する。しかし、適正手続をとることが重要です。



*裁判員制度は、日本のシチズンシップを発展させてくれるであろうという思い。

→その通りである。ただし、裁判員裁判の難しさも存在します。
 ブログ:http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/c6bee36fa4bae7e5d469b9ef6568d48b 

 

以上。

 

 最後に、ひとこと。

 「法はひとを守るために存在する。」
 私の確信が、さらに強くなりました。


 

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