1,『星の王子さま』を久々に読んだ。読んだ直後の感想は、
「いつ読んでも新鮮だなあ。何回読んでも、たいせつなことを教えてくれる、理屈っぽくない形で。」
2,本書に、『星の王子さま』の帯のポップコピーを与えるなら、
「あなたの心の中を、星の王子さまといっしょに探検に行きませんか。素敵な景色にきっと出会えます。」
3,読み聞かせをしたいと思う3箇所を選んでみるとすると、
- 王子さまは、なにがたいせつかということになると、おとなとは、たいへんちがった考えを持っていました。ですから、あらためてこういいました。
「ぼくはね、はなを持ってて。毎日水をかけてやる。火山も三つ持ってるんだから、七日に一度すすはらいをする。火を吹いてない火山のすすはらいもする。いつ爆発するか、わからないからね。ぼくが、火山や花を持ってると、それがすこしは、火山や花のためになるんだ。だけど、きみは、星のためには、なってやしない…」(69-70頁)
- あの男は、王さまからも、うぬぼれ男からも、呑み助からも、実業家からも、けいべつされそうだ。でも、ぼくにこっけいに見えないひとといったら、あのひときりだ。それも、あのひとが、じぶんのことでなく、ほかのことを考えているからだろう。(74頁)
- 「きみの住んでいるとこの人たちったら、おなじ一つの庭で、バラの花を五千も作ってるけど、…じぶんたちがなにがほしいのか、わからずにいるんだ」と王子さまがいいました。
「うん、わからずにいる…」と、ぼくは答えました。
「だけど、さがしてるものは、たった一つのバラの花のなかにだって、すこしの水にだって、あるんだがなあ…」
「そうだとも」と、ぼくは答えました。
すると、王子さまが、またつづけていいました。
「だけど、目では、なにも見えないよ。心でさがさないとね」(114頁)
4,生活している星に、王子さまがやってきたら、、で短編のお話しを作ってみるとすると、
そこは、地球の中の日本。夜中に街角で泣いている子に王子さまは気づいて、走り寄りました。
「家族は、どこに?」王子さまは問いかけると、「家族はいない…」とその子は、つぶやきました。小さいころ親から繰り返し虐待にあって、とうとう施設に保護され、両親の親権は消されてしまいました。
「今は、どこで生活をしているの?」
「新しい家にお世話になって暮らしてきたのだけど、その家からも毎日虐待を受けて、行き場がもうなくなって、どうしていいのかわからなくて…きっと僕が、ぜんぶ、悪いんだ。おとうさん、おかあさんがいなくなったのも。あたらしいおとうさん、おかあさんにいじめられるのも…」
星の王子さまは、自分もいまはひとりであること、ひとりでいろんな星を旅してきたこと、旅でいろんな変わったおとなとであってきたことを夜通し話しました。もちろん、世の中には怖い動物がいること、その子は、象をものみこむウワバミの絵に、たいへん驚きを隠せませんでした。
明け方、その子は、決心しました。「これからは、一人で生きていくよ。」
王子さまは、約束しました。「僕の帰りを待つはながあるから、星に帰るけど、寂しくなったら、いつでも、戻ってくるからね。」
地図が好きだったその子は、それから、王子さまからの紹介の手紙を持って、地理学者のところへ行き、無事に助手にしてもらったそうです。
以上
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