◆子どもたちに平和な未来を◆
こんにちは。市民レポーターの “クッツー” こと沓間聖です。
県立図書館で、8月4日~6日まで行われたピースフェスタを取材しました。
このピースフェスタで展示されていたのは、テレジン収容所で描いた子どもたちの絵です。
テレジン収容所って? わたしは、はじめてききました。
テレジン収容所は、チェコの北部の町に1941年につくられました。アウシュヴィッツ収容所への控室、中継地といわれた収容所です。このテレジン収容所から、おおぜいの人がアウシュヴィッツ収容所に送られました。
テレジン収容所で子どもたちが描いた絵…つらい毎日だったはずなのに、町の風景や遊園地、花やちょうちょ、食卓を囲む家族など、楽しそうな明るい絵がたくさんありました。もう一度戦争の前にもどりたい、明日はきっといいことがあるように、そんな思いがつまった子どもたちの命のメッセージの絵でした。
収容所ですから、絵を描く道具や紙があるわけでなく、ドイツ兵が捨てた書類や小さな紙きれを画用紙のかわりにし、セーターの裾や袖をほどいた毛糸で描かれた絵もありました。自分の髪の毛を張り付けた絵も…
今の子どもたちの絵も展示されていました。画用紙もクレヨンや絵の具も豊富にあり、自由にのびのびと絵を描ける自分たち… こっそり命がけで絵を描いたテレジン収容所の子どもたち… 両方の絵を見ることできっと感じることがあったと思います。
展示をご覧になった方から
「たくさんならんだ楽しい絵の背景を考えると、絵とは全然違う状況の中で生きていた子どもたち。2度とこんなことがあってはならないと思いました。」
「絵を描くことを通して、子どもたちに希望や夢を与えようと考え、指導した先生がいたこと、収容所の中でとても勇気がある行動だったと思います。子どもたちの収容所の中での暮らし、がんばってつくっても大きいジャガイモは自分たちにはまわってこない、草も食べるほどひもじかった、1枚の毛布を3人で使ったなどー涙が出ました。」
ピースフェスタを企画した甲府YWCA(NGO)の方からのメッセージ
『この展示が、平和の大切さ、命の大切さを考える機会になればと思います。原爆絵画展を長年続けてきた中で、被爆者の方から、昨年の夏、この企画を紹介されました。その時は、まさか、1年後、ウクライナをはじめ世界がこのようなことになっているなんて思いもしませんでした。子どもたちに〘生きる〙ということについて考えてもらいたいとともに、〘子どもたちに平和な未来を〙この願いに一歩でも近づきたいです。』
テレジン収容所にいた子どもは15000人、そのうち生き残ったのは100人です。それぞれの絵の下に名前・生年月日、続いてアウシュヴィッツ収容所に送られた年月日が記されていました。絵を描きながら、どんな未来を想像していたのでしょう。〘子どもたちに平和な未来を〙願わずにはいられません。
おまけ
会場には、平和に関連した本がならんでいましたまた、中高校生の平和への取り組みも紹介されていました。8月は、平和に関連した催しもあちこちで開かれています。平和について、子どもたちの未来について考えたいですね。