~あらすじ~
ごく普通の高校生デヴィッドはある日、自分にテレポート能力があると知る。
そして独りニューヨークへ発ち、その力を悪用し銀行の金庫から大金をせしめ、自由を満喫するのだった。
しかし一方で、デヴィッドと同じ能力を持つ“ジャンパー”たちの抹殺を使命とする組織“パラディン”の影が迫り……。
~感想~
この映画のなにが弱点って、誰も知的じゃないのが最大の弱みである。
能力を活かした罠や奇想天外な作戦などなく、敵は敵でオーバーテクノロジーな兵器をなんの説明もなくじゃかすか使ってくる。
キャラも弱い。能力を人助けに用いる気はさらさらなく、銀行強盗をなりわいに自らの快楽だけを求めるチャラい主人公に共感できないのはもちろん、それに天誅を加える悪役も「ジャンパーにかかわった人間は皆殺し」というよくわからない教義を抱えているわかりやすい極悪ぶりなので、犯罪者 vs 犯罪者の図式になってしまっているのだ。
しかもヒロインは「さっさと助けなさいよ」を連呼するきわめて自己中心的な性格(単に常人なのかもしれないが)、相棒は主人公に輪をかけてチャラい、母親は立ち位置が不明、と脇を固める面々もしょうもない。
とても原作があるとは思えない「面白い設定考えたからとりあえず映画撮ろうぜ」的な結構のくせに、続編作る気満々なストーリー展開も頭が痛い。
もっとちゃんとした脚本さえあれば……。
評価:★★ 4