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ミステリ感想-『西巷説百物語』京極夏彦

2010年08月30日 | ミステリ感想
~収録作品~
桂男
遺言幽霊水乞幽霊
鍛冶が嬶
夜楽屋
溝出
豆狸
野狐


~感想~
冒頭の「桂男」が傑作で、さすが京極!と快哉を叫んだが、以降はシリーズのお約束を「桂男」で示されたテンプレに当てはめれば真相が透けてしまうのが、贅沢な悩みながらもすこし残念。
とはいえ基本的に一対一の会話形式で、「これで終いの金毘羅さんや」を決め台詞に据えた構成は、先に発刊された『死ねばいいのに』をほうふつとさせ、熟練の語り口で飽きさせることはない。
毎度おなじみボーナストラックとしては書き下ろしの「野狐」にあの人が登場し、サービスも満点。西の巷説百物語をまだまだ読みたいところだが……。


10.8.8
評価:★★★★ 8
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