小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

マイクロソフト君、アップグレードの押しつけは犯罪行為ですよ(追記)

2016年06月04日 20時58分02秒 | 社会評論
      





先に表題の記事を書きましたが、私の知人で、いきなりシャットダウン時と同じ画面になり、「アップグレードしています。何%終了」と告知され、手の施しようがなく、あわてて電源を切った人がいました。その後怖くて再起動することができず、当方に相談してきましたので、こちらのPCを立ち上げて、「ウィンドウズ10 勝手にアップグレード開始 対策」と打ち込んで検索したところ、以下のURLを見つけ、防止策を知ることができました。
http://www.lowlowlow.link/entry/2016/03/17/123508

お困りの方、このサイトに行ってみてください。とてもわかりやすく防止方法が書かれています。

しかし、ここには、防止策だけではなく、次のような恐るべきことが書かれていました。

Win10にはバックドアが仕掛けられていて・・・全ての情報はマイクロソフトとアメリカ政府に筒抜けになることも明らかになっています。(テロ対策という意味もある)
中国やソ連ではWindows10は使うなという命令が出ているほどなのですね。日本でも官公庁や大手企業では情報が流出する可能性が高いことからWindows10へのアップグレードは禁止するお達しが出ています。


サイバー攻撃戦争が熾烈を極めていることはニュースで知っていましたが、公的なやりとりに限定されているのだろうと思っていました。ところが上に書かれていることがもし本当だとすると、一般の民間人の情報交換もアメリカ政府に筒抜けであることになります。これは単にマイクロソフトという私企業の悪徳商法であるだけではなく、明らかにアメリカ政府による言論統制です。そういう目論見があるからこそ、あんなにしつこく、強引に10に更新させてしまうのかと思うと、得心がいきます。
「言論の自由」を謳い続けてきたあのアメリカがこんなことをしているとしたら、聞いてあきれます。テロ対策のためにやっているという建前があるからと言って、これを黙って受け入れることはけっしてできません。なぜなら、この強制的なアップグレードの背景には、情報戦争のために、なりふりかまわずプライバシーの侵害を行っている国家対国家の焦りの姿が彷彿と見えてくるからです。その点ではアメリカも中共と変わりません。いえ、反政府的な情報を露骨に遮断する中共よりも、アメリカのほうがより巧妙なのだと言えます。これは「テロ対策」という名のサイバー・テロなのだ考えたほうがよい。
もちろん、筒抜けになっても大して困らないという人が圧倒的多数なのかもしれません。しかし問題はそういうことではなく、「より進化したシステムに無料でアップしてあげます」という民間企業の誘い文句(しかもじつは大して進化していず、トラブルを起こすことの方が多い)を通して、じつはアメリカ政府が民間人のプライバシーを平気で侵害するという、その形式一般なのです。それを自由や人権を最も尊重すると標榜しているはずの国家がやっているということ、その驚くべき欺瞞性こそが問題なのです。
グローバリゼーションの嵐に見舞われている国家が国家としての体裁を保つためには、どんな血迷ったことでもする。ことほどさようにグローバリズムは人倫を蝕んでいるということなのでしょう。私たちは、10へのアップグレードを拒絶して、この流れにどこまでも抵抗しなくてはなりません。その抵抗を、マイクロソフトを通じて行うというのも皮肉な話ですが。
それにつけても、日本のマスコミの情けなさがここでも際立ちます。先の引用が事実とすれば、堂々と報道すべきではないでしょうか。NHKはユーザーの不満の声についてしか報じていませんでしたね。ノーテンキで気づいていないのか、それとも知っていながらいつもの属国根性でわざと隠しているのか。