蒲田耕二の発言

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NHK的限界?

2012-04-21 | 社会
いまに始まったことじゃないが、ニュースウォッチ9から報道ステーションへとハシゴすると、NHKの問題意識の希薄さが嫌でも分かるね。その典型が、昨夜のクマ騒動だった。

NHKはトップで報道しなから、クマが雪の吹き溜まりを伝って脱走し、従業員を噛み殺して射殺された、という表面的事実を伝えただけ。

対する報道ステーションは、クマ牧場の飼育環境が劣悪で以前から動物保護団体の注意を受けていたこと、管理する行政(秋田県)が通り一遍の指導しかしてなかったこと、等々の背景を報じた。

一般に、飼育されているクマは人慣れし、飢えてもいないので人を襲うことは滅多にないそうだ。だが、この観光用クマ牧場はロクにエサを与えないためクマがガリガリに痩せ細り、病気に罹ったものもそのまま放置されていた。

これじゃあ、クマが人を襲うのも無理はない。事件の真相は、ここまで掘り下げて報道されないと一般に理解されない。大方の視聴者は、人殺しグマが退治されてああよかった、で終わりだろう。虐待された上に射殺されたクマが哀れだよなあ。

NHKは視聴料で運営されているから、民放より不偏不党の姿勢を厳しく求められるとされる。しかし、こういう問題意識の乏しさは、不偏不党というより単なる怠慢じゃないのかね。

ていうか、ひょっとすると、あえて視聴者の頭を思考停止にする意図でバックグラウンドを伝えないのかも。たとえば政治問題で、その裏面を市民が真剣に考えだしたら、政治家にとっちゃ飛んでもない事態になるかもしれないもんね。小沢の陸山会事件とか。

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