東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

支柱

2011年11月10日 | カマキリ
ススキ、セイタカアワダチソウ、キクイモ、クズなどが生える陽当たりの良い広大な草地環境。嘗て僕が小学生であった1980年代初頭、東京湾に隣接した23区にあたる広大な埋め立て地は十数年間放置され、大草原と化してカマキリやバッタ目の宝庫であった。秋に咲き永遠に続くセイタカアワダチソウ群。その一本一本にオオカマキリがエサを待ち構えていて採集するも虫カゴに入り切らないほどの生息数に圧倒された記憶がある。しかし、都市開発が進み広大な草原であった場所には団地や工場、倉庫などが建ち並んでしまった。

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ここは当時からあまり変化が無く奇跡的に残されている場所。歩道と草地の境界には金属製のフェンスでは無く、木製の支柱に鉄線と言った旧タイプで当時の雰囲気が今も残っている。ここには初秋にもカマキリを探しに訪れたのだが見つける事ができずにいた。しかし、この時期に訪れてみると草地内に足を踏み入れることなく簡単に見つける事ができた。

チョウセンカマキリ ♀(褐色型)

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
支柱の上に乗っていたのでカメラを向けると嬉しくも威嚇ポーズを披露。胸部にあるオレンジ色の斑紋がチョウセンカマキリであるトレードマーク。オオカマキリは黄色い。
この草地内にはチョウセンカマキリの産卵に適した樹木が無いため、産卵期を迎えた個体は境界に用いられているこの支柱を産卵場所として利用しに集まって来る。

チョウセンカマキリ(卵嚢)

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye+Sigma Electronic Flash Macro EM-140 DG
この古びた木製の支柱は敷地の境界線としてだけではなくチョウセンカマキリが生息していく上での支えとしても役立っているようだ。

撮影日:11月5日

撮影地:東京都区内


最新の画像もっと見る