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日本の女性史

2023-12-29 08:49:47 | 日記
大阪府下のある市の広報誌に書いた簡単な日本の女性史の2回目です。
今年も終わりの日が近づいています。時間の経つのが早いです。
今年をふり返るといろいろありましたが、もっとも大きなことは来年本にできる原稿を書き始め、ある程度めどがついたことです。
そして、大切な人がふたり亡くなりました。時間が経てば経つほど、寂しいです。
戦争がなくならない、性被害がなくならない、人権侵害がなくなる社会にするためにはどうしたらよいのか、戸惑いが大きくなります。わたしができることをと思っているけど、何の力にもなっていない感じです。
来年がよい年でありますように、と念じるばかりです。


罪深いとされた女性―幕藩体制下で生きた女性
 近世の幕藩体制は、身分制を確立させた。「士農工商穢多非人」が間違っていることをまず指摘したい。武士が、圧倒的多数の百姓と町民を支配した。その下に売買される奴卑と遊女がいた。支配はしないがもっとも上位の身分は、天皇・公家だった。出家者は身分として別枠だった。そして、それらの枠外に穢多・非人の身分があった。穢多・非人は境界線によって排除という差別をされた。しかし、武士などから利用もされた。
 幕府はキリシタン禁制を敷いたので、キリシタンではないという証明を行うのが寺請(てらうけ)制度であり、寺がその役割を担った。寺は本山・末寺・檀家という本末制度下にあり、檀家の「戸籍係」として宗門人別帳に本国・生国・年齢・続柄・名前・旦那寺・宗派・所在場所・死亡年月日を記載し、檀家の内情を掌握した。
 檀家制度下で、女性は寺へ僧侶の法話を聞きに行き、僧侶は女性を血の穢れによって神仏を汚すから罪深く、死後地獄に堕ちると説いた。被差別者のすべてに死後の地獄往きを説いたのは、前世・現世・来世の三世思想を用いた業論(因果論)である。女は「業が深い」とされた。前世に悪いことをしたから現世に女(被差別者)に生まれたのである。女(被差別者)であることが因となって、来世は地獄に堕ちるという。「後生の一大事」といわれたように、死後が大事だった時代だから、地獄に堕ちないために信仰をもつことが説かれ、信仰をもてば女(被差別者)でも死後の極楽往生が約束された。
 信仰をもつことは、また道徳的に生きることであり、「飲む・打つ・買う」夫を許す妻がよい嫁とされた。信仰が、身分制社会の鎮め石となり、現実をそのまま認めて生きることとなった。
 身分制における女(被差別者)の生き方はつらかったと思う。しかし、それでも女たちは生きた。仏教者は女に信仰による感謝の気持ちをもたせたが、それがほんとうの救いだったのが。仏教者の罪も大きいのではないだろうか。
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