ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

小山田の庵ちかく鳴く鹿の音におどろかされて驚かすかな

2017-12-21 03:06:29 | 古今抜粋

小山田の庵ちかく鳴く鹿の音におどろかされて驚かすかな    西行


新古今の歌だが、こちらのカテゴリでいいだろうと思う。

西行は孤高の歌人である。こういう繰り返しは、ほかに和泉式部の歌が思い浮かぶが、なかなかこなれていないとできるものではない。

山田の中の庵の近くで鳴いた鹿に驚かされてしまったので、こちらも驚かしてやるとするか。

たまたま里近くおりてきたものだろう。そういう鹿への驚きとともに、情愛をも感じさせるものである。田を荒されてはかなわないと驚かしてやろうとするのだが、その心にも、歌人の鹿への暖かな心があるのだ。


奥山にたづねてきかむ鹿の音を夢にも聞きしかたいほの床    揺之






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