【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【IRカジノ】秋元司・自民党衆議院議員に、逮捕状を昨日請求、東京地検特捜部、朝日報道

2019年12月25日 04時12分27秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]IRカジノ施設法案を強行採決する、秋元司・衆議院内閣委員長、自民党、2016年12月2日(金)午後12時過ぎ、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 自民党と日本維新の会にとっては、とんだクリスマスプレゼントとなりそうです。

 朝日新聞は、東京地検特捜部が昨日、秋元司・自民党衆議院議員の逮捕状を請求したことを、きょう令和元年2019年12月25日(水)の朝刊で、断定調で報じました。

 きょうにも逮捕されるとみられます。

 3年前、第192回臨時国会で、「IRカジノ施設理念法」を強行採決した衆議院内閣委員長が、担当の副大臣を経て、逮捕される展開になりそうです。

 私が新聞で読み限りでは、現在は、中国から日本に持ち込まれたお金が、外国為替法違反だ、という捜査がされていると認識しています。秋元議員逮捕ということになると、日本国内で、なんらかのお金のやり取りが、政治資金規正法と違う形で行われたか、あるいは3年以内ですので、贈収賄というもっとも重いかたちに発展するのかもしれません。

 警察庁出身のいわゆる官邸官僚が、東京地方裁判所発行の逮捕状を執行させないという、アベ友上級国民の所業に、法務省の検察官が業をにやしたか。

 IRカジノ施設理念法は、自民党最大派閥会長の細田博之さんが発議者となっていますが、そこに波及することはなさそう。しかし、秋元さんの話は、北海道のIR。これをめぐっては、官邸在籍の有力官僚は「ぼうやは決めるでしょう」と、30歳代の北海道知事を「ぼうや」と呼び推進していたと内部で言われていますが、一転、議会でIRをやらないことを答弁で明言する事態となり、なんらかの混乱が生じているとみられます。

 また、秋元さんは自民党では二階派に所属。連立与党の公明党は消極的で、同党地方議員は「私の自治体にはつくらせない」という表現で国会議員団を批判。日本維新の会は積極的に推進してきており、官邸が改憲をめざして維新に配慮してIRカジノを進めた、との見方もあります。特捜部の事件そのものが、大きく波及することはなさそうですが、政権、連立与党、官邸官僚、改憲勢力に流動化のきっかけとなり、2020年の政局につながるかもしれません。

 以下は、「IRカジノ施設理念法」の強行採決当日の記事(他のファクトも含まれています)を当ブログ内から全文引用して、この記事は終わります。

当ブログ内記事から全文引用はじめ]

https://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/6b1c9c74d9f795acb4e18f7122646675



数は力の風が吹く27年ぶり衆参単独過半数でIRカジノ施設法案可決、厚労省は「ギャンブル依存症は病気」

2016-12-02 18:15:18 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]IRカジノ施設法案を強行採決する、秋元司・衆議院内閣委員長、自民党、2016年12月2日(金)午後12時過ぎ、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【官報 平成28年2016年12月2日(金)】

 きょうはあえて、既に衆参の審議を終えて成立し、公布された法律から順に書いていきます。

「水産高校の18歳19歳の洋上投票を可能とする、改正公職選挙法」が、平成28年12月2日法律93号として公布され、直ちに施行しました。国会では、192衆法3号として全会一致。

「衆議院議員総選挙と最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票期間をあわす、改正最高裁判所国民審査法及び改正公職選挙法」(192閣法7号)は、法律94号。きょうから起算して3か月以内の政令で定める日に施行。国会では全会一致でした。

「改正地方公務員育児休業法」(192閣法11号)は、法律95号。法案の束ね方について意見が出ましたが、国会採決は全会一致。来年1月1日(日)施行。

「改正裁判官育児休業法」(192閣法29号)は法律96号。上述の法律と同じく、「里子」も対象にします。来年1月1日(日)施行。

「改正鳥獣被害等防止法」(192参法52号)は、法律97号で、直ちに施行されました。銃所持免許更新の講習の特例の延長などの法律。

「改正金融機能強化法及び改正銀行株式買い取り機構法」(192閣法5号)が平成28年12月2日法律98号として公布されました。来年3月31日の時限立法をさらに、延長して、平成34年2022年3月31日(木)まで有効とする法律です。この改正法律そのものは、公布と同時に施行されました。国会では、日本共産党がもともと金融機能強化法に賛同していないため、反対しました。

【参議院本会議 平成28年2016年12月2日(金)】

「民間公益活動を促進するための休眠預金活用法」(190衆法43号)が採決され、押しボタン式投票の結果、投票総数239、賛成217、反対22の賛成多数で可決し、成立しました。施行は公布から1年6か月以内の政令で定める日。

「改正割賦販売法」(192閣法18号)。小林正夫・経済産業委員長(民進党)が審査結果を報告。投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決し、成立しました。政府が経産関連で国会に提出した法案は、民進党が委員長ポストを持つ経産委で、当初会期をはみ出しましたが、すべて議了しました。

「スキーバス事故の罰金を100倍にする、改正道路運送法」(192閣法19号)。増子輝彦国土交通委員長(民進党)が報告。投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し成立しました。公布から1か月以内の政令で定める日に施行しますので、政府は頑張ってほしいところです。民進党が委員長ポストを持っていることもあってか、当初会期をはみ出していました。延長国会で、衆側から新しく議員立法も送られてくるようです。 

 これに先立ち、「年金持続可能性向上法案」(190閣法54号)が塩崎厚労相から趣旨説明され、安倍首相らが答弁しました。この日程は、前日夜まで与野党間の協議が続いていました。 代表質問では、民進党の川合孝典さんが登壇。労組系で元職が3年ぶりに国政復帰というのは珍しいパターンかもしれません。

【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特)平成28年2016年12月2日(金)】

「TPP条約」(190条約8号)と「TPP国内法案」(190閣法47号)の参考人質疑で、東大名誉教授らが出席。

【衆議院国家基本政策委員会 平成28年2016年12月2日(金)】

 棚橋泰文委員長が就任あいさつ。テレビ入り党首討論で目立つ、理事に、平沢勝栄さん、松島みどりさん、柿沢未途さんらが専任されました。

【衆議院国土交通委員会 平成28年2016年12月2日(金)】

「無電柱化推進法案」(192衆法 号)を起草するよう、自公民維の4党から動議が出て、西銘恒三郎委員長が起草することになりました。趣旨説明した、自民党の宮内秀樹さんは「道路業者との連携を図る」などと説明し、「どうか可決してください」としました。採決の結果、動議を出した4党に共産党を加えた全党の全会一致で可決しました。

「自転車活用推進法案」(192衆法 号) は自公民共維から起草すべし、との動議が出て、委員長が趣旨説明。「国、自治体は、自転車活用推進計画を定めなければならない」としました。役人の仕事はまた増えそうですが、それはさておき、質疑、討論は無く、いきなり採決。全会一致で可決しました。

 この後、先の通常国会で、二階俊博さんら6名が提出した「道路運送法及び貨物自動車運送事業法改正案」(190衆法51号)について、西銘委員長が「提出者から撤回の要望が出ている」と話しました。全会一致で撤回を認めることになり、同法案は廃案になりました。

 続いて、同じタイトルの、「道路運送法及び貨物自動車運送事業法改正案」(192衆法 号)が委員長から趣旨説明されました。きょう成立したスキーバス事故罰金法に加えて、運転手の健康の保持などの義務を事業者らに課す内容のようです。採決され、全会一致で可決しました。

 上述の通り、参側の委員長は民進党のため、会期末の混乱で、3法案が成立しない可能性は無くはありません。

 さらに、「運転手の健康に起因する事故に対策する決議」がされました。 次回は9日(金)に開くことにして、散会しました。

【衆議院厚生労働委員会 平成28年2016年12月2日(金)】

 午前9時、一般質疑が始まりました。その後、大臣が参議院に行くので休憩。午後1時から再び、一般質疑。

【衆議院法務委員会 平成28年2016年12月2日(金)】

「民法債権編(債権法)改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)の審議は、私の計算では、5日目です。

 改めて別のエントリーに書き起こすかもしれませんが、民進党の逢坂誠二さんが、「改正465条の6」、公正証書の作成と保証の効力について、質問しました。私が最も問題視している条項です。法務省民事局長は「公正証書の作成では、公証人が法務局の管内で、出張することも有り得る」と明言しました。 金田法相は「この改正条項で、第三者保証は減る方向になるのではないか」との見通しを答弁しました。ただ、この委員会に呼ばれた金融庁審議官は、やむを得ないところですが改正法案を飲み込めていないようで、「担保に頼らない融資を増やすよう指導している」と当たり前のことを繰り返すだけでした。

 この、公証人が出張できるというのは、遺言書の作成などもそうですが、今後、公証人が銀行に出張して、銀行が用意した証人2名とともに、連帯保証書の公正証書をとる、という方向になるでしょう。民法改正要綱が出てから、私が注意して街を見ていたところ、1階に銀行支店、8階に公証役場が入っている雑居ビルを目の当たりにしました。確実にそういう方向に行くでしょうから、この条項は削除するしかありません。

【衆議院内閣委員会 平成28年2016年12月2日(金)】

「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)の2日目の質疑ですが、採決され、「可決すべし」と決まりました。

 理事会が20分前後延びて、遅れて委員会が始まりました。IR議連のメンバーは答弁席にいるためか、自民党の平井卓也理事が「急に質疑に立つことになった」とし「理事会でも各党からいろいろな心配が出ていたが、この法案とは別に実施法案が必要なもので、あくまでも、できるという選択肢を用意する法案だ」と強がりました。

 自民党2人目で、横浜の、ふくだ峰之さんが「マイナンバーカードを使って入場回数を制限することはできるか」と問い、答弁した自民党の西村康稔さんは「マイナンバーカードの活用は有効だ」と答弁しました。この辺は、マネーロンダリング対策もあるのかもしれません。

 公明党も2人質問し、高木美智代さんは「法文に納付金は文化芸術スポーツに使う、と書き込んでほしかった」、浜村進さんは「本日は論点整理だ」とやや消極的な発言をしました。

 民進党の時間になりましたが、おそらく答弁者がそろっていない、との指摘があったようです。ここで秋元委員長は「まだ揃っていないようですが、質問を始めてください」と促しましたが、緒方林太郎筆頭理事が拒んで、午前10時30分ごろから40分ごろまで休憩になりました。

 緒方さんは「審議を始めたばかりだ」とし、採決しないよう反対しました。

 共産党で、大阪の清水忠史さんの問いに対して、厚生労働省の政府参考人は「ギャンブル依存症は病気であり、治療は一定の効力が認められているが、治療法は確立していない」とし、ギャンブル依存症は病気である、との従来の政府解釈を明確に答弁しました。清水さんは「賭博を禁じる法律は、1327年の双六禁止令があり、歴史が古い。共産党の私が言うのもなんだが、あなたたち自民党の提出者は、天皇が決めたことを破るのか」と抵抗しました。

 清水さんの質疑中、民進党の泉健太・議運筆頭理事と緒方理事が打ち合わせるなど、日程のあわただしさを感じさせました。


[画像]強行採決が濃厚となり、対応を協議する、民進党の緒方理事(左)、院の職員(背中)、泉議運筆頭理事(中央)、質疑する共産党の清水忠史さんら、2016年12月2日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 日本維新の会は、大阪の、浦野靖人さんが質疑しました。

 この後、質疑の打ち切り動議を、自民党で神奈川の、牧島かれんさんが提出しました。

 採決の後、修正案を、横浜の、ふくだ峰之さんが提出しましたが、総務省設置法の一条文をいじるくらいのごく小規模の修正でした。

 討論では、共の池内さおりさんが「カジノの胴元にてら銭が入る」としヤクザが絡む可能性に言及し「マネーロンダリングの懸念もある。賭博は胴元が儲かるだけの「対数の法則」が明らかになっている。多重債務者の5%は賭博が原因だ」とし、修正案、原案とも反対しました。

 この後、採決し、民共反対、自民党と日本維新の会などの賛成多数で、修正可決しました。

 附帯決議(案)は、神奈川の牧島さんが朗読し、15本付けました。質疑に散会していなかった、横浜の菅義偉官房長官があらわれ、政府としての対応を確約しました。

 私はギャンブルをしませんが、地方財政の取材で、公営4競技(地方競馬、競艇、競輪、オートレース)の取材経験が豊富で、若松競輪最後の日に行ったこともあります。昔から、つぶれそうで、まったく潰れない公営4競技は、多少なりとも、開催権を持つ自治体の財政には貢献しています。また、私は、観光旅行で、マカオのカジノに、ツアーの途中の三十数分滞在したことがあります。バカラは見るからに「ジャッキーチェン映画の世界」なので、スロットマシンだけしました。他社の同い年の若手男性新聞記者2人という、気分が自由な旅行だったので、私がバケツにコインを入れて「残り時間が短いから、これどんどん使って」と言いました。あとで、そのコインが、実は面白くなって、2度目のコイン購入をして余りそうだったから、そうしたと知られ、呆れられました。

 スロットマシンはまだしも、バカラはいかにもヤバい気はします。横浜のかつての最大の目抜き通りだった、伊勢佐木町から1本だけ入った路地で、稲川会がバカラ賭博を開帳しています。私は、平日昼に、その路地にある、韓国料理屋に行ったことがあります。冷麺1300円の他に「クズ冷麺」という2000円のメニューがあり、珍しく奮発して注文しました。この店には、サングラスをした怪しい2人組がいて、「ゆうべのバカラは儲かったな」という話をしていましたが、私の顔を見て、「ゆうべの話は後にしようか」と口を閉ざしました。クズ冷麺なるものはおいしかったです。勘定のときに、「1300円です」と言われて、あれ2000円じゃなかったかなと思ったのですが、店員の女性が日本語が話せないようだったので、言われるまま1300円を払いました。私はめったなことでは動じませんが、この後、かつての目抜き通りの1本裏なのに、誰もいない路地で、突然背後から、おそらく、韓国・朝鮮語とおぼしき外国語を叫び女性に走って追いかけられる経験をしました。だいたい分かっていたので、店に戻ると、さっき、バカラの話をしていた2人組が、韓国・朝鮮語と日本語を同時翻訳してくれ、「クズ冷麺は2000円でした」とおびえる顔で私に説明し、私も分かっていたので、合計2000円分払って、それで済みました。いまだに、「クズ冷麺」の「クズ」がどういう意味かは知りません。

 この伊勢佐木町の一つ裏の路地のバカラは、稲川会がやっているのですが、稲川会は負け組ヤクザです。本部は、東京都新宿区にありますが、その辺は、同じく新宿区に本部を置く住吉会や、極東会らの縄張りです。稲川会は歴史的経緯もあり、横浜にも進出していますが、戦後、横浜港の港湾荷役利権は、カタギが独占しましたので、稲川会は糊口凌ぎに、バカラを開帳しているにすぎません。表通りには、かつて、横浜松坂屋もあり、その前で人気の「ゆず」が歌う姿をNHK紅白歌合戦が生中継しましたが、横浜松坂屋は閉鎖してしまいました(この文脈で、稲川会と、他の固有名詞はまったく無関係)し、稲川会がパトロールしていた関内は官官接待の制限ですたれました。つまり、貿易港の管理という仕事から戦後締め出された、東京及び横浜では負け組、横須賀では勝ち組かもしれませんが、下級ヤクザの稲川会が万やむを得なくやっているのが、バカラだということです。

 私が最も尊敬する人物である、私の父も、バブル期に、東京都豊島区のホテルで監禁され、サイコロ賭博を「やりませんか」と誘われましたが、トイレに行くと言って脱出したら、そのまま何も危険なことはありませんでした。しょせんは、ヤクザとか、社会のクズどもの吹き溜まりであり、我々カタギと別の世界です。

 IRカジノ施設はあくまでも、経済的な負け組の起死回生の一発に過ぎません。そして、中央競馬及び公営4競技と違って、独立行政法人や地方自治体が経営する物でもありません。しょせんは負け組の吹き溜まりと認識したうえで、出島のようなところで、やる分には、まあ、いいのではないでしょうか。

 いずれにせよ、審議不足のうえ、答弁もかなり混乱していました。

 27年ぶり衆参単独過半数を実現した、7月10日の西日本の1人区の方々は、明治維新の勝ち組です。我々東日本は明治維新の負け組ですが、東日本とか、西日本とか関係なく、日本の民主政治が、世界の負け組にならないよう願いたいところです。まだ、カジノぐらいならまだマシというところでしょう。

この記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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[当ブログ内記事から全文引用おわり]

おわり。


第192回臨時国会の閉会中審査は無し

2017年01月19日 17時12分21秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 第192回臨時国会は12月17日(土)に閉会しましたが、あす、平成29年2017年1月20日(金)に召集される、第193回通常国会までの間に、閉会中審査はありませんでした。

 衆議院議院運営委員会と参議院議院運営委員会は開かれました。

 世界ではいろいろなことがありましたが、日本国内での大きな災害は無く、静かに歴史が動いているなというたたずまいです。

 このエントリー記事の本文は以上です。 


平成28年最後の法律公布、年金持続可能性確保法は2021年施行、IRカジノ施設法は平成28年12月26日法律115号

2016年12月26日 08時58分50秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 天皇陛下は、日本国憲法第7条第1項にもとづき、内閣の助言と承認により、国民のために法律を公布されました。

 「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法の一部を改正する法律」は平成28年12月26日法律114。ただちに施行。第192回臨時国会で話題になった、年金カット条項は平成33年2021年4月1日施行となります。国会では議案番号「190閣法54号」として審議され、14日に、自公維賛成、民共希反対で成立していました。衆議院で技術的な修正がありました。

 「IRカジノ施設整備推進法」は議員立法で、最終的に成立した議案は「189衆法20号」。再延長国会の15日(木)に成立。自公維賛成、民共希反対。

 法律番号は、平成28年12月26日法律115号となりました。年の納めの法律はIRカジノ推進法となりました。ただちに施行。

 制定法律115本は、まあこのくらいかな、といった風情です。

この記事の本文は以上です。

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日本維新の会、法案101本が審議未了廃案、参議院史上最多、民進党は49本中48本が継続審査に、様々な立場から維新に対して「参議院法制局は過労死寸前」など非難轟々

2016年12月19日 13時50分31秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]法案100本提出作戦を指揮した、足立康史・衆議院議員、日本維新の会公式ホームページからスクリーンショット。

 日本維新の会が、法案提出権を持つ参議院に提出した101法案がすべて、「審議未了廃案」になったことが分かりました。民進党が衆議院に提出した法案は一本を除き全て閉会中審査となり、通常国会に継続しました。

 おととい閉会した、第192回臨時国会は、参議院では12月14日(水)の本会議で、伊達議長が突如立ち上がり、「審議終了のあいさつ」をして退室。休憩のまま、散会。再延長国会では、衆議院だけの開催となりました。

 参議院は、つるしをおろす、付託の時点で、少数会派が反対を表明することがあります。このため、ここ数年、議員立法は即時付託を心がけている衆議院と違い、参議院では本会議の趣旨説明を省略する議案でも、直前まで、委員会付託(つるしをおろす)しないのが慣例となっています。

 このため、維新の101法案は、つるしがおりないまま会期末を迎えていました。ただ、参議院民進党幹部は、「自民党と維新の会が協力関係にあるから、直前に降ろして、各委員会で継続調査にするのではないか」とみていましたが、自民党と民進党が会期末に法案の採決で協力したこともあり、付託されないまま101本が廃案となったようです。

 議員立法101本廃案は、参議院史上最多。

 民進党の対案49本は、衆TPP特別委に付託された1本は廃案となりましたが、それ以外の48本は衆議院で継続(閉会中審査)となりました。

 これに先立ち、参議院民進党では、遅れて提出した法案で、慣例で義務付けられている簡潔な説明資料を提出しないとして、「付託委員会にめどがつかない」と不快感を示していました。また、70名程度しかスタッフがいない、「参議院法制局は過労死寸前だ」と怒り心頭だったもよう。

 維新の会は、最年長の片山虎之助さんがいるももの、100本作戦は、国会議員としては新人の浅田均さんと法案提出権を持てない衆議院に属する、足立康史さんらが主導したため、参議院の付託や会期末処理のやり方が分かっていなかった模様です。

 とくだん今の政局の関係に無い法案が多いことが幸いして、同じ文面のまま、次期国会に提出しても使えそうではあります。

 足立さんらのやり方には、裏方も含めて怒りが充満しているようです。

 民進党提出の「対案」は1本を除き、すべて継続審査(閉会中審査)となりました。民進党は衆参すべての委員会で筆頭理事ポストを持っているため、閉会中審査そのものには賛成して、次の会期での、委員会審議入りの前さばきをする理事懇談会などを重視する路線が定着しています。

 ◇

 これとはまったく別で、民進党提出の議員立法のうち、衆TPP特別委に付託された「マルキン前倒し法案」(190衆法28号)は廃案になりました。同特別委が会期末に開かれなかったため。ただ、マルキン前倒しは、自民党部会でも重要性が指摘されており、次期国会で内容は成就する可能性が高くなっています。


この記事の本文は以上です。

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第192回臨時国会が閉会

2016年12月17日 21時40分47秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[写真]紅葉の国会議事堂の(皇居から見て)裏側の参議院第一委員会室(3階部分)あたり、2016年12月1日、宮崎信行撮影。

 第192回臨時国会は、83日間の会期を終え、きょう平成28年2016年12月17日(土)閉会しました。

 41本の法律が制定されました。

 参議院内閣委員長(難波奨二さん)起草の「SNSを追加する改正ストーカー規制法」と、参・国土交通委員長(増子輝彦さん)起草の「建設従事者の安全と健康確保法」 の2本は、参議院民進党の主導する形の超党派議員立法となりました。

 ただ、27年ぶりの衆参単独過半数のため、 それ以外は、閣法と自民党議員(常任委員長含む)が筆頭発議者である議員立法のみが成立しました。民進党の対案と日本維新の会の法案は、1つも趣旨説明すらされないまま終わりました。

 前回衆院選後の春に提出された、「改正入国管理法」と「外国人技能実習生機構法」が成立しました。

 安倍内閣は、予算で予備費を3500億円しか組まないため、熊本地震復旧のため0・7兆円歳出を追加する前回の補正に計上した予備費の一部を「熊本城修復の国費工事」などの費目に組み替える、第2次補正予算が提出され成立しました。

 その後、ただちに、先の通常国会から継続審査になっていた「TPP環太平洋パートナーシップ協定等の条約承認を求めるの件」の審議が始まりました。ところが、会期中の11月上旬に、アメリカ次期大統領にドナルド・J・トランプさん(DJT)が当選し、脱退を宣言。このため、発効が絶望的になる中承認されました。逆に「COP21パリ協定の承認を求めるの件」は、米中首脳会談を受けて、発効が確実になってから、参議院先議で提出され、発効後に承認されるという、条約のスケジュール感を欠いた「条約間抜け国会」となりました。

 このあおりで、政府提出の条約は3本中2本しか議了しませんでした。ただ、内閣提出法案は、新規提出で今国会成立をもくろんで出した法案は100%成立しました。継続審査だった、「労働基準法改正案(残業代ゼロ法案)」は審議入りすらせず来年に持ち越しました。

 参院選の敗北により、民進党は代表選(ネクスト総理選)を行うことになりました。その日程のため召集日がずれ込みました。ただ、民進党の支持率は国会中なのに下落基調となり、同党の長期展望の欠如を露呈しました。

 自民党は、参議院議員会長に、総裁派閥の橋本聖子会長を無投票で選出。自ら「歴代最軽量級会長」と語りました。延長国会になってから動き出した、IRカジノ施設法審議では、参議院内で手を握る光景が再びみられましたが、安倍総理総裁にはまったく傷がつかず。橋本会長が自派閥の総理を守った格好。

 2閣僚落選を含めて内閣改造を受けての国会召集。政治とカネなどのスキャンダルによる閣僚・政務三役の辞任は皆無でした。

 この外、議員立法では議員連盟が長年継続していた「休眠預金」「フリースクール」「改正がん対策」が成立。閣法では「金融機能強化法5年延長法」が成立しましたが、省が有識者会議を立ち上げて改定した改正割賦販売法など小幅な改正にとどまるものも見られました。

 細る一方だった、財政投融資に関連した財源から、JR東海に1・5兆円を30年据え置きの40年で融資する法律と予算が成立しました。改正JOGMEC法で海外石油会社の購入がしやすくなりました。

 会期中に対ドルで円が再び安くなり、アベノミクスを底支えしました。日経平均株価は1万8000円台で推移し、GPIFの前の期の運用もプラスになったことから、内閣支持率は堅調に推移。事実上の閉会日の夜に、銀座三越に行き、盛況でしたが、景気後退局面にみられる、稼ぎ頭の婦人服売り場だけは人が少なく、景気失速の兆しがわずかながらみられました。

 ただ、9月26日の召集日に、安倍首相が所信表明演説で突然、自衛官への拍手を呼びかけ、衆議院側ではほぼすべての自民党議員が応じたことが象徴的なシーンとして、新聞投書欄などで賛否を呼びました。

 国会外では、南スーダンに派遣された青森駐屯の連隊から平和安全法制の運用が始まりました。防衛省は賞恤金(しょうじゅつきん)を9000万円(所得税・相続税非課税)に引き上げました。会計検査院長は総理に手交した年次報告書で、預金保険機構に保険料のプールとは別の所に、2兆円が長年の溜まり金として存在することを指摘し、報道も含めて初めて明るみにでました。

 私自身は、政治ジャーナリスト以外の業種で、極めて重大な初体験・重要な判断が相次ぎました。実は、国税庁ご当局による税務調査も受けました。これはご当局から、召集直後の日程を提示されましたが、私の希望で召集直前の日程に変更していただくことがかないました。

 会期中は、宮崎信行が唯一絶対のご忠誠をお誓い申し上げる、岡田克也先生が民進党代表でなくなったので、定例記者会見に行く心理的ノルマがなくなり、、短期的には義理や交通費が軽減。ごく短期間に限った時間軸では、「怪我の功名」「不幸中の幸い」だったのかもしれません。

 きょうを持って、平和安全法制、いや戦争法の参議院での強行採決シーンが、参議院インターネット審議中継のライブラリ(アーカイブ)から消えます。これは参議院の議院運営委員会の申し合わせ事項(おそらく2010年か?)なのでしかたがありません。私は生い立ちが影響して、反知性主義者です。グローバリズムが転換点を迎える気配を見せている中、中庸の心(こころ)を強めていきたい、と感じつつあります。もはや戦争法の「廃止」は絶望ですが、なんとか、運用面での、骨抜き、先送りをしていくのが今を生きる大人の使命だと、かたく信じています。

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[きょうの国会]法律の公布、「改正がん対策基本法」は直ちに施行、「TPP国内実施法」も公布

2016年12月16日 10時13分37秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【官報 2016年12月16日(金)】

 法律が8本公布されました。

 なお、延長会期末の水曜日にも4本公布されており、私は把握していましたが、情報の集約のため、書いていませんでしたので、ここで書きます。

 まず、おととい公布されていたのは、

 「改正ストーカー規制法」(192参法51号)で、法律番号は平成28年12月14日法律102号。SNSも規制の対象になる議員立法で全会一致で成立しました。「公布の日から起算して20日後に施行」なので、来年1月2日(月)という、ちょと珍しいスケジュール感で施行されることになりました。

 「官民データ活用推進基本法」(192衆法8号)平成28年12月14日法律103号で、施行されました。自民党の平井卓也さんらの議員立法ですが、共産党が「経団連主導だ」と批判して全会一致は崩れました。

 「再犯防止推進法」(192衆法6号)は平成28年12月14日法律10号で、施行されました。これは大事な法律だと感じます。5年後の見直し規定つき。今後の施行状況を注目したい議員立法です。

 「義務教育段階における普通教育に相当する教育の機会の確保に関する法律」(190衆法34号)は平成28年12月14日法律105号。公布から2か月後に施行。

 以上はおととい公布された法律です。

 以下が、きょう公布された法律です。

 「道路運送法及び貨物自動車運送事業法を改正する法律」(192衆法11号)は、平成28年12月16日法律106号。公布から1か月後に施行。

 「改正がん対策基本法」(192参法50号)は、平成28年12月16日法律107号で、公布されただちに施行されました。

 「TPP条約の締結に伴う関係法律の一括改正法」(190閣法47号)は、平成28年12月16日法律108号。施行日は「TPPの発効日」。ただし地理的表示(GI)に関する「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」を改正する条項は2か月以内の政令で定める日に施行します。

 「差別解消推進法」(190衆法48号)は、平成28年12月16日法律109号。ただちに施行されました。

 「養子縁組の民間あっせん推進法」(192参法53号)は平成28年12月16日法律110号。2年以内の政令で定める日に施行。

 「建設工事従事者の安全と健康確保法」(192参法54号)は、平成28年12月16日法律111号。公布から3カ月後に施行。

 「無電柱化推進法」(192衆法9号)は、平成28年12月16日法律112号。ただちに施行されました。

 「自転車活用推進法」(192衆法10号)は、平成28年12月16日法律113号。6か月以内の政令で定める日に施行。

 延長国会となり、良い議員立法が多いように感じます。抵抗勢力が多かった無電柱化などの法律もできました。文教族の壁はまだ厚かったようで「フリースクール」の法律はまったく骨抜きになっています。議員立法により、自治体に計画づくりを求めるものがあり、その負担がどれほどかということも関心を持ちたいところです。

 この後、2本の公布が待っており、平成28年の制定法律は115本となる見通し。例年並みという感じです。ただ、「年金持続可能性」と「カジノ」のどっちがことし納めの法律番号になるかはちょっと面白い所でしょう。たとえば、昭和最後の法律は消費税法だったり、「普通選挙法」と「治安維持法」が実は連番だったり、とちょっとだけ歴史が見える場合があります。なので、「年金持続可能性法」の方で一年納めにしてほしいところです。法律の公布は、閣議決定から3営業日後に官報に載ることが多いため、閣議定例日の火、金の、各々3営業日後である、水曜日か金曜日の官報に載る日程が主流となっています。

【衆議院 平成28年2016年12月16日(金)】

 審議の設定は無し。会期は明日まで。

【参議院 平成28年2016年12月16日(金)】

 審議の設定はありません。良いお年をお迎えください。

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[きょうの国会]IRカジノ施設法成立、安倍内閣不信任案否決、請願採択と閉会中審査などの会期末処理は衆参とも終了、第192回臨時国会は事実上閉幕、会期はあさって土曜日まで

2016年12月15日 01時31分34秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]内閣不信任案の集計、衆議院本会議、2016年12月15日午前0時50分頃、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【衆議院本会議 平成28年2016年12月15日(木)】

 前夜の午後11時半前後に延会になっており、きょう、午前0時10分過ぎ、再開しました。

 日程第一として、安倍内閣不信任案の「前回の議事を継続します。討論を継続します」(大島議長)。

 討論は、共産党の穀田恵二さんが「不信任」、日本維新の会が「信任」として、登壇会派の意見表明が終わりました。

 午前0時36分から、堂々巡り。 投票総数461、賛成119、反対342により、信任されました。

 この後、「IRカジノ施設法」(189衆法20号参修正)の回付案の同意について。討論では、民進党の金子恵美さんが「刑法の賭博罪の違法性阻却の説明が不十分だった」、共産党の島津幸広さんが「会期延長のどさくさに紛れて審議入りした」と反対しました。なお、意外や意外、金子さんの本会議登壇は、衆議院への鞍替え後では、初めてのようです。

 起立採決となり、賛成多数で、回付案に同意し、成立しました。

 請願の採択では、肝炎ウィルスの検診の推進など74件が全会一致で採択されました。

 閉会中審査。まず「労働基準法改正案」(189閣法69号)については、「反対!」の大きな声が響く中、自民党と公明党の賛成多数で継続が決まりました。

 この後、主に、民進党、共産党の議員立法(歳入庁、安保対案、公選法など)が賛成多数で継続が決まりました。

 それ以外の案件は、委員長が上程した通り、閉会中審査が決まりました。(閉会中審査に関する委員会審議は昨日付のエントリーにも書いてあります) 。

 午前1時21分、大島議長が散会を宣言しました。

 衆参とも会期末処理がすみました。衆では、議長のあいさつはありませんでした。会期は土曜日(12月17日)まであります。

【参議院 平成28年2016年12月15日(木)】 

 委員会などは設定されていません。

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[きょうの国会]参議院で年金成立、IRカジノ修正し、衆回付、会期末処理終了、衆本は、内閣不信任案審議途中で延会し、午前0時10分再開、その後、IRカジノ採決へ

2016年12月14日 23時43分37秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[写真]先の参院選の投票終了30分前の参議院通用門、2016年7月10日午後7時30分、筆者・宮崎信行撮影。

 第192回臨時国会は、平成28年2016年9月26日(月)からの会期を終え、12月14日(水)会期末。17日(土)まで3日間延長するよう、自民党の幹事長・国対委員長が衆議院議長に求め、本会議で議決しました。衆・本は午後11時30分「延会」となりました。あけて、午前0時10分再開。

 「TPP」「年金」「カジノ」国会となり、いわば「条約間抜け国会でも外務省いじめは止めよう国会」というところかと思います。

 私は「改憲国会」を懸念していましたが、そうはなりませんでした。

●会期3日再延長のうえ、延会、あす午前0時10分、内閣不信任案とIRカジノ施設参修正が衆議院本会議で採決へ

【衆議院本会議】 

 午後1時設定。

 午後10時過ぎ開議。

 まず、永年在職議員の奥野誠亮さんへの弔詞朗読。

 続いて、大島議長が「12月15日から12月17日(土)までの会期の延長」をはかりました。

 これに対して討論となり、反対の立場から民進党が登壇。共産党も反対。この後、起立採決となり、賛成多数で、会期は3日間延長されました。

 続いて、午後11時23分頃、「安倍内閣不信任決議案」が緊急上程。枝野幸男さんら民進党、共産党、自由党、社民党4党共同提出。提出者の枝野幸男さん(前民進党幹事長)が趣旨弁明(趣旨説明)。あす日露首脳会談を山口県でする、安倍首相ら閣僚もひな壇に。

 趣旨弁明は30分前後に及びました。この後、自民党幹事長代理の林幹雄さんが反対討論しましたが、力強くて驚きました。続いて、民進党の幹事長代理、近藤昭一さんが賛成討論。次に、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行が賛成討論をしましたが、力強くて驚きました。

 ここで、午後11時30分頃となりました。次は野党の討論ということもあったのでしょう。大島議長は延会を宣言。午前0時10分再開となります。延会ですので、別エントリーで書きます。

 なお、下に書いた、衆・委員会の閉会中審査は、まだ処理されていません。

【参議院本会議】

 午前11時半設定で、午後1時過ぎ、開議。民進党員の郡司彰副議長が着席。民進党の小川敏夫会長が提出した「伊達議長不信任決議案」が議題に追加されました。ここで、自民党が「趣旨説明を15分間、討論を10分間に制限する動議」を出しました。これに対して民進党から「記名投票表決を求める動議」が出て、午後1時15分過ぎから、堂々巡り。投票総数237、賛成166、反対71で、制限動議は可決されました。続いて、小川敏夫さんが議長不信任案の趣旨説明。小川さんは「昨年6月に成立した、現行法付則にある、参議院選挙制度抜本改革の議論をスタートしなかった。次の参院選はもう2年半後にある」と述べました。討論では、自民党の関口昌一さんが「会期末処理も終わり滞りなく閉会すると思っていた、突然、この機に及んで、議長不信任案を出した」と語りました。吉川沙織さんも討論しました。この後、記名投票表決。議長不信任案は、投票総数239、賛成72、反対167で否決され、伊達さんは左後扉から登場し、議長席に座りました。

 続いて、「年金持続可能性確保法案」(190閣法54号)が議題に。委員長報告の後、民進党の川合孝典さんが午後2時10分過ぎから、反対討論演説。自公を代表して自民党の島村大さんが賛成、共産党の倉林明子さんが反対、維新の東徹さんが賛成の討論。東さんは「維新の101法案は、ぜひ、次の通常国会で審議してほしい!」と訴えました。この後、記名投票表決。投票総数240、賛成167、反対73。賛成多数で成立しました。

 ここで、午後3時直前に休憩が宣言されました。

 午後6時に再開。「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)が議題となり、難波奨二内閣委員長が登壇し、報告。討論には、民進党で日教組組織内の神本美恵子さんが討論。参では会期末に日教組組織内議員が登壇するのが長年の風習となっています。神本さんは「ギャンブル依存症の予防教育が大事だ」「カジノのディーラーの学校がはやっている」とし「ここで立ち止まりましょう」。続いて、自民党の上月良祐さんが登壇し「衆の3倍の審議時間をかけた。再考の府として参らしい審議ができた。修正されたことは重要だ。政府は実施法案の策定で十分配慮してほしい」と語りました。共産党の大門実紀史さんは「修正案が突然提出された」と前日の運営に苦言を呈しましたが、討論の大部分を賭博の危険性に言及し、原案そのものの廃案を要求。維新の清水貴之さんが賛成討論。

 午後6時43分から、「修正議決」について、記名投票表決。指名点呼開始。投票総数240、賛成160、反対80で修正議決し、衆議院に回付されました。

 続いて、請願が上程され、採択されました。さらに、閉会中審査も上程され、すべて委員会の上程通りに決まりました。そして、中村剛事務総長が辞任。郷原悟さんが新事務総長になりました。ここで、伊達忠一議長が立ち上がり、「議事終了のあいさつ」をしました。そして、午後7時過ぎに「休憩」を宣言しました。

 この後、午後11時30分前後、衆本の延会直後に、休憩のまま再開せず、終わりました。

●衆参の委員会での会期末処理は午前中に終了、参は本会議上程、衆はあす未明に処理のはこび
●憲法発議は来年、「ACSA」「労基法」「臨床研究」「民法債権編」「人事訴訟法」「商法」「政治分野の男女共同参画」「戸別所得補償」「給付つき税額控除」「安保対案」「阪神大震災の地方議員特例解消」などは、来年の通常国会へ

【衆議院憲法審査会】

【参議院憲法審査会】 

 「改憲国会」を懸念していましたが、衆参とも大枠の意見交換だけで越年することになりました。

 衆・憲法審では、森英介会長が閉会中の参考人の出席要求を全会一致で一任されましたが、実際の審議再開は、来年3月以降と思われます。
 参・憲法審では、、柳本卓治会長(中曽根康弘元首相秘書出身)が「憲法を守れ」という請願が133件来たことが報告されましたが、国会の意思としての「採択」は保留となり、見送られました。

【衆議院TPP特別委】
【参議院TPP特別委】

 TPPは衆院側の委員会は開かれませんでした。参院側では委員長が「TPPを今国会で承認しないこと」という請願を受けたと紹介しましたが、当然、採択はされず、そのまま散会しました。衆参とも今国会でこの委員会で廃止されると思われます。

【衆議院予算委員会】
【参議院予算委員会】

 浜田靖一委員長、山本一太委員長とも、予算の実施状況に関する件で閉会中審査を議長に要求することを、全会一致で一任されました。ロシア絡みで動きがあれば、テレビ入り集中審議もあるかもしれません。が、閉会期間は1カ月前後とみられますので、おそらくテレビ入りは無いでしょう。

【衆議院沖縄・北方特別委】
【参議院沖縄・北方特別委】

 国政調査の閉会中審査はできる手続きをとりました。衆沖北特の鈴木克昌委員長(民進党)は「北方領土の早期返還を求める請願」「沖縄県の市町村国保の財政措置に関する請願」が届いたことを紹介。参考人質疑とあわせて、委員の派遣もとれることの一任を受けました。他の委員会と同様ですが、北方領土問題、ぜひ動いてほしいですね。

【衆・厚労委】

 請願は403件寄せられました。「ウイルス性肝硬変・肝がん患者への支援の請願」「筋痛性脳脊柱疾患においての治療法確立を求める請願」「腎疾患の総合的な対策の樹立を求める請願」の3つを全会一致で採択しました。本会議でも国会の意思として採択し、各省に送付されます。

 この後、「労働基準法改正案(残業代ゼロ法案) 」(189閣法69号)の閉会中審査要求がはかられ、共反対、自公維の賛成多数で継続調査することが決まりました。閣法では「臨床研究法案」(190閣法54号)の継続が全会一致で決まりました。衆法では、山尾志桜里さんらが出した保育士の処遇改善法案と、井坂信彦さんらの労基法改正の対案などが全会一致で継続することになりました。

【参・厚労委】

 淡々と会期末処理がされました。

【衆・法務委】

 「民法債権編改正案」(189閣法63号及び64号)、「人事訴訟法改正案」(190閣法33号)、「商法改正案」(192閣法16号)が全会一致で閉会中審査となりました。実際には来年3月以降の審議となります。このほか、民進党が出した民法改正案やLGBT差別解消法案も全会一致で継続しました。

【参議院第1種常任委員会】

 上述の厚労委員会も含めて、全11委員会が、午前10時00分から、午前10時03分にかけて一斉に開かれ、滞りなく、会期末処理を終えました。

 ところで、維新101本法案が付託されていないようですが、どうなったんでしょうかね?これについては、後で別エントリーで紹介するかもしれません。

【参・調査会】

 3つの調査会が開かれました。各々3年間のテーマが発表されました。例えば、「国際経済・外交に関する調査会」は3年間「アジア太平洋における平和の在り方と経済協力と日本外交」をテーマにすることにしました。

【衆・決算行政監視委員会】

 ご苦労なことになっていて、「平成24年度決算」「平成25年度決算」「平成26年度決算」「平成27年度決算」「昭和19年度朝鮮総督府特別会計決算」「昭和20年度朝鮮総督府特別会計決算」「平成27年度予備費使用調書」が継続調査となりました。

【参・行政監視委員会】

 参議院行政監視委員会では、佐藤信秋さんが8月の就任以来初めて委員会ということで、あいさつ。会期末処理がされました。

【衆・外務委員会】

 「日米ACSA新協定の条約承認を求めるの件」(192条約2号)の閉会中審査が、共など反対、自公など賛成により継続となりました。「条約間抜け国会」の見えざるヒットだと思います。

【衆・倫選特】

 「阪神大震災による任期延長の特例の解消法案」(192衆法13号)が多数決で閉会中審査となりました。また、共産党提出の政党助成法廃止法案など、各党の法案も全会一致で継続となりました。

【衆・内閣委】

 上述の政治分野の男女共同参画法案の中川正春さん提出案と野田聖子さん提出案、民進党の歳入庁、公務員庁、通商交渉情報公開、公文書管理、性暴力などの法案が継続となりました。なお、歳入庁だけは多数決となりました。

 野田聖子さんらの「政治分野における男女共同参画法案」(192衆法12号)は衆内閣委に付託されましたので、民進党が提出した法案との修正協議がなされるかもしれません。ただ、次の召集日に、付託委員会は、いったん白紙となって、議長が再び付託するはこびになります。 

【衆・財金委】

 民進党が出した「国・地方自治体の財政再建法案」(190衆法3号)や、「給付つき税額控除法案」(190衆法52号)は、今国会まったく審議されなかったものの、継続については全会一致で決まりました。

【衆・農水委】

 民進党が出した「農業者戸別所得補償法案」(189衆法13号)と「マルキン前倒し法案」(190衆法28号)を含む一連の法案は、全会一致で閉会中審査の手続きがとられました。

【衆・国交委】

 請願が1件だけで、時代が変わったのか、公共事業は国会でなく政府に直接働きかけているのということなのか。

 その後、与党・自民党の佐田玄一郎さんらの法案や北朝鮮経済制裁の件などが継続して、会期末処理を終えました。

【衆・総務委】

 地方自治法99条にもとづく地方議会の意見書はさすがに多く寄せられました。

 来年はNHK新会長の答弁がありますが、民進党が出した放送法改正案は継続調査になりました。

【衆・経産委】

 民進党田島要さんらの原子力規制委員会設置法改正案や、民進党の一連の省エネ法案が継続となりました。

【衆・議運委】
【参・議運委】

 本会議の段取りなど。

【衆議院常任委員会】
【衆議院特別委員会】
【参議院特別委員会】

 上述した委員会、上述していない委員会があります。いずれにせよ、衆参とも委員会は午前中に会期末処理を終えました。

 開かれなかったのは、衆参とも懲罰委、国家基本政策委、政治倫理審査会、情報監視審査会のみです。

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2016年12月17日(土)まで延長 9月26日(月)召集 第192回臨時国会 9年ぶりの再延長国会

2016年12月14日 22時23分42秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 2007年の第168回臨時国会以来、9年ぶり、24回次(延長は1回までの通常国会含む)ぶりの再延長国会となりました。

 前回は、参院選で、衆第1会派が自民党、参第1会派が民主党という「参院選後の変化」ねじれ国会に手を焼いた、福田康夫首相が自ら「かわいそうなくらい困っている」ことによる再延長国会となりました。そして、翌年の第169回通常国会が歴史的な「ガソリン国会」に。福田首相は自ら辞任したタイミングで、リーマンショックが発生。就任直後に解散するはずだった麻生首相が側近の希望もふくんで続投したため、翌年の通常国会末に歴史的大惨敗で、下野し、政権交代しました。

 今回も、参院選直後の秋の臨時国会となりました。ただ、衆参とも自民党が単独過半数という「変化」なので、自民党の慢心は指摘せざるを得ません。とくに、日露首脳会談を考慮して、水曜日までの延長会期としたところに、慢心があったと考えます。

 また、就任会見で自ら「歴代で最も軽量級」と語った橋本聖子参議院自民党議員会長が、「総理総裁の顔を立てて1本成立させ、参議院野党の顔を立てて1本廃案にする」という裁定をしなかったことも再延長につながったのかもしれないと憶測します。まあ、その良し悪しは現段階で判断するのは時期尚早です。

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参議院事務総長に郷原悟さん、勇退の中村剛さんは深夜国会で迅速に議長を手助け

2016年12月14日 19時02分02秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]郷原悟・新事務総長(左)、2016年12月14日午後6時55分頃、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 参議院事務総長に郷原悟さんが平成28年2016年12月14日(水)午後6時55分頃、就任しました。

 第19代事務総長の郷原悟(ごうはら・さとる)さん。報道によると、神奈川県出身の現在59歳。中央大学法学部卒業。参議院には、昭和55年1980年に入局。前任者は大学院修士卒業ということもあり2期後輩となります。警務部長、庶務部長、委員部長を経て、3年前から事務次長をつとめていました。

 3年間つとめた中村剛(なかむら・たけし)事務総長は勇退しました。


[画像]左から、中村剛さん、郡司彰副議長(横向き)、伊達忠一議長、2016年12月14日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 中村剛さんは、特定秘密保護法深夜国会の、2013年12月7日(土)午前0時半ごろの本会議で事務次長から事務総長に昇格。

 山崎正昭議長・輿石東副議長のもと、平和安全法制の深夜国会などで、迅速に議長を手助けしました。山本太郎議員による喪服姿での牛歩戦術。中村総長は、山崎議長にすばやく「投票時間を2分以内に制限します」との読み原稿を手書きし、議長が整理しました。山崎議長はこの原稿にもとづいて、繰り返し発言。ただ最後ばかりは、山崎議長は「1分に制限します!」と原稿にない発言をしました。

 押しボタン式投票結果は、事務総長が右手人差し指でボタンを押すことで、会議場内の正面では大きく2つのスクリーンに表示されます。技術スタッフではなく事務総長がやっているんですね。

 この3年間では、全会一致と予想された議案を、ここでも、山本太郎さんが「有権者の関心を呼ぶため」1人だけ反対ボタンを押すことがありました。中村さんが議長のてもとにある「全会一致と認めます」の読み原稿をすばやく体と口を動かして「賛成多数と認めます」と言い換えてもらう場面も。慣れてからは、議長が自分で確認して、発言していました。

 中村さんは内心ではどうやら平和安全法制に反対だったようですが、山本さんが「自民党のお葬式」とする喪服姿で焼香するしぐさは、議会官僚の矜持として許せない気持ちを持ったようです。

 これに先立つ、事務次長時代は、副議長選挙で、おそらく不心得議員により、投票総数が定数を上回るという珍事が起きました。自席を離れられない当時の山崎新議長、橋本雅史事務総長(当時) にかわって、与野党の幹部をまわり、場内だけで、結論を出す、手助けもします。また、特定秘密保護法深夜国会では、伝令として、「国対委員長が、議長の首を取る、と言っています」と報告し、山崎議長が「おう、やってみろ!」と応答するシーンがマイク越しにネット中継されました。その後の大手新聞で、「あれは、参議院事務局の言い間違い」と書かれました。とうてい事務局が言い間違えるような内容ではないと思います。おそらく一部の幹部議員が裏方さんになすりつけた発言を記者にしたのでしょう。裏方としてじっと耐えたようです。

 第18代中村剛事務総長就任時の記事(参議院事務総長に中村剛さん おつかれさま橋本雅史前事務総長は3年で退く

 伊達忠一議長、郡司彰副議長が就任から120日以上経って、中村事務総長は自ら退きました。


[画像]郷原事務次長(当時)から連絡を受ける中村事務総長(当時)2016年12月14日午後6時50分頃。

このエントリー記事の本文は以上です。 


27年ぶり衆参単独過半数の参議院で歴史的大転換で、IRカジノ施設法案が修正可決し、会期末衆議院回付で成立の公算「ギャンブル依存症者入場禁止」へ、吉田博美・小川勝也両幹事長が「竹下派国対か」

2016年12月13日 20時02分58秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]ギャンブル依存症者のIRへの入場制限を政府に検討させる修正案を発議する、参議院内閣委員会の自民党筆頭理事(上月良祐さん)、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)は民共希反対、自公維の賛成多数で修正議決(修正可決)しました。あす、平成28年2016年12月14日(水)の参議院本会議で、修正可決し、衆院に回付。衆議院本会議で議題となり、衆の同意を得て成立する見通し。

 会期末前日の夜になって、大きな大転換がありました。 

 参議院内閣委員会は午後5時から7時30分まで休憩。

 午後7時30分、再開と同時に、委員長は「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)の質疑終局を宣言。
 
 ここで、自民党の上月良祐筆頭理事が、
 「政府は、カジノ施設の入場制限を検討する。ギャンブル依存症者を明示する」とし政府によるギャンブル依存症者の入場制限の検討を命じるとともに、5年後の見直し規定を盛り込む」

 とした法案の修正動議を出しました。

 ただちに、討論に入りました。民進党は、反対。この後、共産党は、自・民による、突然の修正に反対したうえで、原案などを強い口調で反対。希望の会の山本太郎さんは法案・運営とも「情けない」と反対。

 修正可決後には、附帯決議が16本提案され、自公維3党のみの賛成で採択。成立後の1年間、国土交通省、内閣官房の「宿題」となります。

 今国会はあす閉幕する公算ですが、衆議院本会議の終了時刻は昼下がり以降になる見通し。

 今回の修正は、衆参単独過半数時代に、「修正路線」による国会対策を進めた、田中角栄先生・竹下登先生・金丸信先生らの経脈をつぐ、自民党の吉田博美、民進党の小川勝也、両参議院幹事長が主導したものと推測できます。

 ただ、民進党内では数時間前に代表が廃案に言及していました。

 一方、自民党は、自ら「歴代最軽量級」と語った橋本聖子参議院議員会長のもと、辛酸をなめる、旧田中派の吉田さんが一矢を報いた格好なのかもしれません。

 27年ぶりに、自民党(政権党、与党第1党、第1会派)が衆参単独過半数をしめた国会がまもなく年を終えようとしています。

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[きょうの国会]年金持続可能性確保法案(年金カット法案)、参議院でクールに正常採決 IRカジノ施設法案は質疑は順調で大詰めに、衆委は早くも会期末処理

2016年12月13日 20時02分57秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

[画像]年金持続可能性確保法案を、淡々と採決する、参議院厚生労働委員会、2016年12月13日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 一部で再延長観測も無きにしも非ずですが、衆参27年ぶり自民党単独過半数で、審議そのものは順調に進んでいる印象です。あす会期末です。

【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 延長国会の目玉「年金」「IR」となりましたが、民進党が「年金カット法案」と呼んだ、「年金持続可能性確保法案」(189閣法54号)は、午後5時半ごろ、与野党合意に基づき採決し、民共希の反対、自公維及び薬師寺道代委員の賛成多数で「可決すべし」と決めました。この後すぐに、反対した、民進党の足立信也筆頭理事が附帯決議案を提案。

 朝の理事会では採決の合意が無かったようで、理事会が8分延びて、午前10時8分頃から総理入り質疑が始まりました。

 民進党から質問し、川合孝典さんが「1週間前に厚労省が出すと言った資料が出ていない」とし、物価が上がり賃金が下がった、というケースでの年金試算を出すよう要求。

 30分前後の中断を経て、塩崎厚労相が「法案は法律として成立させてもらい、次の財政検証で参考資料を出したい」とお願いしました。比較的スムーズに野党も受け入れました。ただ、途中で先輩から助言があり、「衆議院解散の後、ということではないか」と念のための確認をすると、塩崎厚労相は「隣にいる総理が決めることだ」とかわしました。大政党である民進党、会期末特有の緊張感は参院側にも伝わっていました。 総理入り質疑は終局。公明党が質問を放棄したので、20分ほどのずれ込みで済みました。昼の休憩。

 この昼の理事会で、厚労省が会期終了後に試算を出すことが確認できたようで、与野党が採決に合意した、ということのようです。

 午後は、各党が締めくくり的な質疑。この中で、野党委員から「労働問題の質問が多くなってしまった」との発言があり、審議はあまり深まらない印象でした。

 午後5時10分過ぎに、質疑終局を宣言。正常採決で可決しました。この間の討論では、民進党が「審議が拙速だ」と反対、自民党と公明党が「将来の年金額を増やすことになる法案だ。ただ、GPIFは法律通りの組織改革をしっかりやってほしいと釘をさしたい。今回の法案のような、こまめなメンテナンスで世界に冠たる公的年金制度を維持したい」と絶叫しました。共産党が反対、維新が賛成、希望の会が反対の討論をしました。 

 附帯決議に対して塩崎厚労相が善処を約束し、淡々と散会しました。

 衆院側での「年金カット条項」発見から、高いテンションで通過した法案ですが、参院でのクールさとの温度差が気になりました。

【参議院内閣委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)

 先週来、新聞1面、テレビですっかり名前が知られた、難波奨二委員長。

 定刻通り始まりました。自民党側筆頭理事の上月良祐さんは「審議は十分だと思うが、最終確認として質問する。最近は余り行けないが、家族で海外旅行に行くと、楽しいが、帰ってきて、すぐにまた行こう、とは思わない。一つだけ例外があった。それはラスベガスだ。街全体が楽しめるようにつくってある」と語りました。統合リゾートの有用性を述べたものとみられます。カジノ依存症でまた行きたいということではないようです。

 衆議院側ではあまり登場しなかった、菅義偉・官房長官も民進党などに対する質疑では登場してます。昼の休憩。

 午後は共産党の大門実紀史さんが、発議者の衆院議員のパチンコパーラーからの献金を追求。大門さんは、最近電話で話したとして、旧民主党法務部門会議座長で6年前から議席を失っている、松野信夫元参議院議員(熊本の弁護士)の参考人質疑を求めました。

 この後、午後5時直前に休憩。

 そして、午後7時30分再開。ここで、歴史的な大展開で、突然修正可決しました。あす成立の公算。別エントリーで速報、詳報しました。以下は、別エントリーからコピペします。

 会期末前日の夜になって、大きな大転換がありました。 

 参議院内閣委員会は午後5時から7時30分まで休憩。

 午後7時30分、再開と同時に、委員長は「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)の質疑終局を宣言。
 
 ここで、自民党の上月良祐筆頭理事が、
 「政府は、カジノ施設の入場制限を検討する。ギャンブル依存症者を明示する」とし政府によるギャンブル依存症者の入場制限の検討を命じるとともに、5年後の見直し規定を盛り込む」

 とした法案の修正動議を出しました。

 ただちに、討論に入りました。民進党は、反対。この後、共産党は、自・民による、突然の修正に反対したうえで、原案などを強い口調で反対。希望の会の山本太郎さんは法案・運営とも「情けない」と反対。

 修正可決後には、附帯決議が16本提案され、自公維3党のみの賛成で採択。成立後の1年間、国土交通省、内閣官房の「宿題」となります。

 今国会はあす閉幕する公算ですが、衆議院本会議の終了時刻は昼下がり以降になる見通し。

 今回の修正は、衆参単独過半数時代に、「修正路線」による国会対策を進めた、田中角栄先生・竹下登先生・金丸信先生らの経脈をつぐ、自民党の吉田博美、民進党の小川勝也、両参議院幹事長が主導したものと推測できます。

 ただ、民進党内では数時間前に代表が廃案に言及していました。

 一方、自民党は、自ら「歴代最軽量級」と語った橋本聖子参議院議員会長のもと、辛酸をなめる、旧田中派の吉田さんが一矢を報いた格好なのかもしれません。

 27年ぶりに、自民党(政権党、与党第1党、第1会派)が衆参単独過半数をしめた国会がまもなく年を終えようとしています。

【衆議院法務委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 「民法債権編改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)。私の計算では9日目。

 自民党のYouTubeでネットカフェの司会をしている、今野智博さんが登場し「当委員会は円滑に審議できることを感謝する」と与野党に語りました。民進党の枝野幸男さんは「相殺について、判例を条文に落とし込んでいる部分と落とし込んでいない部分がある」と指摘。「代理について、私は本人です、と名乗った代理人の効力について条文が無い」と語ると、小川・法務省民事局長は「その効力は本人に帰属するというのが判例、通説だ」と答弁。枝野さんは「条文に書いちゃうと、本人です、という代理を推奨しているようになってしまうから、分かる」と同意しました。民進党の井出ようせいさんは「取引上の通念という言葉が10か所以上出てくる」として確認しました。

 午前の部だけで散会。いずれにせよ、越年です。

【衆議院安全保障委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 一般質疑で、「北朝鮮核ミサイル問題等」に関する参考人と委員との着席のままの意見交換がありました。

 参考人の教授からは、「北朝鮮は核の小型化は成功したのではないか。ただ、ことしはICBMについては消極的だった」とし、お金がかかる大陸間弾道弾よりも、違う開発をしているのではないかと示唆。民進党の神山洋介さんは、「THHAD(サード)の開発、3段構え(サード、イージス、ペトリオット)を整えようとしているが、それでいいのか。予算面もあるし、現場の負荷で自衛隊が回らなくなるのではないか」という趣旨で議論しました。自民党は、補選後やたら登場する和田義明さんが質問し、大きい派閥(清和会)だと質問回数も多いのかなと思いました。この後、文脈が分からないのですが、なぜか、山口壮委員長が北朝鮮核実験の過去の経緯や民主党政権の尖閣諸島の問題などの経緯を長い時間語り、参考人にお礼し、散会を宣言しました。

【衆議院農林水産委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 一般質疑がありました。この後、例年通り、「平成29年度畜産の価格に関する件」を議題に。民進党の小山展弘さんが朗読し、賛成多数で採択しました。TPP国内法で「TPP発効日に施行」となっている、マルキンについて、豚のマルキンを充実させるよう求める文章も入りました。

【参議院農林水産委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 8分前後遅れで始まり、一般質疑、おもに畜産に関する件。質疑終了後、「平成29年度の畜産の価格に関する決議」がされました。これは、民進党の徳永エリさんが朗読。だいたいこういうときは、徳永さんの出番だという感じです。参議院という世界は、院内での実績と選挙がつながらないところですが、6年半、ひたすら、農業とTPPに専念した徳永さんだと、北海道選挙区定数3で、あれだけの好成績で再選できるのだな、という感じがしました。

【衆議院本会議 平成28年2016年12月13日(火)】

 午後1時設定。事前の議題は無く、そのまま開かれないまま、午後6時前後に流会しました。

【衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 平成28年2016年12月13日(火)】

 加藤拉致相、岸田外相の所信的発言に対する一般質疑がありました。

 自民党の2期生、中川郁子さんが「延長国会ギリギリとはいえ、開催につながった委員長、両筆頭理事に感謝します」と切り出しました。これは、先代(夫)が拉致問題で名をはせたから、この委員会に属しているということなんだと、気づきました。もちろん、中川昭一さんは、農政、財政、金融とも詳しかったのですが、ただ、「拉致」で、安倍首相、中川さんらが人気議員になっていったということを思うと、拉致は自民党政権下で起きたことですし、もう少し冷静な政治を見る有権者であってほしい気もしました。

 この後、すでに別エントリーでも報じましたが、閉会中審査要求などの、会期末手続きがとられました。

この記事の本文は以上です。

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会期の大幅延長は無いもよう、衆議院拉致問題特別委員会が早々に会期末処理を済ませる、自民党の城内実委員長

2016年12月13日 16時03分26秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会は、会期末前日の平成28年2016年12月13日(火)、大臣所信に対する一般質疑をし、終えました。

 自民党、無派閥、同党外交部会長を兼ねる、城内実委員長は、この委員会に他の委員会の陳情1件が参考送付され、地方自治法99条による地方議会の意見書15件が参考送付されたと発表。続いて、議長に対して、国会閉会中でも、仮に国政の動きがあり、一般質疑などの閉会中審査をしたい場合には、それができるように手続きする、閉会中審査をしたい、とはかり全会一致で賛同を得ました。

 これはいわゆる「会期末処理」です。これにより、ごく一部で観測があった、会期の大幅再延長のうえ来月に解散するというようなシナリオはまずありえない状況となったといえます。

 これとはまったく別に、参議院民進党の小川勝也幹事長は、同日記者会見し、「年金の議論はこれからも続く」とし、年金法案の採決時期について闘争するのは「今の議会構成では限界がある」とし採決を容認。IRカジノ施設法案にしぼって、「不測の事態に備える」ため、同日、幹事長・国対委員長会談(吉田博美、松山政司、小川勝也、榛葉賀津也の各参議院議員)を複数回開いて、話し合いの場を開いたうえで、会期末を迎えることを明らかにしました。小川さんの記者会見はYoutubeで公開されました。

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日米ACSA新条約、審議入りせず、2017年に持ち越し 平和安全法制で、地球の裏側で弾薬提供

2016年12月13日 09時51分03秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 第192回臨時国会召集日と同じ、平成28年2016年9月26日に岸田外相とケネディ大使が署名し、承認案が国会に提出された、

 「日米物品役務相互提供協定の新条約の承認を求めるの件」(192条約2号)は、審議入りせず、平成29年2017年春以降に承認が持ち越されることになりました。

 第192回国会は、条約のスケジュール感があわない「条約間抜け国会」となりましたが、ACSAについては、集団的自衛権を認めてしまった2015年日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインの相手方である、オバマ大統領の退場によって新しい地平が見えるかもしれません。

 新条約は、ガイドライン及び平和安保法制にもとづき、周辺事態(個別的自衛権)のみならず存立危機・重要影響・国際平和共同対処事態(集団的自衛権)を定義し、同時に「弾薬を除く」と書かれた現行条約をあらため弾薬も提供できるようにするもの。このほか、これまで通り、消費税の免除や返品の規定なども定めています。

 外務省作成のイメージ図は→こちらをクリック。

 条約の立てつけは、新条約が承認されると同時に、現条約が失効し、新条約に切り替わることになっています。

 トランプ次期政権は、元軍人を閣僚に指名する見通しとなるなど、タカ派色が見られますが、単独行動主義に回帰するとも見方も有力です。もちろんACSAの審議で抵抗しても、ガイドライン・法制がある限り、いざ開戦となれば、1日で国会を通過してしまうようなものです。

 現場での懸命の奮闘もあり、野党と市民連合によるたたかいは続くことになりました。


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民進党・共産党の勝利、労働基準法改正案(残業代ゼロ法案)は審議入りしないまま、2度目の年越しへ

2016年12月13日 09時50分32秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 政府・自民党が、きょねん、平成27年2015年4月3日(金)に提出した労働基準法改正案(189閣法69号)は、第192臨時国会で審議入りしないまま、2度目の年越しとなり、平成29年2017年通常国会以降に持ち越しました。

 野党・民進党と共産党の勝利です。

 この法案は「残業代ゼロ法案」と呼ばれています。

 年収1000万円以上の「高度プロフェッショナル」の残業代をゼロにできる法案です。年収1000万円というと関係ないように思うかもしれませんが、政令「労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」 では、博士、公認会計士、一級建築士のみならず、例えば大学の商学部卒業の人が、5年間経理部員をすれば、もう「高度プロフェッショナル」になります。後は、政令の年収要件を下げれば、ほとんどの人が残業代ゼロになります。

 この法案は、上述の通り、きょねん4月3日に提出され、安保法大延長国会の9月24日(木)に降ろされ、25(金)に閉会中審査手続きを取られました。今国会は初日に降りています。その後も、趣旨説明すらされないまま、2度目の年越しとなりました。民進党と共産党の勝利です。

 一方、「正社員ゼロ法」こと改正労働者派遣法はきょねん9月30日の施行から1年3か月経ちました。現実には、正社員の人数は増えましたが、それ以上に非正規雇用が増えており、「率」では、野党の懸念通りになりつつあります。

 以下、当ブログ内エントリーから、年越しが決まった、残業代ゼロ法案関連を紹介して、このエントリーは終わります。

[当ブログ内エントリーから抜粋引用はじめ]

残業代ゼロ法案は博士受難の時代、労働基準法第14条第1項などの改正法案を政府が提出

2015年04月03日 23時59分37秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年4月4日午前8時でそれから4月3日付にバックデートしました)

 政府は平成27年2015年4月3日(金)の閣議で、「労働基準法改正案」(189閣法69号)を決定し、衆議院に提出しました。

 この残業代ゼロ法案を見るときは「現行労働基準法第14条第1項」をおさえるべし。

 労基法第14条は「労働契約」の「契約期間」を定めています。ちなみに、労働契約とは、民法でいう「雇用」とまったく同じ意味です。「労働契約法(平成19年2007年法律128号)」の施行後は、労働法制では「労働契約」という言葉に書き換わっています。

 まず14条第1項は、「専門的な知識、技術または経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結する労働契約」という分類、定義を決めています。

 この分類はどのような労働者か。その細目は、省令が定めています。省令は法律ではないので国会の審議が不要。与党の厚労大臣が署名で突然変えることができます。

 省令、

 「労働基準法第14条第1項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成15年2003年10月22日厚生労働省告示第356号)」

 は、次の人が労働基準法第14条第1項の「労働者」だとしています。

 1、博士の学位を有する者・・・ですから、博士は全員対象になります。
 2、12の国家資格・・・このうち、公認会計士、一級建築士、薬剤師、技術士が会社員には多いと思われます。
 そして、(略)
 5、次のいずれかに該当する者であって、労働契約の期間中に支払われることが確実に見込まれる賃金の額を1年あたりに換算した金額が、
 「1075万円」を下回らない者としています。

 この「1075万円」は、国会の審議無しに、厚労省の一存で「省令」で変えることができます。これを野党・民主党は警戒しています。

 ここで、いったんまとめると、博士、会社員や団体職員でである公認会計士・一級建築士・薬剤師・技術士と、年給1075万円以上の労働者(システムエンジニアや、その業種につながる学科を卒業した大学・短大・高専・高校卒業者で就業後5年ないし7年経った者)が、労基法第14条第1項の対象になります。

 今次改正法案は、この第14条第1項にもとづく労働者を、すべて「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」と名付けて、労働時間・休日・割り増し賃金の法律による保護から除外する、とした法律案で、抜本的な改正といえます。

 実はこの、労基法第14条第1号を改正しようという動きは、以前からありました。

  昨年11月21日の衆議院解散の数分前に「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」 が民共の反対、自公維の賛成多数で可決・成立し、今週の4月1日(水)から施行されました。これは、14条1号の労働者の労働契約の期間を5年間から10年間に延長する法律。このため、例えば大学教授で今週から同じ大学で6年目に入った人は、この法律にもとづく有期雇用かもしれませんし、無期雇用かもしれません。この特措法案は昨年の通常国会で、国会技術的には極めて異例な「衆議院で可決して参議院で審議未了ながら閉会中審査になった法案」です。

 これが、テレビ放送されていた衆議院解散のニュースの数分前に委員長が報告し、起立し、可決・成立した法律3本のうちの1本です。ニュースを見ていた人も多いでしょう。これとは別に、労働者派遣法改悪法案は解散と同時に廃案になりました。

 なので、今週6年目に入った博士は「首がつながった」のだからまだいいとして、それ以外の博士は、物理学だろうがなんだろうが博士なんだから、もっと抵抗して良かったように感じます。筆者(宮崎信行)が最近始めたツイキャスラジオの2015年4月1日の放送で、リスナーの方から、「国公立大学の人は声をあげづらいようだ」との世論を教えていただき、それもそうかなと感じました。ただ、昨年11月の法律を当時どれだけ把握している人がいたのかなとの疑問はつきません。

 民主党は野党なので限界があります。法律案を審議未了廃案に追い込むテクニックしかありません。ただ、衆議院厚生労働委員会は、まだ審議入りしていない法案が8本ある状態で、来週から残り11週間の後半国会(ただし延長は確実な見通し)を迎えます。

 野党・民主党の岡田克也代表は、労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)「通さないためにどうすればいいかという視点で、いろいろなものを組み立てていきたい」と先月の記者会見で述べており、労働者派遣法改悪法案の審議未了廃案の方を優先する作戦です。

 派遣労働者の声と、博士の声のどちらが通るか、両方通るか。ーー昨年の国会では「ハケン」の声が通りました。博士受難の時代ですが、我こそはオピニオン・リーダーたりという気概を持っていただきたい。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

[当ブログ内エントリーから抜粋引用おわり]
 
[当ブログ内エントリーから抜粋引用はじめ]

参議院民主党「労働基準法改正案、廃案にしましょう」

2016年01月15日 16時15分48秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年1月15日(金)参議院予算委員会】

 きのうの午後1時台に衆議院を通過した「平成27年度(第1次) 補正予算案(一般会計、特別会計)」が議題になりました。

 予算案の趣旨説明は、このところ、衆・予のあと、参・予でも受けて、その後から、衆・予で基本的質疑になっています。今回もその予定でしたが、衆・予の理事会が長引いていたので、参・予は理事の専任だけして、散会していました。このため今朝午前8時50分から委員会を開き、麻生財務大臣の説明を聞きました。

 午前9時からNHK入り国会中継。

 民主党・新緑風会から長浜博行さん、水野賢一さん、石橋通宏さんが質問しました。今年は改選イヤーですが、まず、非改選の長浜元環境大臣が先陣を切り、改選の水野さん、石橋さん=情報労連組織内・全国比例民主党公認内定=が質問する格好となりました。

 ねじれておらず補正予算の成立は確定的。とはいえ、改選イヤーの委員会審議のスタートですから大事です。

 前置きはまだ続きます。参議院は会期切れの廃案をねらい、伏兵として行動してきました。やはりインターネットの時代ということでしょう、おととしの国会で変化がありました。共産党議員がテレビ入り予算委員会で、まだ審議されていない「労働者派遣法改正案」についてパネルを使って問題点を指摘。その後、「まあ審議入りまでまだ時間があるでしょう」としまい、結果的に会期末廃案に2回追い込むことができました。

 民主党の石橋さんは、労働基準法改正案(189閣法69号=衆議院厚生労働委員会で継続審査)を取り上げました。いわゆる残業代ゼロ法案。石橋さんは「総理、いったん廃案にしましょう!」と呼びかけました。

 石橋さんはまず、「この法案の働き過ぎ防止策は我々も賛同できるんです」とかけひきを開始。法案に盛り込まれた、改正第41条の労働時間などの規制の例外、をただしました。ここは大事なので、きわめて長くなりますが、「改正第41条の2(案)」の条文の全文をコピーアンドペーストします。

[引用はじめ]

第四十一条の二 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第三号又は第四号に規定する措置を使用者が講じていない場合は、この限りでない。
一 高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この項において「対象業務」という。)

二 この項の規定により労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であつて、対象業務に就かせようとするものの範囲
イ 使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定められていること。
ロ 労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。
三 対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(この項の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(次号ロ及び第五号において「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る。)を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
四 対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。
イ 労働者ごとに始業から二十四時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間以上の継続した休息時間を確保し、かつ、第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月について厚生労働省令で定める回数以内とすること。

ロ 健康管理時間を一箇月又は三箇月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。
ハ 一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を確保すること。
五 対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置であつて、当該対象労働者に対する有給休暇の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定めるものを当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
六 対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
七 使用者は、この項の規定による同意をしなかつた対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
八 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項。

[引用おわり]

 このような弁護士も読めない条文。かつて香港にあった蜘蛛の巣のような市街「「九龍城」のような世界が、労働法制の世界で、労働者が分断されています。

 この長時間労働や残業代の規制が除外される職種(エグゼンプション)である「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」。

 これについて、塩崎厚労相は「所得再分配のために、その糧を得なければならない」安倍首相は「すべての人が希望を持てる社会をつくりたい」と答弁。なんらかの思惑が裏に透けて見える答弁をしました。

●民主党の岡田克也代表は定例会見で、労働基準法改正案の対案提出を明言し、「先送りは卑怯だ」と首相を挑発

 この石橋さんの提案の直後に、定例(金曜日午後3時)で始まった、岡田克也代表の記者会見で、「長時間労働は根の深い悪弊で、子育てと仕事の両立を阻み、親の介護も施設に任せるしか選択肢がなくなっている。和民の裁判を見ても、これが企業のやることかと憤りを感じる」とし、「総労働量とインターバル(退勤から出勤までの時間)規制を盛り込んだ法案を出して議論したい」と語りました。

 さらに「安倍首相は重要な法案だと思うのなら、参院選の後に先送りするのは卑怯だ」とまで挑発しました。

 「社長と経理部長」「民主党の一卵性双生児」とも揶揄される、岡田克也代表と郡司彰参議院議員会長の足並みが一致した戦術のようです。

[当ブログ内エントリーから抜粋引用おわり]

[当ブログ内エントリーから抜粋引用はじめ]

労働基準法改正案いわゆる残業代ゼロ法案は審議入りせず第191回国会以降に先送り

2016年05月31日 06時55分47秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 「労働基準法改正案」通称「残業代ゼロ法案」(189閣法69号)は第190回通常国会で審議未了となりました。野党・民進党・共産党の抵抗が功を奏した格好ですが、与党は早い段階から成立をあきらめる作戦だったとも報じられています。

 労働基準法改正案は、大学教授などに適用されている、「高度プロフェッショナル制度」を広げて、例えば商学部卒業の経理部員を「高度プロフェッショナル」に加える法案。政府が昨年4月3日(金)に国会に提出した法案では「年収1000万円以上」に限られていますが、この部分は政府の一存ですぐにかえられることから、労働時間・休日・深夜の割増賃金などの労基法の規定が適用外になるため、野党は「残業代ゼロ法案」と呼んでいます。

 同法案は、厚生労働大臣による趣旨説明がされないまま、「閉会中審査」になる見通し。ただ「閉会中」と言っても審議されることなく、7月10日の参院選以降に開かれる、第191回国会や、第192回国会以降で審議入りをめぐる与野党の駆け引きが続く見通しです。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

[当ブログ内エントリーから抜粋引用おわり]

この記事の本文は以上です。

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