[画像]IRカジノ施設法案を強行採決する、秋元司・衆議院内閣委員長、自民党、2016年12月2日(金)午後12時過ぎ、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
自民党と日本維新の会にとっては、とんだクリスマスプレゼントとなりそうです。
朝日新聞は、東京地検特捜部が昨日、秋元司・自民党衆議院議員の逮捕状を請求したことを、きょう令和元年2019年12月25日(水)の朝刊で、断定調で報じました。
きょうにも逮捕されるとみられます。
3年前、第192回臨時国会で、「IRカジノ施設理念法」を強行採決した衆議院内閣委員長が、担当の副大臣を経て、逮捕される展開になりそうです。
私が新聞で読み限りでは、現在は、中国から日本に持ち込まれたお金が、外国為替法違反だ、という捜査がされていると認識しています。秋元議員逮捕ということになると、日本国内で、なんらかのお金のやり取りが、政治資金規正法と違う形で行われたか、あるいは3年以内ですので、贈収賄というもっとも重いかたちに発展するのかもしれません。
警察庁出身のいわゆる官邸官僚が、東京地方裁判所発行の逮捕状を執行させないという、アベ友上級国民の所業に、法務省の検察官が業をにやしたか。
IRカジノ施設理念法は、自民党最大派閥会長の細田博之さんが発議者となっていますが、そこに波及することはなさそう。しかし、秋元さんの話は、北海道のIR。これをめぐっては、官邸在籍の有力官僚は「ぼうやは決めるでしょう」と、30歳代の北海道知事を「ぼうや」と呼び推進していたと内部で言われていますが、一転、議会でIRをやらないことを答弁で明言する事態となり、なんらかの混乱が生じているとみられます。
また、秋元さんは自民党では二階派に所属。連立与党の公明党は消極的で、同党地方議員は「私の自治体にはつくらせない」という表現で国会議員団を批判。日本維新の会は積極的に推進してきており、官邸が改憲をめざして維新に配慮してIRカジノを進めた、との見方もあります。特捜部の事件そのものが、大きく波及することはなさそうですが、政権、連立与党、官邸官僚、改憲勢力に流動化のきっかけとなり、2020年の政局につながるかもしれません。
以下は、「IRカジノ施設理念法」の強行採決当日の記事(他のファクトも含まれています)を当ブログ内から全文引用して、この記事は終わります。
[当ブログ内記事から全文引用はじめ]
https://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/6b1c9c74d9f795acb4e18f7122646675
[画像]IRカジノ施設法案を強行採決する、秋元司・衆議院内閣委員長、自民党、2016年12月2日(金)午後12時過ぎ、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【官報 平成28年2016年12月2日(金)】
きょうはあえて、既に衆参の審議を終えて成立し、公布された法律から順に書いていきます。
「水産高校の18歳19歳の洋上投票を可能とする、改正公職選挙法」が、平成28年12月2日法律93号として公布され、直ちに施行しました。国会では、192衆法3号として全会一致。
「衆議院議員総選挙と最高裁判所裁判官国民審査の期日前投票期間をあわす、改正最高裁判所国民審査法及び改正公職選挙法」(192閣法7号)は、法律94号。きょうから起算して3か月以内の政令で定める日に施行。国会では全会一致でした。
「改正地方公務員育児休業法」(192閣法11号)は、法律95号。法案の束ね方について意見が出ましたが、国会採決は全会一致。来年1月1日(日)施行。
「改正裁判官育児休業法」(192閣法29号)は法律96号。上述の法律と同じく、「里子」も対象にします。来年1月1日(日)施行。
「改正鳥獣被害等防止法」(192参法52号)は、法律97号で、直ちに施行されました。銃所持免許更新の講習の特例の延長などの法律。
「改正金融機能強化法及び改正銀行株式買い取り機構法」(192閣法5号)が平成28年12月2日法律98号として公布されました。来年3月31日の時限立法をさらに、延長して、平成34年2022年3月31日(木)まで有効とする法律です。この改正法律そのものは、公布と同時に施行されました。国会では、日本共産党がもともと金融機能強化法に賛同していないため、反対しました。
【参議院本会議 平成28年2016年12月2日(金)】
「民間公益活動を促進するための休眠預金活用法」(190衆法43号)が採決され、押しボタン式投票の結果、投票総数239、賛成217、反対22の賛成多数で可決し、成立しました。施行は公布から1年6か月以内の政令で定める日。
「改正割賦販売法」(192閣法18号)。小林正夫・経済産業委員長(民進党)が審査結果を報告。投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決し、成立しました。政府が経産関連で国会に提出した法案は、民進党が委員長ポストを持つ経産委で、当初会期をはみ出しましたが、すべて議了しました。
「スキーバス事故の罰金を100倍にする、改正道路運送法」(192閣法19号)。増子輝彦国土交通委員長(民進党)が報告。投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し成立しました。公布から1か月以内の政令で定める日に施行しますので、政府は頑張ってほしいところです。民進党が委員長ポストを持っていることもあってか、当初会期をはみ出していました。延長国会で、衆側から新しく議員立法も送られてくるようです。
これに先立ち、「年金持続可能性向上法案」(190閣法54号)が塩崎厚労相から趣旨説明され、安倍首相らが答弁しました。この日程は、前日夜まで与野党間の協議が続いていました。 代表質問では、民進党の川合孝典さんが登壇。労組系で元職が3年ぶりに国政復帰というのは珍しいパターンかもしれません。
【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特)平成28年2016年12月2日(金)】
「TPP条約」(190条約8号)と「TPP国内法案」(190閣法47号)の参考人質疑で、東大名誉教授らが出席。
【衆議院国家基本政策委員会 平成28年2016年12月2日(金)】
棚橋泰文委員長が就任あいさつ。テレビ入り党首討論で目立つ、理事に、平沢勝栄さん、松島みどりさん、柿沢未途さんらが専任されました。
【衆議院国土交通委員会 平成28年2016年12月2日(金)】
「無電柱化推進法案」(192衆法 号)を起草するよう、自公民維の4党から動議が出て、西銘恒三郎委員長が起草することになりました。趣旨説明した、自民党の宮内秀樹さんは「道路業者との連携を図る」などと説明し、「どうか可決してください」としました。採決の結果、動議を出した4党に共産党を加えた全党の全会一致で可決しました。
「自転車活用推進法案」(192衆法 号) は自公民共維から起草すべし、との動議が出て、委員長が趣旨説明。「国、自治体は、自転車活用推進計画を定めなければならない」としました。役人の仕事はまた増えそうですが、それはさておき、質疑、討論は無く、いきなり採決。全会一致で可決しました。
この後、先の通常国会で、二階俊博さんら6名が提出した「道路運送法及び貨物自動車運送事業法改正案」(190衆法51号)について、西銘委員長が「提出者から撤回の要望が出ている」と話しました。全会一致で撤回を認めることになり、同法案は廃案になりました。
続いて、同じタイトルの、「道路運送法及び貨物自動車運送事業法改正案」(192衆法 号)が委員長から趣旨説明されました。きょう成立したスキーバス事故罰金法に加えて、運転手の健康の保持などの義務を事業者らに課す内容のようです。採決され、全会一致で可決しました。
上述の通り、参側の委員長は民進党のため、会期末の混乱で、3法案が成立しない可能性は無くはありません。
さらに、「運転手の健康に起因する事故に対策する決議」がされました。 次回は9日(金)に開くことにして、散会しました。
【衆議院厚生労働委員会 平成28年2016年12月2日(金)】
午前9時、一般質疑が始まりました。その後、大臣が参議院に行くので休憩。午後1時から再び、一般質疑。
【衆議院法務委員会 平成28年2016年12月2日(金)】
「民法債権編(債権法)改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)の審議は、私の計算では、5日目です。
改めて別のエントリーに書き起こすかもしれませんが、民進党の逢坂誠二さんが、「改正465条の6」、公正証書の作成と保証の効力について、質問しました。私が最も問題視している条項です。法務省民事局長は「公正証書の作成では、公証人が法務局の管内で、出張することも有り得る」と明言しました。 金田法相は「この改正条項で、第三者保証は減る方向になるのではないか」との見通しを答弁しました。ただ、この委員会に呼ばれた金融庁審議官は、やむを得ないところですが改正法案を飲み込めていないようで、「担保に頼らない融資を増やすよう指導している」と当たり前のことを繰り返すだけでした。
この、公証人が出張できるというのは、遺言書の作成などもそうですが、今後、公証人が銀行に出張して、銀行が用意した証人2名とともに、連帯保証書の公正証書をとる、という方向になるでしょう。民法改正要綱が出てから、私が注意して街を見ていたところ、1階に銀行支店、8階に公証役場が入っている雑居ビルを目の当たりにしました。確実にそういう方向に行くでしょうから、この条項は削除するしかありません。
【衆議院内閣委員会 平成28年2016年12月2日(金)】
「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)の2日目の質疑ですが、採決され、「可決すべし」と決まりました。
理事会が20分前後延びて、遅れて委員会が始まりました。IR議連のメンバーは答弁席にいるためか、自民党の平井卓也理事が「急に質疑に立つことになった」とし「理事会でも各党からいろいろな心配が出ていたが、この法案とは別に実施法案が必要なもので、あくまでも、できるという選択肢を用意する法案だ」と強がりました。
自民党2人目で、横浜の、ふくだ峰之さんが「マイナンバーカードを使って入場回数を制限することはできるか」と問い、答弁した自民党の西村康稔さんは「マイナンバーカードの活用は有効だ」と答弁しました。この辺は、マネーロンダリング対策もあるのかもしれません。
公明党も2人質問し、高木美智代さんは「法文に納付金は文化芸術スポーツに使う、と書き込んでほしかった」、浜村進さんは「本日は論点整理だ」とやや消極的な発言をしました。
民進党の時間になりましたが、おそらく答弁者がそろっていない、との指摘があったようです。ここで秋元委員長は「まだ揃っていないようですが、質問を始めてください」と促しましたが、緒方林太郎筆頭理事が拒んで、午前10時30分ごろから40分ごろまで休憩になりました。
緒方さんは「審議を始めたばかりだ」とし、採決しないよう反対しました。
共産党で、大阪の清水忠史さんの問いに対して、厚生労働省の政府参考人は「ギャンブル依存症は病気であり、治療は一定の効力が認められているが、治療法は確立していない」とし、ギャンブル依存症は病気である、との従来の政府解釈を明確に答弁しました。清水さんは「賭博を禁じる法律は、1327年の双六禁止令があり、歴史が古い。共産党の私が言うのもなんだが、あなたたち自民党の提出者は、天皇が決めたことを破るのか」と抵抗しました。
清水さんの質疑中、民進党の泉健太・議運筆頭理事と緒方理事が打ち合わせるなど、日程のあわただしさを感じさせました。
[画像]強行採決が濃厚となり、対応を協議する、民進党の緒方理事(左)、院の職員(背中)、泉議運筆頭理事(中央)、質疑する共産党の清水忠史さんら、2016年12月2日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
日本維新の会は、大阪の、浦野靖人さんが質疑しました。
この後、質疑の打ち切り動議を、自民党で神奈川の、牧島かれんさんが提出しました。
採決の後、修正案を、横浜の、ふくだ峰之さんが提出しましたが、総務省設置法の一条文をいじるくらいのごく小規模の修正でした。
討論では、共の池内さおりさんが「カジノの胴元にてら銭が入る」としヤクザが絡む可能性に言及し「マネーロンダリングの懸念もある。賭博は胴元が儲かるだけの「対数の法則」が明らかになっている。多重債務者の5%は賭博が原因だ」とし、修正案、原案とも反対しました。
この後、採決し、民共反対、自民党と日本維新の会などの賛成多数で、修正可決しました。
附帯決議(案)は、神奈川の牧島さんが朗読し、15本付けました。質疑に散会していなかった、横浜の菅義偉官房長官があらわれ、政府としての対応を確約しました。
私はギャンブルをしませんが、地方財政の取材で、公営4競技(地方競馬、競艇、競輪、オートレース)の取材経験が豊富で、若松競輪最後の日に行ったこともあります。昔から、つぶれそうで、まったく潰れない公営4競技は、多少なりとも、開催権を持つ自治体の財政には貢献しています。また、私は、観光旅行で、マカオのカジノに、ツアーの途中の三十数分滞在したことがあります。バカラは見るからに「ジャッキーチェン映画の世界」なので、スロットマシンだけしました。他社の同い年の若手男性新聞記者2人という、気分が自由な旅行だったので、私がバケツにコインを入れて「残り時間が短いから、これどんどん使って」と言いました。あとで、そのコインが、実は面白くなって、2度目のコイン購入をして余りそうだったから、そうしたと知られ、呆れられました。
スロットマシンはまだしも、バカラはいかにもヤバい気はします。横浜のかつての最大の目抜き通りだった、伊勢佐木町から1本だけ入った路地で、稲川会がバカラ賭博を開帳しています。私は、平日昼に、その路地にある、韓国料理屋に行ったことがあります。冷麺1300円の他に「クズ冷麺」という2000円のメニューがあり、珍しく奮発して注文しました。この店には、サングラスをした怪しい2人組がいて、「ゆうべのバカラは儲かったな」という話をしていましたが、私の顔を見て、「ゆうべの話は後にしようか」と口を閉ざしました。クズ冷麺なるものはおいしかったです。勘定のときに、「1300円です」と言われて、あれ2000円じゃなかったかなと思ったのですが、店員の女性が日本語が話せないようだったので、言われるまま1300円を払いました。私はめったなことでは動じませんが、この後、かつての目抜き通りの1本裏なのに、誰もいない路地で、突然背後から、おそらく、韓国・朝鮮語とおぼしき外国語を叫び女性に走って追いかけられる経験をしました。だいたい分かっていたので、店に戻ると、さっき、バカラの話をしていた2人組が、韓国・朝鮮語と日本語を同時翻訳してくれ、「クズ冷麺は2000円でした」とおびえる顔で私に説明し、私も分かっていたので、合計2000円分払って、それで済みました。いまだに、「クズ冷麺」の「クズ」がどういう意味かは知りません。
この伊勢佐木町の一つ裏の路地のバカラは、稲川会がやっているのですが、稲川会は負け組ヤクザです。本部は、東京都新宿区にありますが、その辺は、同じく新宿区に本部を置く住吉会や、極東会らの縄張りです。稲川会は歴史的経緯もあり、横浜にも進出していますが、戦後、横浜港の港湾荷役利権は、カタギが独占しましたので、稲川会は糊口凌ぎに、バカラを開帳しているにすぎません。表通りには、かつて、横浜松坂屋もあり、その前で人気の「ゆず」が歌う姿をNHK紅白歌合戦が生中継しましたが、横浜松坂屋は閉鎖してしまいました(この文脈で、稲川会と、他の固有名詞はまったく無関係)し、稲川会がパトロールしていた関内は官官接待の制限ですたれました。つまり、貿易港の管理という仕事から戦後締め出された、東京及び横浜では負け組、横須賀では勝ち組かもしれませんが、下級ヤクザの稲川会が万やむを得なくやっているのが、バカラだということです。
私が最も尊敬する人物である、私の父も、バブル期に、東京都豊島区のホテルで監禁され、サイコロ賭博を「やりませんか」と誘われましたが、トイレに行くと言って脱出したら、そのまま何も危険なことはありませんでした。しょせんは、ヤクザとか、社会のクズどもの吹き溜まりであり、我々カタギと別の世界です。
IRカジノ施設はあくまでも、経済的な負け組の起死回生の一発に過ぎません。そして、中央競馬及び公営4競技と違って、独立行政法人や地方自治体が経営する物でもありません。しょせんは負け組の吹き溜まりと認識したうえで、出島のようなところで、やる分には、まあ、いいのではないでしょうか。
いずれにせよ、審議不足のうえ、答弁もかなり混乱していました。
27年ぶり衆参単独過半数を実現した、7月10日の西日本の1人区の方々は、明治維新の勝ち組です。我々東日本は明治維新の負け組ですが、東日本とか、西日本とか関係なく、日本の民主政治が、世界の負け組にならないよう願いたいところです。まだ、カジノぐらいならまだマシというところでしょう。
この記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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