宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

名古屋市長に河村たかしさん AFPも速報

2009年04月26日 23時59分59秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[写真]自転車を傍らに置き、当選を喜ぶ河村たかし新名古屋市長(写真右)名古屋市東区=MSN産経。

 任期満了に伴う名古屋市長選は26日午後9時15分から開票され、民主党の推薦を受けた前民主党衆院議員河村たかしさんが初当選しました。

名古屋市長選の得票数(選管確定)

河村たかし(民主党) 514,514 (58・6%) 当選
細川(自公県組織)  282,990 (32・2%)
太田(日本共産党)   73,640 ( 8・4%)
黒田(無所属)        7,335 ( 0・8%)

 河村たかしさんの得票率は58・6%でした。ところで日本のマスコミはなぜか「得票率」というものを掲載しませんが、片手落ちです。午後9時15分開票にもかかわらず、“札”(開票)を見ずに朝日、読売が「当選確実」を出しましたが、NHKは開票作業が始まった午後9時16分に出しました。先走り報道よりも、得票率をしっかりと載せるべきです。

河村たかし氏名古屋市市長選挙で当選
 「河村当確」をAFP通信は世界に向けて、英仏語などで打電。すでにシンガポール最大発行部数でクオリティも最高とされる「ストレーツ・タイムズ」の電子版に載っていますから、紙に載れば、リー・シェンロン首相も目を通すでしょう。リー首相はたいへんていねいに日本の記事を新聞で読んでおられます。

 AFP(英語版)は、

 「日本の政権準備党である民主党が逆風の中、主要自治体の選挙で勝った」「タカシ・カワムラは民主党の前衆院議員。日本の中央の工業拠点で220万人が住む名古屋市長選で当選確実になったと、日本メディアが伝えている」「ミスター・カワムラが勝利したことで、9月までに行われる総選挙に向け、民主党は時の運(the momentum)を回復するだろう」。

 このthe momentumですが、NFLなどアメフットがお好きな人はご存じの言葉だと思います。およそスーパーボウルを制するなら、時の運・時の勢い(the momentum)がやってきた時は、短時間に攻めて攻めて攻めまくらないと勝てません。クォーターバックは、時の運があるときは、テンポ良く短時間であうんの呼吸でパスを投げ、ランニングバックは神のような手足で敵の妨害を避け、ボールをキャッチします。ここで正確にプレーできるかどうかが、天才と凡人を分け、栄光をつかみ歴史に名を残すか、それとも地元ファンにそこそこ記憶を残しただけで終わるかの境目です。一対一の相撲である「アメフット」の勝負で最重要なのは、The momentumです。

 27日、政府はさっそくインチキ補正・パクリピンハネ4段ロケットを出してくるわけですが、国会内外でthe momentumを生かさなければいけません。 

 今回の選挙は、愛知1区の河村たかしさんが出馬表明した後、県連の一本化の前に愛知2区の古川元久さんが支援を表明したことで、河村さんに流れが向きました。予算審査最終局面で財務副大臣のクビをとった参院議員の大塚耕平・愛知県連選対委員長もたんなる政策通から脱皮しました。この3人は愛知県立旭丘高校の同窓生です。「な~んだ~」という感じがするかもしれませんが、これは河村たかしさんが議員である前に一人の人間として、「同校の旧校舎取り壊し反対運動」を含めて、一人の人間として立派だったことを示しています。

 最後に言わずもがな、くどいようですが、民主党議員諸賢、もうこのタイミングでしか書けませんので、「もう分かりました」「反省してます」と言われても、もう一度、書かせていただきます。

 河村たかしさんの圧勝にどんだけ民主党は救われたことでしょう? サラリーマン議員諸賢、あなたが地方出身・高学歴でパフォーマンスが苦手だったら、都会育ちのパフォーマンスのうまい議員を小馬鹿にするような態度をとってはいけません。これは鳩山由紀夫さん、高山智司(高山さとし)さんにも当てはまります。

民主党ニュース:河村たかしさん、圧倒的な大差で初当選。名古屋から庶民革命を起こす

 任期満了に伴う名古屋市長選挙の投票が26日行われ、即日開票の結果、新人で民主党が推薦した前衆議院議員の河村たかしさんが、自民・公明が推薦した候補者らを圧倒的な大差で破り、見事初当選を果たした。

 有権者の皆さんとのふれあいを重視した河村さんは自転車街宣を中心に選挙戦を展開し、自転車で走破した距離は延べ315、57キロにのぼった。

 約500人のスタッフや支持者らが事務所の内外に集まり、21時15分過ぎに、NHKで当選確実のニュースが流れると、事務所は喜びの渦に包まれた。それからまもなく、待機していた河村たかしさんがおめでとうの掛け声や、握手でもみくちゃになりながら現れ、後援会長の音頭で大歓声とともに万歳三唱が行われた。

 次に、伴野豊民主党愛知県連代表が挨拶し、「今日、河村たかしさんは日本一の市長になる資格を得た。本物の日本一の市長になるために、皆さん一緒に河村さんをすばらしい市長にしよう」とこれからの河村市政へ更なる協力を求めた。

 続いてすぐに報道陣による共同のインタビューに移り、有権者の声をどのように受け止めたのかとの質問に、「どえりゃーうれしい」としたうえで、『河村さん、期待しとるでよ』という声がどえりゃー多かった」と述べ、閉塞したこの状態を変えてほしいという期待として受け止めたと答えた。

 またこれからどんな政策を真っ先に行うかとの問いに、「庶民革命。市民税10%減税を行う。皆さんのところにお金を戻し、生活の糧にしてもらう。そしてこの生きたお金で福祉とか医療をみんなで充実させていく」と答え、日本ではどこもやっていないが、世界ではこれは当たり前のことだとも話し、この名古屋から庶民革命が始まるとの決意を改めて強調した。

名古屋市長に河村氏初当選 与党支援候補ら大差で破る(共同通信) - goo ニュース

 任期満了に伴う名古屋市長選は26日、無所属新人の前衆院議員河村たかし氏(60)=民主推薦=が、自民、公明両党の県組織が支持する元中部経済産業局長細川昌彦氏(54)、愛知県商工団体連合会長太田義郎氏(65)=共産推薦=ら無所属新人3人を大差で破り、初当選。投票率は前回を23・04ポイント上回る50・54%。大型地方選挙で民主系候補の連敗はストップした。

Japan opposition seen to win(AFP)

TOKYO - JAPAN'S main opposition looked set to win a key local poll on Sunday, reports said, in what would be a much-needed victory in a face-off against the ruling coalition.

Takashi Kawamura, 60, a former lower-house lawmaker backed by the opposition Democratic Party of Japan, appears certain to win the mayoral election in Nagoya, the central Japan industrial hub with 2.2 million people, reports said.

Citing their own exit polls and analyses, the Mainichi Shimbun and other major papers made the projection on their websites soon after polling stations closed. Official figures will not be available until later Sunday.

The ruling Liberal Democratic Party and its junior coalition partner, the New Komeito party, supported Masahiko Hosokawa, a 54-year-old former bureaucrat with the trade and economy ministry.

Mr Kawamura's victory could help the opposition regain the momentum ahead of a general election that must be held by September.

The party has suffered two election defeats in local polls since its leader Ichiro Ozawa was hit by a funding scandal last month.

Mr Ozawa, who had been widely tipped as a likely future premier and led in polls against Prime Minister Taro Aso, has seen his popularity slide since a close aide was arrested in a donation scandal in early March.

Pundits have said the general election will be the toughest fight for the ruling conservative party in its almost unbroken rule of Japan lasting more than half a century.

Recent opinion polls have showed public support for Mr Aso's cabinet recovering, fuelling speculation he will call early elections.

Pundits have attributed the gain mainly to Mr Ozawa's scandal and expectations of US$150 billion (S$223 billion) in emergency stimulus spending to revive Asia's biggest economy. -- AFP


「小沢と心中できない」のが本音

2009年04月26日 10時10分46秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 私は枕が変わると眠れないので、地方出張は原則日帰りにしていますが、今週は2泊3日で出かけますので、セカンドマシンのノートPCにウィルス・ワクチン・ソフトとOSをアップロードしました。この作業が昨日1日かかりましたので、昨日は久しぶりに更新しませんでした。

 先週木曜夜放送のBS11「インサイドアウト」の中で、藤井裕久最高顧問の発言に看過できない「ウソ」がありました。

 自民党経世会→同改革フォーラム21→新生党→新進党→野党自由党→与党自由党→野党自由党→民主党

 と小沢さんと同じ党歴を歩んできたのは藤井さんただ一人です。

 大連立もあるのでは?といううんざりするような質問に対して、
 「小沢一郎は1993年の自民党離党以来、一貫して野党一筋に歩んできた」という趣旨の発言をしました。

 これはおかしい。

 野党第2党だった小沢自由党は小渕自民党と連立政権を組みました。自社さが崩れ自民党単独の不安定な基盤だった小渕恵三内閣を助けて、自民党を延命させました。また、これにより、公明党への入閣を呼びかけやすくなり、小渕自自公連立政権となり、自公政権は10年間経ったいまも続いています。

 仮に小沢自由党による自民党延命がなければ、政権交代がもっと早く実現し、小泉構造改革もなく自民党は死に絶えていたでしょう。

 小沢のこの罪は万死に値します。

 このことは、羽田孜、渡部恒三、石井一、岡田克也といった面々が「野党一筋」で来たこととはまったく違います。

 「野党一筋」というと、あまり格好良くないけれど、「非自民一筋」で二大政党による政権交代可能なデモクラシーを目指していることは15年間という長い時間が説得力を持って証明しています。

 藤井さんは小沢さんの「自民党との連立の罪」を消してあげたいのでしょう。が、私は「新進党解党の罪」と「自自連立の罪」は一生忘れません。ですから私自身「民主党と心中」「政権交代と心中」するつもりはあっても、「小沢と心中」するつもりはまったくありません。

 その上で、第45回総選挙は小沢民主党でいかなければ、51%をとれないと思って、西松事件発生以来、小沢擁護を続けています。

 ところが、小沢さんはなかなか説明しようとしません。せめて、総務省ホームページから「陸山会」の収支報告書をダウンロードして左手で持つ。それだけでも説明しようとする姿勢が国民に伝わります。

 つまり、小沢側近という存在はいつも変わらないという構造的な問題がある。新進党時代は加熱した小沢側近のため、「羽田vs小沢」という私たち新生党をルーツとする支持者には耐えられない党首選があり、奥田敬和先生に背中を押された羽田さんらは「太陽党」を結党しました。新進党解党のとき、小沢さんを諫める小沢側近はいなく、一人「解党反対」のビラを配る岡田克也青年代議士を「空気の読めない奴だ」とあざけりました。そして、民主党に軒を貸してもらって復活した今も、積極的に情報発信することで小沢を守るということがまったくできず、ひたすら貝になっています。

 新進党時代の小沢側近、自由党時代の小沢側近、民主党での小沢側近というのはそれぞれ別のメンバーです。とくに新進党時代の小沢側近は今でもご健在のはずですが、今どこで何をしているのか?国会には藤井さん以外ひとりもいなくなりました。

 小沢一郎衆議院議員というのは、小沢事務所では裸の王様です。小沢秘書は小沢代議士に自ら話しかけてはいけないとされています。小沢側近といわれる山岡賢次、奥村展三、松木けんこうといった議員も小沢さんに厳しいことを言ったという話は聞きません。

 ところが、民主党代表の小沢さんということになると、心強いパートナーがいます。鳩山由紀夫幹事長です。この2人は東京都立小石川高校の5年先輩後輩の間柄です。また小選挙区の区割りを借りて説明すれば、ともに東京2区で生まれ、東京2区で思春期を過ごしました。小沢さんは初当選後も国会があるときは夫婦で東京2区で過ごし、やがて東京5区の一戸建てに越しました。

 自民党は昨年3週間にわたって猿芝居「総裁選」を繰り広げましたが、3月3日以降、「民主党代表=ネクスト総理」の名前を争う小沢政局は1ヶ月半経っても収まりません。これはメディア露出としてはおいしいのですが、さすがに疲れつつあります。

 このところ、私はあまり国会に行っていないのですが、このまま国会に行っても見えてきそうにありません。

 そこで、火曜日から地方に行きます。私は1995年の統一自治体選挙の東京・板橋区議選で尾名高勝さんの告示直前の日常活動で新進党機関紙号外ないしは後援会入会を求めるリーフレットを配って以来、ビラ配りをした記憶がありません。ですから14年ぶりにビラを配って、「小沢続投」の是非を確かめてみたいのです。国会内を取材するより、街でビラを配った方がはるかにそれが分かるはずです。

 行く先は静岡3区の小山展弘(小山のぶひろ)総支部長の所です。小山君は私のゼミの後輩ですから、公示前に応援に行きたいと考えていました。取材というよりも手伝いです。彼と活動することで、僕は小沢政局に対する考え方をしっかりつかめると期待しています。