【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

1月18日(月曜日)召集へ

2010年01月04日 20時59分38秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 [画像]横路孝弘衆院議長(左)、江田五月参院議長。

 鳩山由紀夫首相は政権交代後初の通常国会(会期150日間、1回延長可能)を「1月18日(月曜日)」に召集することを決めました。

 憲法7条「二、国会を召集すること」に基づく天皇の国事行為ですので、内閣が決めることができます。

 3年に1度くる「参院選のために大幅延長のない通常国会」ですが、例年以上に「きつい日程」になります。閣僚は答弁ミスをしたら「国会審議の正常化」のためにすぐにクビを切られると覚悟すべきです。そしてすべての与党議員は「人に疑われることのない」清潔な政治活動、身ぎれいな日常生活を心がけなければいけません。

 第174通常国会は冒頭から、今年度第2次補正予算案(ムダづかい凍結・雇用対策)が審議入り。

 その後、2010年度本予算案(命を守る予算)、国会法・行組法改正案(政務三役増員、官僚の答弁・国会待機の見直し)、子ども手当法案、税制関連法案(暫定税率のしくみ変更など)など重要法案が目白押しです。

 現在、自民党が審議拒否をしている状態です。自民党からの審議復帰の条件をていねいに聞く必要があります。それを受け入れたうえですが「1月18日(月)召集」のスケジュールは動かないでしょう。

 自民党の審議復帰があれば、今年度第2次補正予算案の1月中の成立にめどが立ちます。

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 まさに「良識の府」を代表して、江田五月参院議長(岡山)が年頭所感を発表しました。

 江田議長は「党首討論が行われず」「国会の生命というべき充実した審議とは遠い結果に終わりました。残念なことです」と第173臨時国会での民主党・自民党の国会運営を批判しました。

 第173国会の参院では「総理所信表明への代表質問」「予算委員会での鳩山内閣の予算執行に関する質疑」というNHK中継入りの審議は活発でした。ところが、3週間にわたって、衆院から法案が回ってこず、参院先議の閣法もなく、審議をしようにも議案がない、という異常事態に見舞われました。大変な時間のムダがありました。江田議長は名指しをしていませんが、所感の内容は、小沢一郎幹事長・山岡賢次国対委員長による与党国対も批判も含んでいるでしょう。

 「2次補正→本予算・予算関連法案→重要法案→参院選」のスケジュール感の絵図を描けている議員がいるように思えません。鳩山民主丸は、海図なき、波高き航海を強いられることになりそうな気配です。

 江田議長は所感で、「昨年は『事業仕分け』が注目を集めましたが、すべての国会議員は国会の場で活気ある議論を交わし、ここに国民の注目を集めたいと思っていますし、国民の皆さんもそれを望んでいるはずです」と強調しました。

 議長、大丈夫だと思いますよ。

 政権交代、不況、不安、インターネット--国民の国会への関心は確実に高まっています。政治を国民の手に取り戻そうとする輿論(世論)で、民主党政権は天気晴朗です。

 本日、天気晴朗なれども波高し。

 力のある者が批判を気にせずに前に進む。そうでない者は、力のある者を僻まない、妬まない。

 政治・社会・経済の激動の中、2010年国会が歴史に名を残すことは確実です。 

江田五月参議院議長の年頭所感

 明けましておめでとうございます。皆さんには、すばらしい新年をお迎えのことと思います。本年が皆さんにとって幸多く、実り豊かな一年となることを心よりお祈りいたします。

 昨年夏の衆議院選挙により、政権が交代し、わが国の政治は大きく転換しました。有権者が投票により政権を実質的に選択したのは、歴史上初めてのことで、まさに画期的です。国会も、衆参のいわゆる「ねじれ」が解消し、新たな局面に入っています。「ねじれ」国会の運営にはさまざまな困難がありましたが、この経験は必ず将来に生かされると確信しています。しかし現在のところ、国会も政府もまだ手探りの状態にあるようです。先の臨時国会では、党首討論が行われず、また最後の本会議にも全会派揃っての出席が得られなかったなど、国会の生命というべき充実した審議とは遠い結果に終わりました。残念なことです。

 議院内閣制の下では、与党は政府とともに、自らの施策について説明を尽くし理解を得る努力をしなければなりません。他方、野党は政権運営を厳しく監視するという民主主義に欠かせない重い役割を果たす必要があります。それぞれの主張を一方的に言い放つだけで、噛み合った討論がないのでは、議会政治の本義は生かされません。何はともあれ各会派がテーブルに着いて現実に政策論争を行い、協調して合意点を探って初めて、国会が仕事をしていることになるのだと思います。昨年は「事業仕分け」が注目を集めましたが、すべての国会議員は国会の場で活気ある議論を交わし、ここに国民の注目を集めたいと思っていますし、国民の皆さんもそれを望んでいるはずです。

 私はこれまで、「政権交代構造の構築」とともに「市民政治の前進」を目指して政治に携わってきました。国会での活発な議論は、必ず市民の政治参加に結びつきます。これを促す議長の責務はますます重く、身の引き締まる思いでさらに力を尽くします。

 幸いにして参議院には、先の臨時国会の厳しい与野党対立の中でも、参議院が重視する決算審査の本会議質疑が全会派出席の下で行われたように、与野党の枠を超えて課題に取り組もうとする伝統があります。この夏、参議院議員選挙が行われますが、引き続きこの伝統を大切に守っていくべきだと思います。国民の皆さんには、今後も参議院の活動に対し、ご理解とご支援をいただくようお願いして、年頭のご挨拶といたします。

参議院議長議長の署名


「ガンバレ!峰崎」と言いたい 財務副大臣の“ぼやき”を聞いてください。

2010年01月04日 20時59分12秒 | 第22回参院選(2010年7月11日)反省の夏
[画像]藤井裕久財務大臣(左)と税制を担当する峰崎直樹・財務副大臣

 政権交代、ディスクロージャー。政治が国民の手に戻りつつあります。

 峰崎直樹財務副大臣(民主党参院議員)はメールマガジンで次のように語りました。

 「実を言えば、小生も改選期を迎える。一部のマスコミの報道にあるように、民主党・道本部からは3期18年を経過しており、勇退してもらいたいという要請を受けている。一方で小生の出身母体である労働組合の連合からは、ぜひとも4期目に出馬してほしい、との要請も受けており、未だに決着がついていない」と明かしました。

 現状として、「今月中には結論を出さざるをえないわけで、なかなか困難な決断を迫られているのが実態である」としました。

 そして、第1次民主党結党に参加したただ一人の現職民主党参院議員としての自負も込めながら、次の文章をしたためました。

 「政権交代が実現したことは、長年の願望であり、民主主義国家として当たり前のことなのだ。そうした中で、一番力を入れてきた税制改革を担当させていただき、これから21世紀のあるべき国家像、その下での税財政構造をどのように作り上げていくべきか、ぜひともその道筋をつけたいという思いが強い」。

 この文章の意味ですが、日本語→日本語に翻訳すると、

 「私、峰崎直樹は4選をめざして第22回参院選に出馬したい」

 という意味です。

 民主党に限らず、税制通・金融通の議員というのは、その分野に疎い議員から「オタク」「帰国子女」のように扱われることがしばしばです。私はよく、「財務・金融」の野党時代の部門会議や委員会を傍聴しましたが、やたらテンション高く攻撃していた野党議員がひとつの質疑をきっかけに大臣と互いを認めあう。たまたま出席した議員は、一から百までちんぷんかんぷんのようです。それが「財務・金融」です。

 でも考えてみてください。税制が分かる人材がいない政権政党などあり得ますか!? とくに民主党が長年取り組んできた「租税特別措置」については、次の税制改正にその論点の99%が持ち越されました。

 私は峰崎さんと面識はありませんし、北海道のこと、自治労のこと、鳩山グループのこと、あまりよく知りません。でも、僕は民主党が好きで、税とは政治なりと考えていて、ディスクロージャーに積極的な人を応援します。だから、言いたいのは、「ガンバレ!峰崎」、そのヒトコトだけです。
 
http://archive.mag2.com/0000187028/index.html

参議院議員 峰崎直樹 NEWS LETTER 755号 副大臣日誌第15号

実を言えば、小生も改選期を迎える。一部のマスコミの報道にあるように、民主党・道本部からは3期18年を経過しており、勇退してもらいたいという要請を受けている。一方で小生の出身母体である労働組合の連合からは、ぜひとも4期目に出馬してほしい、との要請も受けており、未だに決着がついていない。今月中には結論を出さざるをえないわけで、なかなか困難な決断を迫られているのが実態である。政権交代が実現したことは、長年の願望であり、民主主義国家として当たり前のことなのだ。そうした中で、一番力を入れてきた税制改革を担当させていただき、これから21世紀のあるべき国家像、その下での税財政構造をどのように作り上げていくべきか、ぜひともその道筋をつけたいという思いが強い。