【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

鳩山代表が小沢幹事長更迭を検討

2010年01月14日 19時43分33秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導
 民主党の鳩山由紀夫代表は、14日朝、首相官邸で、政治資金問題で国民の信を失いつつある小沢一郎幹事長の更迭について、「今はその考えはない」と述べ、幹事長更迭を検討していることを示唆しました。まあ、「示唆」というのは政治記事用語ですが、“国会日程・参院選をにらんで更迭の時期を検討している”ことを裏付ける重要発言です。

 鳩山代表は、「小沢幹事長の体制でここまでやってきた」「選挙も厳しい中を乗り越えてきたと。それがありますから」と語りました。小沢さんへの功績や恩義があるということでしょう。これは私も同感です。それは分かっているんです。その上で、「私としては今はその考えはありません」としました。

 なお、小沢さんが幹事長になったのは、政権交代後の昨年9月です。

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 NHKニュース7の映像によると、記者とのやりとりは次の通り。

 記者 幹事長という人事を見直す考えはあるんでしょうか?

 総理 「うん、それは今はありません。私としては。小沢幹事長の体制でここまでやってきたと。選挙も厳しい中を乗り越えてきたと。それもありますから。私としては今はその考えはありません」

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 1月13日に小沢一郎さんに関する資料を集めたのですから、資料の目録を作っている間に1月18日(通常国会召集日)を迎えることになります。第174通常国会は、議案と捜査の“並行審議”という二頭立ての馬車に乗ることが確実な情勢です。

 小沢幹事長が続投した場合のメリットはあります。それはより本物を見極めやすくなると言うことです。力のある大臣、例えば、前原誠司国交大臣は淡々と仕事を続けるでしょう。長妻昭厚労大臣も「我、関せず」で仕事をするでしょう。元来、長妻さんは全く党内政局に関心がない人です。菅直人副総理、原口一博総務大臣も情報を仕入れながら素知らぬ顔で元気に振る舞うでしょう。

 その一方で、各種選挙では、力のない候補が逆風を浴びて落選するし、若手議員なんかはブログも書けないという体たらくに陥りながら、次の選挙を迎えことになるかもしれません。本物がより早くそれにふさわしいポジションに行き、偽物がより早く消えていきます。変化の激しい時代、歴史の変わり目はいつもそうです。第22回参院選で民主党が大敗しても、ねじれ国会になるだけで、民主党政権そのものの存在は第46回衆院選に持ち越されます。

 智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈です。とかく「世論」というのは難しいですね。昨今、小沢さんの「国民の生活が第一」という言葉を痛々しく感じるのは、私だけではないでしょう。こんなものは理論や理屈ではどうにもなりません。

 ところで、私は「小沢一郎さんの友人」を知りません。たんにメディアで知られていないだけなんでしょうか。小沢さんは今は愛妻家です。3人の子供も溺愛ではなくそれこそ「子煩悩」です。犬と小鳥が好きです。

 「小沢さんの唯一信じられる友達はお金(土地含む)だけだった」ということではない、そう祈りたいです。