3月13日(日曜日)、「3・11」東北太平洋沖大震災のマグニチュードは「9・0」と気象庁が修正しました。また、政府は同日未明の持ち回り閣議で激甚災害に指定しました。
NHKなどで見ていると、総じて口が重いとされる東北人のみなさんが、ハッキリとマイクにしゃべり、そこに重要な情報が含まれていることが多々あります。例えば、避難所で、家族が助かったかどうかという被災の格差があった近隣住民同士がハッキリとした言葉で、自分が目で見た光景を避難所にいない被災者の家族に話した上で、「がんばれよ」と抱き合う姿もありました。また、津波を見ながら、泣き出すお子さんや、驚きの声を挙げる大人の男性など、感情面もしっかり発露しているようです。
NHKスペシャルでは、東大地震研究所の准教授が、今回の震災(特に津波)について、「(自然の脅威に)やられた」とし、事前の防災計画の想定を超えている、宮城県牡鹿郡女川町に関して、「町を捨て、全員で高台に移住した方がいいのでは」という具体的な個人的提案が出ました。この准教授は、2004年のスマトラ島沖地震(インド洋大津波)の現地視察のときに、「生命と財産のうち、時と場合によっては生命だけを守る決断をしなければならないときがあるな、と感じた」ことも明かしました。
国民の意識が変わってきたような気がします。
午後7時51分過ぎから、菅直人総理が記者会見し、「地震発生から3日目の夜を迎えました」、「国民のみなさまの冷静な行動に感謝と敬意を表します」とし、「約1万2000名を救うことができ」、「自衛隊は陸海空で5万人」、「警察官は全国から2500人」、「消防は1100隊」、「災害派遣医療チーム」が現地入りして救援にあたっており、「食料、毛布などの物資を空路で搬送し、海路で輸送することも検討している」としました。
福島第一原発で運転中だった1、2、3号機のうち、1号機の原子炉に海水を注入するなどして、廃炉も含めた安全確保策が続き、そのプロセスでわずかとはいえ放射性物質が大気に出ることについて、「福島原発は憂慮すべき状態が続いています」とし、東京電力・東北電力の電力不足について、「国民のみなさんにご理解をいただきたい、ご協力をいただきたいことがあります」、「私は東京電力にあすから計画停電(輪番停電)をすることを了承しました」としました。
青い防災服にゆっくりとしっかりとした、噛んで含める口調でメッセージを発する総理には安定感を感じます。総理は、わが国の現状を「戦後65年間で最も厳しい危機だと考えております」としたうえで、「この危機を私たち日本人が乗り越えていけるかどうか、一人一人すべての日本人に問われています」としました。
そして、「私は国民のみなさんが力を合わせることで、必ずや、この危機を乗り越えることができると確信しております」として、国民には「一人一人の(復興にかける)覚悟」を求め、「より良い日本を改めて作りあげようではありませんか」と呼びかけました。
これに先立ち、総理は、蓮舫・節電相を任命し、災害ボランティア受け入れ体制構築担当の総理補佐官に、「民主党・無所属クラブ」衆院議員である辻元清美・前国交副大臣を充てました。
私は、多くの方から、最近の国会状況が第2次世界大戦の前に似ているとの指摘を受けていました。しかし、幸か不幸か、私たちは、身の丈を超えて、日本列島から飛び出していった先の大戦とは違い、日本列島の内側で、先の大戦以来の危機的な災害にみまわれました。今は、グローバリゼーションの時代です。CNNなど24時間ニュースチャンネルも、外国の新聞も、ツイッターも、フェースブックでも、多くの人が日本(JAPAN)に関心と祈り(pray)をくれています。太平洋沖には、わが国の運命共同体であるアメリカの浮沈原子力空母「ロナルド・レーガン」もやってきて、海自の護衛艦とともに救援にあたってくれています。頼もしい限りです。期せずして、早まった第3の開国で、私たちは、この日本列島を再生させていきましょう。
元気な日本を復活させましょう。
まさに、日本国民一人一人にとっての、正念場です。