[写真]山口俊一衆議院議員運営委員長、3年前2019年2月、自民党大会会場で、宮崎信行撮影。
凪の国会は、コロナ高止まり、ウクライナ膠着、円安・原油高の転嫁踏みとどまりもあり、べた凪の国会となりつつあります。与党のノルマである重要法案の連休前の衆議院本会議審議入りも見えてきました。
経済安全保障法案(208閣法37号)が参議院内閣委員会での審議も始まりました。あまり与野党が対立せず肩透かしを食った世論。その理由を、3月16日付の日刊工業新聞に載った、稲葉善治・日本工作機械工業会会長(ファナック会長)のインタビューに探りました。稲葉さんは経済安全保障による輸出規制について「大きなターニングポイント。10年後は立場が逆転する可能性もある」と言及。これがどういうことかというと「従来は西側諸国から中国に規制をかけた」が、EV(電気自動車)とAI(人工知能)に成功した中国が西側に圧力をかけるようになり、日本がふるまわされるリスクが今後10年間にあるかもしれないから、そのことを頭の片隅に入れておこうと業界に促した発言。今回の法案では工作機械の輸出管理規制の日本における国内実施法である外為法の改正条項はすべて閣議決定より前に落ちましたが、有識者が「米中30年冷戦を前提にした法整備」をもくろんだのに、工作機械業界が経産官僚の30年先を歩いていることに気づき、実効性を見いだせず、法案から落としたのかもしれません。
【衆議院本会議 きょう令和4年2022年4月14日(木)】
「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)は「国際関係の緊急時」を書き込むだけの内容ですが、れいわ新選組が反対し、それ以外の会派が賛成して可決し、参議院に送られました。
「外為法改正案」(208閣法60号)は「暗号資産」の定義などを書き込むだけの内容ですが、採決の結果、全会一致で可決し、参議院に送られました。
この後、きょねん10月31日過ぎから小野泰輔議員のマスコミ取材や衆・予算委で話題となった文書交通通信滞在費を日割りにする法案が、寺田学さんらの実務者協議を経て、成案となり、山口俊一議院運営委員長から提案されました。山口委員長は「調査研究広報滞在とする内容だ」と説明。「歳費法及び国会法改正案」(208衆法29号)が採決され、共産党が反対し、自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会・国民民主党・有志の会・れいわ新選組が賛成して可決し、参議院に送られました。採決の際、「維新も賛成」と声を挙げた議員がいました。
「児童福祉法改正案」(208閣法49号)と「それに対する立憲・国民対案」(208衆法28号)が厚労相と岡本あきこ(岡本章子)議員から趣旨説明されました。今国会では初めての国民民主党も提出に加わった対案のため、同党の田中健議員も答弁に立ちました。
【衆議院議院運営委員会 同日】
理事会も含めて、来週火曜日に子ども庁設置法案(208閣法38号など)で、自民・公明の理念法案と立憲の対案、木曜日に刑法改正案(208閣法57号など)を立憲対案の趣旨説明をすることを、決定したり、合意したりしました。
【参議院内閣委員会 同日】
「経済安全保障法案」(208閣法37号)が趣旨説明されただちに法案審査1巡目となりました。ベテラン野党参院議員も小林鷹之大臣のご高見を拝聴という雰囲気になりつつあります。
【衆議院憲法審査会 同日】
今回から「改正国民投票法」の審議となりその1日目。きょねん5月31日に私が書いた記事は、日本維新の会・馬場伸幸幹事長(当時)にも引用ツイートされましたが、CM規制の再改正がないと2024年まで憲法改正発議ができないと読める附則が立憲民主党提案で付け足されたうえで、衆参両院で可決・成立しています。これをめぐり、立憲民主党は、山花郁夫さんが落選しましたので、奥野総一郎さんが「私が提案者だ」とし、CM規制をめぐる国民投票法改正がなければ改憲発議できないと主張。自民党の新藤義孝さんはそれと関係なく、改憲発議ができると主張しました。来週もこの議論が続きます。
【参議院法務委員会 同日】
衆議院側での古川禎久法相の「ウィシュマさんのビデオと報告書の改竄疑惑」の容認と会期内の書面提出発言もあり、参議院側も正常化しました。「裁判所職員定員法改正案」(208閣法12号)は共産・沖縄の風が反対し、自公維国が賛成して可決すべきだと決まりました。あす成立。「裁判官育休法改正案」(208閣法13号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立。
【参議院外交防衛委員会 同日】
一般質疑がありました。きのう参議院憲法審査会に続いて、きょうも羽田次郎・立憲民主党参議院議員が発言・質疑しました。羽田内閣当時にアメリカ留学中で「内閣不信任案提出か」の短波ラジオを聞き、首相公邸のお母さんに「日本に帰国する」と電話したところ、お父さん兼総理大臣に電話が代わり「お前が日本に帰国しても何も変わらないんだから、勉強を続けなさい」と一喝されてから28年。1年前の補選で世襲を批判した質問に「アメリカで、人種差別された経験」で答えたのは私にとっても衝撃でしたが、その経験も踏まえての毎週の2連投だろうと思います。
「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災に係る旅券発給特例法廃止法案」(208閣法30号)が趣旨説明されました。質疑は次回。
【参議院総務委員会 同日】
「地方公務員育休法改正案」(208閣法11号)が趣旨説明されました。
【参議院農林水産委員会 同日】
「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)と「植物防疫法改正案」(208閣法33号)の法案審査は2日目で、1巡目の野党分2時間コースがありました。
【参議院財政金融委員会 同日】
金融再生法の適用状況に関する政府報告に対する一般質疑がありました。
【衆議院総務委員会 同日】
「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)と「維新対案」(208衆法26号)の法案審査1巡目がありました。立憲民主党の鈴木庸之さんが、NHKの首都圏センターの佐渡未和記者の過労死事件について取り上げました。NHKをめぐっては、小池英夫元政治部記者が専務理事兼大阪放送局長に昇進し、正籬聡副会長と元政治部記者が東京も大阪も現場トップの体制になります。この原則を後から知って、20代記者が政治部を志望するのは、少し厄介な気もします。
凪の国会は、コロナ高止まり、ウクライナ膠着、円安・原油高の転嫁踏みとどまりもあり、べた凪の国会となりつつあります。与党のノルマである重要法案の連休前の衆議院本会議審議入りも見えてきました。
経済安全保障法案(208閣法37号)が参議院内閣委員会での審議も始まりました。あまり与野党が対立せず肩透かしを食った世論。その理由を、3月16日付の日刊工業新聞に載った、稲葉善治・日本工作機械工業会会長(ファナック会長)のインタビューに探りました。稲葉さんは経済安全保障による輸出規制について「大きなターニングポイント。10年後は立場が逆転する可能性もある」と言及。これがどういうことかというと「従来は西側諸国から中国に規制をかけた」が、EV(電気自動車)とAI(人工知能)に成功した中国が西側に圧力をかけるようになり、日本がふるまわされるリスクが今後10年間にあるかもしれないから、そのことを頭の片隅に入れておこうと業界に促した発言。今回の法案では工作機械の輸出管理規制の日本における国内実施法である外為法の改正条項はすべて閣議決定より前に落ちましたが、有識者が「米中30年冷戦を前提にした法整備」をもくろんだのに、工作機械業界が経産官僚の30年先を歩いていることに気づき、実効性を見いだせず、法案から落としたのかもしれません。
【衆議院本会議 きょう令和4年2022年4月14日(木)】
「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)は「国際関係の緊急時」を書き込むだけの内容ですが、れいわ新選組が反対し、それ以外の会派が賛成して可決し、参議院に送られました。
「外為法改正案」(208閣法60号)は「暗号資産」の定義などを書き込むだけの内容ですが、採決の結果、全会一致で可決し、参議院に送られました。
この後、きょねん10月31日過ぎから小野泰輔議員のマスコミ取材や衆・予算委で話題となった文書交通通信滞在費を日割りにする法案が、寺田学さんらの実務者協議を経て、成案となり、山口俊一議院運営委員長から提案されました。山口委員長は「調査研究広報滞在とする内容だ」と説明。「歳費法及び国会法改正案」(208衆法29号)が採決され、共産党が反対し、自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会・国民民主党・有志の会・れいわ新選組が賛成して可決し、参議院に送られました。採決の際、「維新も賛成」と声を挙げた議員がいました。
「児童福祉法改正案」(208閣法49号)と「それに対する立憲・国民対案」(208衆法28号)が厚労相と岡本あきこ(岡本章子)議員から趣旨説明されました。今国会では初めての国民民主党も提出に加わった対案のため、同党の田中健議員も答弁に立ちました。
【衆議院議院運営委員会 同日】
理事会も含めて、来週火曜日に子ども庁設置法案(208閣法38号など)で、自民・公明の理念法案と立憲の対案、木曜日に刑法改正案(208閣法57号など)を立憲対案の趣旨説明をすることを、決定したり、合意したりしました。
【参議院内閣委員会 同日】
「経済安全保障法案」(208閣法37号)が趣旨説明されただちに法案審査1巡目となりました。ベテラン野党参院議員も小林鷹之大臣のご高見を拝聴という雰囲気になりつつあります。
【衆議院憲法審査会 同日】
今回から「改正国民投票法」の審議となりその1日目。きょねん5月31日に私が書いた記事は、日本維新の会・馬場伸幸幹事長(当時)にも引用ツイートされましたが、CM規制の再改正がないと2024年まで憲法改正発議ができないと読める附則が立憲民主党提案で付け足されたうえで、衆参両院で可決・成立しています。これをめぐり、立憲民主党は、山花郁夫さんが落選しましたので、奥野総一郎さんが「私が提案者だ」とし、CM規制をめぐる国民投票法改正がなければ改憲発議できないと主張。自民党の新藤義孝さんはそれと関係なく、改憲発議ができると主張しました。来週もこの議論が続きます。
【参議院法務委員会 同日】
衆議院側での古川禎久法相の「ウィシュマさんのビデオと報告書の改竄疑惑」の容認と会期内の書面提出発言もあり、参議院側も正常化しました。「裁判所職員定員法改正案」(208閣法12号)は共産・沖縄の風が反対し、自公維国が賛成して可決すべきだと決まりました。あす成立。「裁判官育休法改正案」(208閣法13号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立。
【参議院外交防衛委員会 同日】
一般質疑がありました。きのう参議院憲法審査会に続いて、きょうも羽田次郎・立憲民主党参議院議員が発言・質疑しました。羽田内閣当時にアメリカ留学中で「内閣不信任案提出か」の短波ラジオを聞き、首相公邸のお母さんに「日本に帰国する」と電話したところ、お父さん兼総理大臣に電話が代わり「お前が日本に帰国しても何も変わらないんだから、勉強を続けなさい」と一喝されてから28年。1年前の補選で世襲を批判した質問に「アメリカで、人種差別された経験」で答えたのは私にとっても衝撃でしたが、その経験も踏まえての毎週の2連投だろうと思います。
「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災に係る旅券発給特例法廃止法案」(208閣法30号)が趣旨説明されました。質疑は次回。
【参議院総務委員会 同日】
「地方公務員育休法改正案」(208閣法11号)が趣旨説明されました。
【参議院農林水産委員会 同日】
「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)と「植物防疫法改正案」(208閣法33号)の法案審査は2日目で、1巡目の野党分2時間コースがありました。
【参議院財政金融委員会 同日】
金融再生法の適用状況に関する政府報告に対する一般質疑がありました。
【衆議院総務委員会 同日】
「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)と「維新対案」(208衆法26号)の法案審査1巡目がありました。立憲民主党の鈴木庸之さんが、NHKの首都圏センターの佐渡未和記者の過労死事件について取り上げました。NHKをめぐっては、小池英夫元政治部記者が専務理事兼大阪放送局長に昇進し、正籬聡副会長と元政治部記者が東京も大阪も現場トップの体制になります。この原則を後から知って、20代記者が政治部を志望するのは、少し厄介な気もします。
Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。