宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

野党の追及で、陸上自衛隊の陸将補が、前女性自衛官に頭を下げて謝罪、「口止めの経緯」「再発防止」さらに追及、維新も顔を出す

2022年09月29日 22時28分00秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
[写真]前陸上自衛官の五ノ井里奈さん(左)に頭を下げて詫びる、藤岡史生・陸上幕僚監部人事教育部長(右)と防衛省人事教育局長(中央)、衆議院第一議員会館の地下1階第2会議室、さきほど2022年9月29日午後5時過ぎ、宮崎信行撮影。

 野党の攻撃を受けて、陸上自衛隊の陸将補が、前陸上自衛官の23歳の女性に頭を下げて謝罪しました。

 前陸上自衛官の五ノ井里奈さんは、隊舎でセクハラを受け転勤したのに不十分な対応で退職を強要されたりた口止め工作をされたりしたとツイッターなどで声を上げて、4年ぶりの特別防衛監察が始まりましたが、途中ですが、きょう、陸上幕僚長が市ヶ谷で記者会見をして、セクハラを認めて、謝罪を口にしました。

 サポートしてきた立憲民主党の原口一博、岡本あき子衆議院議員らが会議室をとり、午後5時に、防衛省局長と陸幕部長がやってきて、五ノ井さんに直接謝罪しました。局長は「押し倒すなどの行為もあった」と言っていましたので、セクハラではなく性犯罪の被害者である公算が高く、陸自は刑事告訴・懲戒処分・再発防止など多くの宿題をかかえました。

 会合では五ノ井さんが、陸自での転勤は再び顔を合わせることもあるし、退職時に親の同意書などを提出するのは、口止めの意味合いも感じたと指摘。

 自衛隊は、統合幕僚監部に4部長、陸上幕僚監部に6部長いますが、そのうち、陸幕の2番目の部長である、藤岡陸将補(防大36期)は退職時の親の同意書の文面は、廃止も含めて検討することをこの場で確約しました。

 会合には、日本維新の会の金村龍那さん、共産党の本村伸子さん、宮本徹さん、れいわ新選組の櫛渕万里さんと「立・維・共・れ」の4野党から6衆議院議員が登場。五ノ井さんの話を持って聞き、再発防止のために有識者会議にも入ってもらうべきだという意見が出されました。




[写真]前陸上自衛官の五ノ井里奈さん(左)に頭を下げて詫びる、藤岡史生・陸上幕僚監部人事教育部長(右)と防衛省人事教育局長(中央)、衆議院第一議員会館の地下1階第2会議室、さきほど2022年9月29日午後5時過ぎ、宮崎信行撮影。


[写真]左から共産党の本村伸子さん、宮本徹さん、れいわ新選組の櫛渕万里さん、日本維新の会の金村龍那さん、立憲民主党の岡本あきこさん、原口一博さん、前陸上自衛官の五ノ井里奈さん、防衛省の人事教育局長、陸幕の人事教育部長、衆議院第一議員会館の地下1階第2会議室、さきほど2022年9月29日午後5時過ぎ、宮崎信行撮影。

 「すべての人に居場所と出番を」という枝野幸男さんの絶叫から5年経っても、一向に小選挙区で過半数をとる選挙は当面実現しそうもありません。

 第26回参院選を受けてこれから3年間、衆議院で465人中293人、参議院で248人中139人が自公という一強巨大与党体制は引き続き絶対変わらないわけですが、とりあえず、野党の追及で陸将補が議員会館内で頭を下げるという歴史的な場面からスタートしました。

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Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

12月10日(土)までの第210回臨時国会で、泉健太「次の内閣」経済対策の提案を指示、「廊下鳶」15名側耳を立てる

2022年09月29日 21時22分24秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
 立憲民主党は「次の内閣」を開きました。

 与野党は、第210回臨時国会の会期を、令和4年2022年10月3日(月)から12月10日(土)までの69日間とすることを、きのうの議院運営委第2ラウンドで合意。政府は11月に入ってから、第2次補正予算案を出すという極めていびつな国会になります。

 この間隙を受けて、泉健太代表のもと復活した「次の内閣」はきょう令和4年2022年9月29日(木)午後4時から第2回会合を開き、泉ネクスト首相は「生活氷河期だ」として、経済対策の提案をまとめるよう指示しました。

泉健太 大西健介 次の内閣 20220929

 筆者は、「政調審議会」を、前身政党で直島正行会長・長妻昭会長代理だった時代以来14年ぶりに取材しました。そのため対比はできませんが、最近国会内でほとんど見かけなかった廊下鳶15名と出くわしました。

 廊下鳶とは、1府12省で、官房配属の20代キャリアだったり、国会連絡室につとめるノンキャリアなどエース職員。1府12省から、15名(男性12名、女性3名)ほどの廊下鳶が会議室の頭撮りをのぞいて、泉さんの発言をメモ合わせしていたようです。他の取材で、長妻昭ネクスト官房長官のブリーフィングを聞けませんでしたが、長妻代理時代に、国会内衆・第14控室ののネクスト閣議を廊下鳶が聞いているので、党本部ビルに移したことがありました。政権交代1年前だと思います。これにより、直島経産大臣、長妻厚生労働大臣らのリアル内閣への円滑な政権移行を妨げました。

 ところで、廊下鳶とは、港区新橋1丁目の料亭で、芸者部屋から芸者部屋へと渡り歩く男性客を、廊下鳶と呼んだ隠語だそう。ジェンダー無視の下品な由来だそうです。現在は同地に料亭は全くなく、新幹線・山手線で隣(皇居から見ると外側)の中央区銀座9丁目の雑居ビルで営業を続けている人もわずかにいます。また、国会周りの仕事でも、さすがに芸者ではありませんが、口が堅くて小回りが利くバイプレーヤーとして与野党を支えるスタッフもいます。

 さて、今後の国会。あす9月30日(金)の8時半から、衆議院経済産業委員会の一般的質疑「経済情勢」集中審議3時間コースがあります。先の通常国会での与野党対立で積み残しになった日程です。ここで、「西村康稔大臣マニュアル野党国対合同ヒアリング」の結果の反映や、電気料金、福島原発処理水、中小企業事業承継などが問われます。衆議院が100日ぶりに一気に眠りから覚めるという印象になります。

 まあ2年間、各党とも何も変わらないと思いますが、突然何かが起こるかもしれません。ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記は、コロナ前よりページビュー1・6倍増。宮崎信行はオーナー社長昇格4年で、誰からも叱られないストレスフリーな日々を過ごしています。銀行団からも国税庁からも叱られない幸福な毎日。これからの自民党一強政治を、ほのかな政権交代の希望の光を見つつ、粘り強く淡々と報じ続けます。

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