【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

10増10減法案が衆議院委員会を通過し、年内にも施行へ 「速やかな協議会」附帯決議

2022年11月08日 17時10分39秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 2020年国勢調査(コロナで4か月遅れ)の結果を反映した「衆議院選挙区の10増10減区割り法案」(210閣法15号)が先ほど(2022年11月8日)の衆議院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会で賛成多数で可決すべきだと決まりました。今後、本会議や参議院で審議されますが、今年中の成立は確実で、公布から1か月後、2023年の正月に前後した時期に早くも施行されます。

 採決では共産党が「小選挙区制は間違いだった」と反対しました。

 全文が政府提出通りに可決しましたが、これとは別に、自公立維など各党が附帯決議を付けるべきだとしました。

 この中で、「国会議員を選出する選挙制度は重要な課題のため不断に見直していくべきものであり、人口減少や地域間格差が拡大している現状を踏まえつつ、立法府のあり方を含め、議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りのあり方等に関し国会において抜本的な検討を行う」としました。

 そのうえで、「当該検討にあたっては速やかに与野党間で協議の場を設置し、円満かつ公正公平な上の元十分な議論を行い、次回の令和7年国勢調査の結果が判明する時点を目途に具体的な結論を得るよう努力するものとする」とくぎを刺しました。

 このため、参議院での審議後に「与野党の協議の場」が年内にも設置され、次の「簡易国勢調査」である2025年10月の国勢調査よりも前に結論を出すことになりました。

 1994年に細川護熙・羽田孜内閣で、衆議院区割り審設置法など政治改革4法が成立して以降、供託金没収者の比例復活当選を禁じた法改正にとどまっており、30年ぶりの抜本改正の機運につながることもありそうです。

以上です。



岸田インフレはシュールな展開で差し押さえ禁止法案が議了第1号あす成立、統一教会は急転、政府が法案提出へ

2022年11月08日 15時30分08秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
15時半公開の速報暫定版。17時追記し、更新終了。

[写真]河野太郎消費者相、5年前の2017年、都内で、宮崎信行撮影。

 無料の媒体はとことん使いたおすことで知られる、岡田克也幹事長(69歳)がNHK日曜討論で「週内の与野党党首会談」を発信し、急転。岸田文雄首相が山口那津男公明党代表とこの後会談して、今国会の政府法案提出を決定するようです。とはいえ、国民生活センターや法テラスの設置法に専用窓口設置を設けてお茶を濁すようでは、覚悟を問われそうです。

 コロナ禍で世界は動き出しましたが、第2次補正予算案を持ち回りで決定。第210回臨時国会の参議院委員会議了第1号は「差し押さえ禁止法案」(210衆法9号)となりました。総務省はさきほど今年の7ー9月期に正社員が21万人減り非正規が49万人増えたとの分析を発表。銀行員出身の岸田インフレ経済で差し押さえ禁止法案が第1号となりそうなシュールな国会運営となりました。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年11月8日(火)】
 「感染症法改正案」(210閣法5号)が共れ反対、自公立国維賛成多数で修正可決し、参議院に送られました。知事の増床要請に野党提案の反ワクチン情報提供や5類引き下げの検討条項2つがつきました。
 「マネロン・テロ資金対策のFATF第4次勧告の実施法案」(210閣法16号)は6法律の束ね法案で、谷公一国務大臣(国家公安委員長・災害担当相兼務)から趣旨説明され、代表質問がありました。

【参議院第1種常任委員会 同日】
●参議院内閣委員会「令和四年度電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金に係る差押禁止等に関する法律案」(210衆法9号)を全会一致で可決すべきだと決めました。その後に「一般職国家公務員給与法改正案」(210閣法1号)と「特別職国家公務員給与法改正案」(210閣法2号)が趣旨説明され、質疑は次回に持ち越し、散会しました。
●参議院外交防衛委員会「防衛省職員給与法改正案」(210閣法8号)が審議入り。
●参議院法務委員会「裁判官給与法改正案」(210閣法3号)と「検察官給与法改正案」(210閣法4号)を趣旨説明。
●参議院厚生労働委員会は一般質疑をして、衆・本より前に散会。
●参議院農林水産委員会「競馬法改正案」(210閣法7号)の趣旨説明。
●参議院経済産業委員会「ガス事業法及びJOGMEC法改正案」(210閣法13号)の審議入り。
●参議院国土交通委員会は蓮舫委員長が議事進行して「港湾法改正案」(210閣法14号)の趣旨説明がありました。
●参議院総務、財政金融、文教科学、環境委員会は開かれませんでした。

【衆議院政治倫理・公選法改正特別委員会 同日】
 「2020年国勢調査による新区割りを反映した衆議院10増10減の公職選挙法改正案」(210閣法15号)を採決。[追記1700]共反対、自公立維などの賛成多数で可決すべきだと決めました。[追記終わり]

 質疑では、後藤祐一さんが、寺田稔総務大臣の団体が「宏池会」に寄付したのに記載がないと指摘。寺田さんは「以正会」ではなく「みのる会」の寄付で、それを宏池会担当者が間違えたが既に退職したと答弁しました。

 区割りをめぐっては、立憲民主党の桜井周さんが「1人あたりの納税額が東京と鳥取で10倍以上違う」「兵庫県で過疎地と都市部の区割りを単純に人口だけで割っているきらいがある」などと指摘。落合貴之さんは「世田谷区で町の途中で出張所が変わる地域があるが反映されていない」「法律の別表第一で、北海道札幌市は住居表示が番まで書き込まれているのに他は違う」などの指摘がありました。

 また、地方自治法をめぐって、第33次地方制度調査会が「地方議会を置く」規定に加えて、地方議会の目的や理念をいれた条文を新しくつくるよう提言を受けており、来年にも改正法案が提出する見通しが、質疑のやりとりで明らかになりました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】
 稲田朋美委員長のもと河野太郎大臣の所信的あいさつと政府報告がありました。

【衆議院法務委員会 同日】
 「民法家族法包括改正法案」(210閣法12号)の参考人質疑1回目。無戸籍の子の問題を指摘してきた井戸正枝・元民主党衆議院議員は、無戸籍問題の当事者が呼ばれていないとSNSで問題提起しました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】
 大臣の所信的あいさつと委員派遣の報告。

●衆議院憲法審査会の幹事懇談会がありました。
●衆議院の科学技術特別、復興特別、原子力問題調査特別、地方創生特別の委員会の理事懇談会がありました。

【立憲民主党・日本維新の会2幹2国2政】
 「立維2幹2国2政」が立ち上がり、常任委員室で会談。立維の「悪質多額献金被害者救済法案」(210衆法4号)の修正4党協議に関連して、自公に対して15日までに法案を示すよう求めることで一致しました。

【与党党首会談】
 その後、与党党首会談を開き、閣法提出で一致する見通し。

【定例閣議・持ち回り閣議】
 閣議で、第2次補正予算案を決定のはこび。

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