[画像]与党としては異例の大臣批判に終始する茂木派の津島淳・元法務副大臣、きょう2022年11月11日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【衆議院法務委員会 きょう令和4年2022年11月11日(金)】
「死刑」を冗談に使ったスピーチで、葉梨康弘法相が更迭に追い込まれました。岸田内閣の大臣辞任はこれで合計2名。首相は午後3時だった外遊出発を10時間送らせました。
午前9時からおよそ4時間の法務委員会は異例の展開となりました。9時に質問に立った津島淳さんは「正直なぜ今日この場に立って審議を行うことに私、残念な思いでこの場にいるという、その心中ぜひ大事にさせていただきたいなと思うんです」「全部目を通したうえで、理解をしたうえで、やはり申し上げたい。これは前任の副大臣であった立場で法務行政に関わってきたもの、そして今公務員として大臣と議論をさせていただく」とこの10年間の自民党政権で最も辛辣な身内批判からスタート。「与党議員に拍手がない異様な雰囲気だった」と後で質問した寺田学・野党筆頭理事は語りました。
茂木敏充幹事長率いる茂木派がアクセルを付加しており、統一教会被害者救済の4党協議は、若宮健嗣前消費者相と宮崎政久議員の「茂木派」コンビが時間を費やしています。そして、きょう発足した国民民主党との3党協議では、山下貴司元法相と宮崎氏が起用されました。山下さんは石破波を退会しているので、隠れ茂木派だと思われます。
津島さんは「人間失格」の太宰治の実孫。津島派元会長の津島雄二さんは婿です。そして、葉梨法相は、家田荘子「代議士の妻たち」に登場する葉梨信行元国家公安委員長の婿。実孫が婿を快く思わない心の闇が、修羅場で、前副大臣が大臣をさす行動につながったように思えます。そして後任には斎藤健元農相がつくことになりましたが、この人も石破派退会者なので、隠れ茂木派なのでしょう。
さて、私は朝9時は、こたつ部屋兼寝室で見て、10時半からの泉健太代表の記者会見に出て、法務委員会の部屋に移ったので、11時ごろに鎌田さゆり次席理事が死刑の手記を読み上げた頃には委員会室にいました。寺田さんは「異様な雰囲気だ」と指摘。ここで、森山浩行・国対副委員長が入室し、「首相が近く判断」としたフジテレビの報道をメモで渡しました。森山さんは後で私に電話して「法務委いた」とし、自民側に動揺が広がったように見えたとの感想を述べました。私は、自民側がまったく動揺しない異様な光景だったように思えましたが、よほど葉梨さんは人望が無かったのでしょう。ちなみに、議員会館の入り口で、寺崎雄介・前神奈川選挙区候補とばったりでくわしたのですが、森山さんが寺崎さんを囲んだ勉強会を立ち上げてくれることになり、昼のうちから議員会館をあいさつ回りしていたとのこと。寺崎さんはやせていたけど精悍でした。
[写真]自宅から国会に移動する途中の東京駅・丸の内北口で、コロナの次の波の到来はあまり予見させない街並み。
【参議院本会議 同日】
「感染症法改正案」(210閣法5号)が趣旨説明され、岸田文雄首相と葉梨康弘法相らがひな壇に並び、答弁しました。
この後、採決。
「一般職国家公務員給与法」(210閣法1号)と「特別職国家公務員給与法」(210閣法2号)は、維新・れいわが反対し、自公立国共などの賛成多数で可決し、成立しました。
「防衛省自衛隊職員給与法」(210閣法8号)はれいわが反対し、自公立維国共が賛成して可決し、成立しました。
「改正競馬法」(210閣法7号)は全会一致で可決し、成立しました。
「ガス事業法及びJOGMEC法を改正する法律」(210閣法13号)は共産・れいわが反対し、自公立維国が賛成して可決し、成立しました。衆議院では有志の会も反対に回っています。
「改正港湾法」(210閣法14号)は共産・れいわが反対し、自公立維国の賛成多数で可決し、成立しました。
「改正国会議員秘書給与法」(210衆法10号)は維新・れいわが反対し、自公立国共の賛成多数で可決し、成立しました。
人事院勧告は国会議員は不実施。「検察官」は委員会でとまっています。
本会議では、この後、「第20回統一地方選特例法」(210閣法10号)が全会一致で可決し、成立しました。
「改正最高裁国民審査法」(210閣法11号)も全会一致で可決し、成立しました。
この後、石井準一議院運営委員長が登壇し、参改協、「参議院の組織及び運営の改革に関する協議会」の設置が図られ、議決しました。
【衆議院内閣委員会 同日】
「マネロン・テロ資金対策のHATTF第4次勧告実施の6法律一括改正法案」(210閣法16号)が共産・れいわが反対し、自公立維国が賛成して可決すべきだと決まりました。次回は16日(水)9時。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
「障害者総合支援法・精神保健法・難病医療法などの一括改正法案」(210閣法17号)と「立憲民主党の対案」(210衆法11号)の審議が続きました。
【衆議院外務委員会 同日】
一般質疑がありました。
【参議院ODA・沖縄北方特別委員会 同日】
三原じゅん子委員長が取り仕切り、大臣2名があいさつ。ODA特別委員会は参議院側にしか存在しません。
【参議院政治倫理の確立及び選挙制度改革に関する特別委員会 同日】
「10増10減法案」(210閣法15号)が寺田稔総務大臣から趣旨説明されました。
●来週の予定
14日(月曜日)の午後1時の参議院行政監視委員会は予定通り開かれる見通しで、寺田稔総務大臣が答弁します。それ以外は、与野党国対委員長会談などで協議されることになります。
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