【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【令和2年人勧】コロナ禍の人事院勧告なされるも「ボーナスマイナス」だけで「月給」は異例の先送り、臨時国会は「ボーナスマイナスだけ実施給与法案」提出にとどまる兆しも

2020年10月08日 03時37分24秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]人事院(手前右)からのぞむ、衆議院第二議員会館(左奥)、今夏、宮崎信行撮影。

 コロナ禍の民間給与を反映した「令和2年人事院勧告」がきのう7日が出ました。「ボーナスを0・05か月分マイナス(4・45月分)する」としただけで、「月例給については、調査結果に基づき改めて」と先送りしました。

 与党は26日(月)から50日間程度の臨時国会に10本弱の法案を出す予定で、ボーナスのマイナス人勧を反映する、「一般職」、「特別職」、「自衛隊」、「裁判官」、「検察官」などの5、6つの給与法案を提出し、「国会議員」、「国会秘書」の2法案が議員立法されるのではないでしょうか。

 但し、成立しても、ボーナスを0・05か月分引き下げるだけで、金額は軽微だと思われます。なので、月給のおそらくマイナスは来年に先送りしてしまおう。そういう姑息な人事院給与局周りの官僚のサボタージュを感じます。

 なぜ、私がこのことにこだわるのかは何度も書いていますが、10年前の前回「マイナス人勧」。私が与党第1党の岡田克也前幹事長(当時の肩書)の側近ジャーナリストであることは知る人はみんな知っている状態でしたが、岡田さんが「民主党行政調査会長」という肩書になった秋の臨時国会でマイナスの人勧の法案が審議未了で成立せず、ボーナスが7万円前後増えるという大ハプニングが起きました。年末の予想外の7万円は大きいです。明けて、岡田さんが公務員制度担当の副総理兼大臣になりました。このとき、総務省の人事・恩給局長(廃止され官僚は内閣人事局に移籍)が、私の姿を議員会館内で見て走って逃げました。その13年前に「総務庁行政監察局監察官」と「日経記者」の立場でとてもお世話になった官僚です。記者は、走って逃げる人は、走って追いかけることになっていますので、追いかけて「田中局長!」と声をかけると、開口一番、「国家公務員法改正案が臨時国会で廃案になってすみませんでした」と謝罪を受けました。36歳の私は謙虚な性格なのに当時はそれほどの権勢があったようですが、10年経って46歳の私はだいぶ落ちたようが気がしますが、底堅い影響力は保っています。田中局長はその後次官級審議官に出世した後、退職しました。自治労の県本幹部に聞くと、その当時は、人事院、総務省人事・恩給局に加えて、自治労本部や自治労組織内議員も「廃案」で結託していたそうです。

 私はインフレ主義者なので、コロナ禍であっても、給与下げは好ましくないと考えます。

 但し、ボーナス0・05カ月下げの実施法案だけ出して、月給マイナスの法案は来年の国会に先送りとなると、労働生産性が低いのではないでしょうか。

 給与法案を26日に内閣が提出するかどうかは、私はまだ取材し終えておらず、詳細は変わるかもしれません。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki


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