宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【6/7のまとめと今後】JOC経理部長自さつか、延長と補正予算案はゼロ回答、コロナ患者郵便投票法案が可決、あす日印ACSAの条約承認案先送り

2021年06月07日 23時35分59秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]国立競技場、きょねん2020年12月、宮崎信行撮影。

 1985年フィリピン市民革命は、JNN報道特集「アキノ上院議員白昼の射殺」で報じられた内容と、マルコス政権の説明が違うことで、TBS海賊版が広く流通したことが決め手となりました。先週末、JNN報道特集がオリンピックと電通・東急エージェンシーへの過大過ぎる金の流れを組織委職員が告発。明けて月曜朝、常設組織「公益財団法人JOC日本オリンピック委員会」の経理部長(52歳、埼玉県立浦和高校から法大を経て就職)が、都営地下鉄に飛び込み、死亡する展開となりました。警視庁などは自さつか他さつか判断できてないようです。1985年はあの素晴らしいモノづくりの日本と、フィリピン政権とで言っていることが違ったときに、JNN報道特集を信じるというフィリピン市民が多かったわけですが、2021年は何も信じるものがない日本人が多いかもしれません。

【参議院決算委員会 きょう令和3年2021年6月7日(月)】

 「令和元年度決算承認案」は共反対、自公立などの賛成で承認すべきだと決まりました。あさって本会議で承認へ。ことしも通常国会中にはまりました。

 総括質疑は、首相ら全閣僚が出て、テレビ入りで開かれました。自民党石破派で自治省出身の舞立昇治さんは「質問の機会を与えてくれた関口昌一会長と世耕弘成幹事長らに感謝します」とし、インフレが年2%になるまで、国債を発行し続けるべきだとしました。JR民営化を見直すべきだとも主張しました。

 立憲民主党の福山哲郎幹事長は、会期延長を迫りました。6月16日の会期末の後、緊急事態宣言が6月20日に期限切れとなることをめぐる国会事前報告では、西村大臣は、国会がお決めになることとしつつ、これまでも議運で答弁してきた、とお茶を濁しました。補正予算案をめぐっては、麻生太郎財務大臣が「第3次補正予算のうち30兆円を繰り越した」とし、当面必要がないとの認識を示しました。今年度当初予算の予備費5兆円(のうち未執行は4兆円弱)のほかに、30兆円を執行できると主張しました。この額については、これまで財務省主計局が「20兆円」と与党議員にご説明に上がっていると噂されていましたが、30兆円だったようです。

 公明党議員は、先週まとめった、農林水産省のアキタフーズ代表と西川公也・吉川貴盛元農相・河井克行前議員・枝元事務次官らの接待問題の報告書を冒頭から取り上げました。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 同日】

 先週木曜日に提出された「特定患者等の郵便等を用いて行う投票方法特例法案」(204衆法32号)が審議されました。

 提出者の逢沢一郎さんは「新型コロナウイルス感染症により、自宅や療養施設で治療している人」について「現在全国で5万人だと聞いている」としました。提案の説明で「聞いている」というのは珍しい言い方となります。そして、法案の「特定患者等」とは、コロナの罹患者のほか、入国に際して自宅隔離など外出自粛要請をされて投票所に足を運べない人だと定義。特定患者等である書面をもって投票用紙を請求することで、郵便投票が可能になるとしました。施行日は公布日の5日後。

 立憲民主党の篠原孝さんや森山浩行さんらが質問。公明党の佐藤茂樹さんは「郵便投票がかつてあったのに廃止されたのは、不正が横行したからだ」
と答弁しました。全国で5万人なら、都議選で5000人、都議選の1選挙区あたり200人とかになるので、最下位当選者が入れ替わりかねないほどの影響はある計算になります。

 採決で、立憲民主党提出の修正案は否決。原案は立共反対、自公国維の賛成多数で可決すべきだと決まりました。すぐに施行ながらも附帯決議がつきました。

●あすの予定

 参議院の外交防衛委員会があす開かれません。このため、5月19日(火)に衆議院を通過した「日印ACSA承認案」(204条約3号)の参議院での審議入りがさらに遅れる公算となり、参議院で会期内に議了できなくなるかもしれません。日印ACSAの承認を前提にした国内実施法は4月21日(水)に成立しており、参考資料で「イギリス」と「カナダ」を取り違えながらも法律はできていますが、その前提になる条約承認が遅れていることになります。

 衆議院本会議はあります。農水省よりもはるかに悪質・深刻で今後の政策に影響を与える総務省情報流通行政局と東北新社とNTTグループの接待問題の報告書に対する集中審議があります。

 あさって水曜日午後4時の党首討論の後に、内閣不信任案が提出された場合は、6/10木曜日午後1時には早々に本会議が開かれると思われます。その日程が議了したら、今国会で衆議院での採決などはなされないと考えられます。

 気になる内閣不信任案の見通しですが、仮に提出された場合は、自民党と公明党が石破茂さんも含めた一致団結の大多数で反対票を投じて、必ず否決されます。

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