【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

憲法審開催は見送りで、所信表明の防衛相「従来の延長線でない中期防衛力整備計画つくる」農相「貿易交渉は他省と連携、水田フル活用、スマート農業、海面利用の法案審議を」

2018年11月08日 13時41分02秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 [写真]岸信夫・衆議院安全保障委員長、2018年11月8日、衆議院インターネット審議中継から宮崎信行がキャプチャ。

 木曜日は衆議院本会議の定例日ですが、「出入国管理法など改正案」(197閣法1号)の審議入りが続投した辻元清美国対委員長の抵抗で先送りになりました。同時に、木曜日は衆議院憲法審査会の定例日。しかし、ありませんでした。残り会期が1か月で、どうやって衆参で改憲発議にもっていくのか。元々「96条先行改正」と言っていた安倍晋三首相(自民党総裁)ですが、岸信介内閣からの野望である集団的自衛権を解禁できたから、もう、いいんじゃないでしょうか。

●衆議院本会議は無し。

 上述の通り、与野党間で審議入り法案の調整がつかず、きょうは設定されませんでした。

●衆議院憲法審査会は無し。

 上述の通り、理事(幹事)の日程調整が整わず、設定されませんでした。

●大臣所信表明。

 初入閣である、吉川貴盛農林水産大臣と岩屋毅防衛大臣が所信を演説しました。これで、法案が審議される予定のうち、内閣、農水、安全保障の各委員会で所信が表明されました。法案があり新閣僚となると、法務だけが常任委員会で未開催となっています。あすは「地雷大臣」が3人以上いる内閣委員会の一般質疑がありますが、午後の園遊会の時間帯は休戦。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 集団的自衛権を解禁したことを、直後に、日本の外務副大臣としてアメリカに「報告」した安倍首相の実弟、岸信夫さんが委員長になり、あいさつしました。
 
 岩屋毅防衛大臣は、まず、12月に閣議決定する防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画について5年前と比べて「電磁波攻撃などの新しい分野で備えが必要となっている。専守防衛は当然として堅持するが、従来の延長線上ではない、真に必要な防衛力を見定める」と語りました。日米統合のサイバー防衛などでの予算拡大を示唆したものですが、イージスアショアや次期主力戦闘機については発言しませんでした。

 岩屋さんは続いて、日米同盟、沖縄基地問題、防衛省の公文書管理に言及。この後、「防衛省自衛隊給与法改正案」(197閣法10号)について、「ご審議のほどよろしくお願いします」と語り、演説を終えました。

 続いて、河野太郎外相が出席しましたが、「元島民が元気なうちに北方四島の帰属と領土の確定に努める」などと語り、現状の安全保障からすると見当違いな話で、外務省の大臣周りも、出席委員会が多くて原稿を書くのに苦労していると感じました。

 新進党や民主党に所属しながら、自民党に移籍した裏切り者の、鈴木貴子、山田宏両大臣政務官もあいさつしました。次回は、来週13日火曜日の午前9時から一般質疑。散会。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 吉川貴盛・農林水産大臣の所信表明。同僚の拍手が他の大臣よりも多かった印象でした。

 吉川さんはまず一連の災害に言及し、「ため池の改良などの災害対策のため集中計画3年間を今後進めていく」と強調。この後、「農林水産業は、地域の経済を支えるために大きな働きをしている」としました。「先人の努力で築き上げられたものだ」としながらも、「世界に評価される和食や、美しい水田風景など、魅力ある成長産業にしていく」ことが次世代への継承につながるとしました。吉川さんは「次世代の担い手育成」が最優先としながら「農地集積のみなおしなどで生産基盤を強化すること」が大事だとし、「水利施設やため池の耐震化対策を進め、資材産業の再編、減反廃止による水田フル活用に向けて支援していく」としました。

 私が、首相の所信表明演説で気になった「水田フル活用」が農相の所信表明でも出てきました。吉川農相は、二階派の所属で、二階俊博さんが農地改良の団体の会長をしています。ため池は全国にあるわけではありません。ため池が歴史的に多い香川県2区選出の、玉木雄一郎・国民民主党代表は、「内陸津波の防止」と名付けてため池の耐震化構想を野党側でリードしてきました。しかし、野党はJA改革に否定的な議員ばかりで、玉木さんは、今の農政には、分断されているという感じがします。

 吉川農相の所信に戻ります。「省として、農家の所得向上に全力投球できるようJAグループの改革に協力する」としながらも「AI、ロボット、ドローンの世界トップレベルの技術をいかした、スマート農業を一層強力に推進する」と語りました。私は、スマート農業、という言葉は初めて聞きました。

 農相は自由貿易交渉について国内農家の保護を明確にしつつも、TAGについて「日本側の主張が尊重されるよう、関係省庁と連携する」とややあいまいなことを言いました。今国会に提出された、「経済連携の日欧EPA承認案」(197条約1号)の国内での経済的な保護を約束しながら、「特定農林水産物の名称保護いわゆるGI法を改正する日欧EPA国内実施法案」(197閣法9号)のこの委員会での可決をお願いしました。法案のタイトルは、私が名付けているもので、正式な改正法律案の名称は、議案番号で検索してください。

 農相の演説は続き、「海面利用整備を見直す」として、「これらの改革を確実に推進する関連法案」の審議をお願いしました。既に提出された「漁業法改正案」(197閣法8号)のことです。吉川農相は漁業法改正案という表現を使わず、海面利用の促進という海側からの視点で漁業権などの改革に言及しました。

 個人的には好感できる吉川さんの農政の基本方針で、この辺は私と、立憲・国民の現職議員と大きく考え方を異にする政策領域なのですが、おそらく、既得権益者も、あまり大きな反対はしないのだろうな、という気がします。

 次回の日程は決まっておらず、武藤容治委員長は「公報で知らせる」として、散会しました。

【参議院議院運営委員会 同日】

 理事会が開かれました。

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出入国管理法改正案で「第二、第三夫人は健康保険法の対象外だ」「日本では犬食禁止は法制化せず」補正予算成立、衆議院委員会の攻防へ

2018年11月07日 17時49分18秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 補正予算が全会一致で成立しました。

 水曜日が定例日の衆議院内閣委員会が開かれ、初入閣6名を含む9大臣が所信表明。宮越光寛大臣が法案答弁することが多そう。次回は各党の一般質疑があります。

【参議院本会議 平成30年2018年11月7日(水)】

 「平成30年度第1次補正予算」が、投票総数235、賛成235、反対0の全会一致で可決し、成立しました。序盤国会を終えました。

【参議院予算委員会 同日】

 「平成30年度第1次補正予算(案)」の審議2日目、基本的質疑2日目。締めくくり質疑の後、午後4時11分から討論。衆議院と違って、全会派が討論し、各々、賛成を表明しました。全会一致で「原案通りに可決すべきだ」との審査報告がまとまり、本会議に上程され、成立しました。

 来年通常国会へ向こう9か月の政治闘争の論点に「付箋」が張られました。

●外国人材拡大と健康保険。

 足立信也さんは、「出入国管理法改正案」(197閣法1号)をめぐって、外国に住む扶養家族が日本の健保3割負担を使えないようにすべきだとの機運が高まっていることをふまえ、「イスラム教の国から来た外国人技能実習生が、一夫多妻制のもと、どうなるのか」と問いました。根本匠・厚生労働相は迷走しながらも、第一夫人である配偶者は健保が使え、子供ら扶養家族も健保が使えるが、第二、第三、第四夫人は健保が使えないという政府解釈を示しました。これについて、第一夫人や子供も、外国在住の場合は健保が使えないようにしようという法規制の機運が高まっています。午後の締めくくり質疑で別の議員が、ベトナムでは犬食が盛んだが、台湾では犬食を禁止する法律があると紹介し、日本でも法規制してほしいとしました。これに対して安倍晋三首相(自民党総裁)は「食文化には多様性がある」と答弁し、日本では規制する必要性はないとしました。外国人技能実習生など人材拡大法案の審議は長期戦になりそうな気配です。

 山下貴司法相は、外国人技能実習生へのマイナンバー付与について「良いご指摘だ」とあいまいな答弁でしたが、石田真敏総務相は「特別永住者などにも付与されており、日本人同様に付与される」と明確に答弁しました。

●教職員給特法にょる残業代ゼロは県選出国民民主党議員も関心。

 教師の残業代ゼロの元となっている「給特法」の改正について、柴山昌彦文部科学大臣は「今まさに議論の最中だ。教員の専門性を高めていきたい」とし、審議会のとりまとめに従う方向性を示しました。野党側としてはこの議員は国民民主党で、日教組全国本部の推薦は無いと思いますが、1人区選出のため、「県教組」の推薦は受けているんだろうと思います。

●水道法改正案は1年半経っても議論続く。

 希望の会(自由党)の青木愛さんは、「水道法改正案」(196閣法48号)について。自由党支持者ら新自由主義を拒む考えの人の中には、水道を外資に売り渡す法案ではないかとの観測があるようですが、青木さんは「広域連携が必要な点もある」とし、売り渡しよりも生き残りのための法案だという認識を示しました。

 与党・公明党の谷合正明さんは「モバイル型応急仮設住宅」について山本順三・防災担当大臣に質問しました。

●九州電力などの再生可能エネルギー固定買い取り中止について。

  共産党の仁比聡平さんは、九州電力の太陽光発電の固定買い取りの拒否について。

●消費税軽減税率のキャッシュレス決済優遇と省庁の障害者法定雇用率水増し問題。

 維新の清水貴之さんは、来年10月の消費税10%時に軽減税率8%の商品でキャッシュレス決済を優遇する案について、「機器がいる」と指摘。経産相と経財相は、キャッシュレス決済で零細商業者の機器の導入費はさほどかからないとの認識を強調しました。清水さんは、各省庁の障害者法定雇用率水増しについて「民間企業ならば罰金をとられるのにという声が強い」と閉会中の地元の声を紹介しました。

 また、麻生太郎財務大臣は、共産党の小池晃さんと立憲の有田芳生さんに対して、「指をさすな」と語りました。同日はアメリカ中間選挙で上院はトランプ共和党が過半数、下院は民主党が過半数のねじれ国会となりましたが、アメリカ人は平気で指をさしますので、指をさすのが失礼だというのは、グローバルスタンダードではありません。

【衆議院内閣委員会 同日】

 第一委員室をつかって、各大臣の所信を聞きました。

 先の通常国会では、上川陽子法相が秘密保護法担当大臣として内閣委でも所信を述べましたが、今回からは、宮越光寛・沖北相が秘密保護法担当大臣になったとのこと。参院側でターゲットになっていた山下貴司法相は内閣委には出席しないようです。

 きょうはまず、委員長が就任あいさつ。続いて、菅義偉・官房長官(兼)沖縄基地負担軽減相、山本順三・国家公安委員長(兼)防災担当相、石田真敏・マイナンバー相、石井啓一IR相、宮越光寛大臣、平井卓也クールジャパン相、茂木敏充経財相、片山さつき地方創生相、桜田義孝五輪相の9人が所信表明。

●特区法改正案の成立お願いは保留か。

 この中で、片山さつき大臣は、国家戦略特区法改正案が継続になっていることについて、とくに言及しませんでした。

●桜田大臣、サイバー基本法案は努力する。

 答弁が不安視されている、桜田五輪相は「サイバーセキュリティー基本法改正案」(196閣法45号)の法案成立について「努力する」と控えめな表現。

●宮越大臣は張り切り、海洋再生エネ法案と成年被後見人適正化法案に意欲、子どもの貧困対策大綱見直しも前向き。

 一方、宮越さんは政府が再提出した「海洋再生可能エネルギー特措法案」(197閣法5号)の成立、「成年被後見人の権利の制限の適正化法案」(196閣法56号)の審議と成立をお願いしました。さらに、「来年10月の幼児教育無償化について自治体と連携したい」「子どもの貧困対策大綱制定から4年が経ったので見直しを検討する」と積極的な意欲を示しました。但し、上述の通り、秘密保護法担当相が内閣府の宮越大臣に移ったということですが、これを機に、秘密保護法の運用状況の政府報告をないがしろにならないようにしてほしいものです。

●女性活躍推進法の3年後見直し規定で法改正には言及せずも改善を検討。

 特区にはあまり言及しなかった片山さんですが、「女性活躍推進法の3年後見直し規定」を受けて、法改正には言及しませんでしたが、意欲的に検討するかまえをみせました。

●IRカジノは依存症対策も所掌強調。

 石井IR相は、IRの整備だけでなく、「依存症対策にも万全を期す」と所掌事務を強調。

●TPP11拡大は日本主導、全世代型社会保障は高齢者の働き方改革。

  茂木さんは「TPP11は12月の発効が確定したが、参加国の拡大についてはわが国が主導権を持つ」と明言。アメリカが来年ねじれ議会になるので、トランプ大統領のグローバリズム見直し保護主義(メイク・アメリカ・グレート・アゲン)に修正がかかることも予想されます。茂木さんは、全世代型社会保障担当大臣にもなったので、「高齢者の多様な働き方を進める」との、微妙の国策マターを総理と共有している立場を明確にしました。茂木さんは今、生きていて、楽しくてしかたないでしょう。

 次回は金曜日。
 
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出入国管理法(案)の成立を前提とした「健康保険法改正案」第198回通常国会に提出のアイディア、健康保険組合員の外国在住の扶養家族は除外

2018年11月07日 06時12分37秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]厚生労働省、3年前の、2015年7月、宮崎信行撮影。

 「健康保険法改正案」を、2019年通常国会に提出する構想が高まりました。

 健康保険組合、または、協会けんぽの保険証を持つ人の扶養家族で、外国に住んでいる場合は、日本国内で保険証を使えず、10割自己負担となる改正法案。海外留学中の日本国民などの対応は、今後詰めることになりそうです。

 これは、きょう現在国会で議論されている「外国人材拡大のための出入国管理法及び法務省設置法の改正法案」(197閣法1号)をめぐって、野党の玉木雄一郎代表らが、先週の本会議で外国人技能実習生の医療保険の適用範囲の明確化を安倍晋三首相(自民党総裁)に求めたことなどから検討の機運が高まっていたものです。

 自民党が外国人材拡大の法律制定を見越して、健康保険組合と協会けんぽに加入する被保険者の扶養家族について、外国に住んでいた場合は、日本国内で医療を受けられないようにする方向性となりそうです。自己負担3割でなくなるという意味ですが、診察そのものを拒まれることもありそう。国民健康保険や公務員共済などは対象外。

 この話は、けさの、朝日新聞と読売新聞がともに1面トップで報じました。このような「抜きネタ」が朝読1面トップで「同着」になるのは、私はほとんど見た記憶がありません。自民党内に、一気呵成に外国人技能実習生など外国人材の拡大を仕上げてしまえという圧力が強まっているのかもしれません。

 法務省が所管する出入国管理法改正案の提出後に、厚労省が所管する健康保険法改正案の検討が始まるという、「政治日程の乱れ」が生じており、来夏の参院選に向けて、政府与党が総崩れになる気配が出てきました。

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外国人材拡大法案は8日の本会議ではなく13日の本会議に先送り、「安倍首相ボーナス10万円アップ」人事院勧告給与法案提出、衆議院情報監視審査会開かる

2018年11月06日 17時31分35秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 野党は、「外国人材拡大のための、出入国管理法及び法務省設置法改正案」(197閣法1号)の審議入りの先送りに成功しました。衆議院本会議の定例日は、火曜日、木曜日、金曜日です。与党は、あさって8日(木)の審議入りをめざしていましたが、批判が多いため、先送りに。9日(金)は園遊会なので、13日(火)以降になる見通しとなりました。

 これについて、与党・自民党の二階俊博幹事長。自民党は月曜日に役員会、火曜日に役員連絡会を開きますが、役員連絡会後の記者会見で、13日に先送りになっても、「(12月10日までの当初会期内成立の)考えに変わりはない」とし、「ゆとりのある国会運営をする」と強調。当初会期内に収まるかどうかについては「精一杯できるだけの努力をする。まだ時間が無いということではない」と語りました。

 衆議院法務委員会の定例日は、水曜日と金曜日。仮に13日(火)に審議入りできれば、14日(水)に趣旨説明ができると考えられます。当初会期内での衆参採決、成立にはまだ余裕がある日程となっています。

 きょうは、給与関係閣僚会議が平成30年人事院勧告を完全実施することを決めて、閣議で「人事院勧告を完全実施する国家公務員一般職給与法改正案」(197閣法 号)などを決定し、衆議院に提出。「特別職の法案」(197閣法 号)では、12月から内閣総理大臣の特別給を、年間3・30か月分から、年間3・35か月分へと引き上げる改正条項も盛り込まれました。手元の計算では、安倍晋三首相のボーナスは、12月分がおそらく10万ないし15万円ぐらい、前年比でアップすることになります。

 また、「日欧EPA承認案」(197条約 号)も提出されました。TPP11の半分近くの効果が期待されるようで、ルール分野での国内実施法案も必要で、予想外に、そこそこ、大ぶりな議案となります。

【衆議院情報監視審査会 平成30年2018年11月6日(火)】

 非公開で開かれました。委員は、防衛大臣経験者と、新聞記者出身者が多くなりました。特定秘密保護法国会から5年目の秋から冬へと向かいますが、霞が関はすっかり口が重い雰囲気になりました。防衛省は情報隠ぺいの不祥事はあったとはいえ内局はがんばっていますが、厚生労働省は何言ってんだか分からない状態になってます。ヤバいです。

【参議院 同日】

 補正予算案の基本的質疑のさいちゅうですが、きょうは皇室行事に首相の伝達が必要で、首相が出席できないため、総括質疑方式の基本的質疑はあすになりました。

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訃報・ご尊父ご逝去、長島隆久さん享年85、長島昭久・未来日本衆議院議員の父

2018年11月06日 06時37分02秒 | 人物

 新聞各紙によると、長島隆久さん=享年85=が先月、平成30年2018年10月31日(水)亡くなりました。

 長島昭久・未来日本(会派)衆議院議員のご尊父。

 心より哀悼の意を表します。

 お子さんを、慶応義塾で、幼稚舎から大学院まで通わせることは並大抵のことではないだろうと察しますが、長島昭久さんは当選6回、これまでに防衛副大臣、総理大臣補佐官を歴任する、日本を代表する政治家になりました。

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【11/1】「SNS炎上の片山さつき大臣更迭を」→首相「その発言を知らないので判断できない」→「とても私の口から言えないのでSNSで検索して」

2018年11月05日 17時19分08秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 一兆円弱を追加する、平成30年度第1次補正予算案の審議は参議院に移りました。

 「賛成するので早く執行してほしい」と表明した、国民民主党の徳永エリさんは、唯一の女性閣僚、片山さつき地方創生大臣の資質をターゲットに。片山さんがたびたびTwitterなどSNSで炎上してきたとし、「宗文洲さん」らの批判を紹介しました。安倍晋三首相は「私の判断に問題があるというが、そのもとになる発言を紹介されていないので、答弁のしようがない」としました。これに対して徳永さんは「とても私の口からは言えない」と語り、「SNSで検索してほしい」と、次の質問に移りました。

【参議院予算委員会 平成30年2018年11月5日(月)】

 上述の通り、「平成30年度第1次補正予算案」の1日目の質疑がありました。

 自民党、公明党に続き、第3会派(野党第1会派)が立憲民主党に交代しましたので、立憲から質問が始まりました。基本的質疑の割り当て時間は、自77分、公38分、立42分、国48分、共34分、維22分、希望の会(自由・社民)11分、無所属クラブ7分となりました。8会派に整理されました。

 立憲の蓮舫さんは、まず、杉田水脈・自民党衆議院議員の「LGBTは子供を産まないから生産性が無い」という発言について。その後は、NHKが「外国人材拡大法案」という表現もしている、「出入国管理法及び法務省設置法改正案」(197閣法1号、先週金曜日提出)にターゲットを定めました。蓮舫さんは、毎月の人材不足数のデータを出すよう、厚労相に求めました。東京オリパラの予算総額については、桜田義孝五輪相があいまいな答弁をしました。

 自民党の山本一太さんは「自民が強い群馬県でも4割が支持していない」としながらも、首相への箴言はひかえめ。同じ世襲議員をほめたたえる「自民党貴族」のシーンがあり、「中東外交は河野太郎外相の真骨頂。河野外相のパーティーで(他派閥だけれども)挨拶してほしい、と言われて言ったら、(自派閥領袖の)麻生太郎副総理(元外相)が常識が無いとあいさつして、選挙区のみなさんが大いに盛り上がっていた」と社交界をアピール。その後は、引退でもするかのように、参議院の同僚を順々にほめたたえました。

 自民党の高橋克法さんに対して、茂木俊充経財相は「高橋先生は高根沢町という必ずしも大きいとは言えない自治体で町長をされた」と紹介し、高橋さんは「たんたんたんぼの高根沢町だ」とアピールしました。ともに栃木県連所属。

 建設事務次官出身の佐藤信秋さんに対して、省では後輩にあたる、石井啓一大臣が「建設業は新3K産業に。給料が良い、休日をとれる、希望が持てるという新3Kだ」と佐藤さんのホームページの冒頭にあるフレーズを強調して答弁しました。

 やはり自民党は来夏の参院選は厳しいようで、改選組(選挙番)のアピールが目立ちました。

 立憲と国民は非改選組で、上述の徳永エリさんは、北海道地震全道停電ブラックアウトに言及。世耕経産相は、北海道と本州を連携する送電線について「北海道はそれでなくても料金が高いのに誰がコストを負担するのか」と語り、消極的な姿勢を示しました。北海道の2025年改選組では立憲の鉢呂吉雄さんがSNSで北電に厳しい姿勢を見せていますが、国民の徳永さんは、北電社員の奮闘ぶりをたたえました。

 徳永さんは「漁業法改正案」(197閣法 号、未提出)について必要が無いとしました。

 新閣僚では、先週も書きましたが、石田真便総務相と、吉川貴盛農相が安定していました。石田さんは「税調ライター」という、実際には閣僚複数経験者よりも権力があるポジションを持っていました。吉川さんは、当選から1年まもなく1997年に橋本内閣で、北海道開発政務次官をつとめていました。合同庁舎4号館というところで、吉川政務次官が午後5時ぴったりに退庁するさまを、それから8時間働かなければならない私はうらやましく見ていました。そのときから21年後の入閣ですが、自民党はしぶとい人材を良い配置をしているように感じます。全体的には地味な顔触れなので、それが、どう参院選につながっていくのか、まったりと目が離せません。

 山下貴司法相は、あいかわらず長広舌で、地元岡山の災害復興にまで言及。全閣僚の前でよくできたものだと思いますが、正直、他人なのに心配になってしまうレベルに感じます。

【衆議院 同日】

 ありません。

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[秋の叙勲]自民党には騙されたけど・・・小宮山洋子さん、城島光力さん、佐藤雄平さん、鈴木克昌さんら叙勲

2018年11月03日 15時44分58秒 | 人物

[写真]小宮山洋子さん、2012年8月1日、都内で宮崎信行撮影。

 自民党には騙されましたが、晴れて叙勲となりました。

 政府・内閣府賞勲局は、平成30年2018年11月3日(祝・土)付けで、秋の叙勲を発表しました。

 政権交代ある政治に貢献し、2012年の通常国会では、社会保障と税の一体改革3党合意をなしとげた、

 小宮山洋子・厚生労働大臣(券)内閣府認定こども園担当大臣と

 城島光力・与党民主党国会対策委員長に、

 旭日重光章が授章されることになりました。おめでとうございます。

 小宮山さんは羽田グループで、1998年の最後の拘束名簿式参院選で出馬。東大総長の娘のNHK解説委員が民主党1位、元東大総長が自民党の1位という古き良き参議院らしい選挙となりましたが、自民党の人はすぐに入閣し文部大臣となりましたがその後政界を批判して1期でやめました。小宮山さんは、成城学園とゆかりがあり、羽田孜さんの東京の自宅がある選挙区で衆議院議員に。小宮山さんの別荘がある軽井沢は逆に羽田さんの長野県での選挙区ですので、生粋の羽田グループとなります。

 城島光力(城島正光)さんは東大卒業後フード連合の執行委員をつとめて、衆院選だけに出馬し、何度か苦労もありましたが、2009年に再選しました。おそらく今後とも「歴代最も地味な大臣」と後世まで言われるでしょうが、初入閣で財務大臣もつとめました。現職財務大臣の衆議院落選も記録に残りそうです。


[写真]城島光力さん(右)、2012年4月15日のNHK日曜討論から撮影。

 2012年国会では、衆参ねじれの中、小宮山担当相と城島国対委員長で3党合意にこぎつけましたが、自民党に騙されました。やはり自民党というのは、社会党国対委員長を首班に担いでまで羽田孜内閣から政権を寝取った政党ですから、最後の最後まで信頼してはいけない政党だったようです。

 旭日大綬章には高木義明さん。岡田克也代表のもと民主党最後の国対委員長をつとめました。

 旭日大綬章には、千葉景子さんも選ばれました。法相ながら、2010年の参院選に落選。民主党がアッというまに凋落していく兆しをみせました。こういう兆しがあったのに、テンション高く騒いでいた与党議員の気が知れません。千葉法相は参議院落選後から内閣改造の直前の間に、死刑執行を自分の目で見て確認しました。

 秋の叙勲とは別に、政府は昨日付で、故・仙谷由人さんにも旭日大綬章を与えました。

 民主党・新緑風会副会長をつとめた、福島県知事、佐藤雄平さんも旭日重光章。

 小沢グループの長老格だった、鈴木克昌さんも旭日重光章。

 西村真悟元衆議院議院も旭日重光章。

 UAゼンセンの柳沢光美さんも旭日重光章。

 また、官僚では、瑞宝中綬章に、名取はにわ元内閣府男女共同参画局長が選ばれました。

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補正予算案は全会一致で可決、山下・片山大臣が不安定な答弁も地雷は炸裂せず、岡田克也さんも質疑

2018年11月02日 18時07分44秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

[画像]テレビ入り基本的質疑で質問する、岡田克也さん、2018年11月2日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 岡田克也さんも質問した、「平成30年第1次補正予算案」は、全会一致で可決し、衆議院本会議に緊急上程されました。来週の水曜日に成立するはこび。

【衆議院本会議 同日】

 「平成30年度第1次補正予算案」が発声による投票で、全会一致で可決し、参議院に送られました。本会議は5時設定で、6時過ぎに始まり、5分間弱で散会しました。

【衆議院予算委員会 同日】

 「平成30年度第1次補正予算案」が全会一致で「可決すべきものだ」とする委員長の審査報告書ができました。討論では、共産党と維新が「賛成」を強調しました。

 午前9時頃から基本的質疑2日目。立憲会派の小川淳也さんは障害者の法定雇用率を霞が関のほぼ全省庁が長年未達だった問題について。まず「なぜ所信表明演説に入れなかったのか」とただすと、首相は「一億総活躍社会の推進に入っている」と不誠実な答弁をしました。小川さんは、国交省をモデルとし、年末調整で障害者控除を使っている人をそのまま入れたり、退職者を含む前年度の名簿を使ったりしたのではないかとせめました。まだ、省庁側が不誠実な答弁を続けていますので、今国会での追及が続きそうです。

 後藤祐一さんは、歳入について聞きましたが、財政法第6条を知らないようでした。

 奥野総一郎さんの質問に対して、山下貴司法相が長時間がなり立てながら答弁するシーンがありました。委員長が法相の答弁前に「簡潔に答弁してください」と語ると「もちろんです!」と語気を荒げました。外国人技能実習生法案をめぐり移民の定義については「国連のホームページを見てください!」と連呼しました。このホームページが日本語なのか英語なのか分かりませんが、広く国民に開かれた国会で、大臣の答弁が「国連のホームページを見ろ」では、国会が存在する意味がなくなりそうです。

 平成を代表する政治家「小沢一郎」さんの若手の代表として、岩屋毅さんらとともに、バブル崩壊後の国民のうたかたの夢「政治改革ブーム」をリードした、岡田克也さん。私が最も尊敬する政治家ですが、きょうは、2年半ぶりに登場した当委員会で、財政再建に関して「独自のたたかい」を展開されました。来年夏の参院選に向けて心を一つにする機運が広がっています。

 基本的質疑が終わり、締めくくり質疑。締めくくり質疑終局後の討論では、共産党と維新が求めて賛成討論をしました。全会一致で可決すべし。本会議に緊急上程。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 
 開かれました。

【参議院 同日】

 ありません。


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宮崎信行の国会傍聴記、10月は全日、1000IP(UU)以上達成

2018年11月01日 17時31分31秒 | その他

 宮崎信行の国会傍聴記。先月2018年10月の訪問者は全日「一千IP以上」を達成しました。1日から31日までのうち、6日土曜日が「1003」とギリギリでしたが、初めて、すべての日(土日含む)で一千IP以上となりました。ありがとうございます。


臨時国会初の衆予算委員会、新入閣12人で山下法相が長広舌で叱られる、鳩山総理へのブリーフィング文書「改竄」疑惑も、参は無し

2018年11月01日 17時26分12秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

[画像]山下法相、2018年11月1日の衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 新入閣が大量12人の第4次安倍第1次改造内閣。山下法相が長広舌で委員長から3回叱られる場面がありました。上の画像ですと、質疑者ではなく、委員長・理事の方をずっと見ながら答弁し続けており、アタマが混乱していたようです。ルーキーいじめ、非世襲いじめは無い方がいいのですが、片山さつき地方創生相や、岩屋毅防衛相、原田義昭環境相らは地雷に感じました。一方、委員会での与野党折衝の仕事が多かった、石田真敏総務相や、吉川貴盛農相らは、野党との対応が安定しているような気配を感じました。

【衆議院予算委員会 平成30年2018年11月1日(木)】

 岡山豪雨の農業土木に0・5兆円など、合計1兆円弱を追加する、「平成30年度第1次補正予算案」の審議は2日目。そのうち、基本的質疑1日目。

 自民党の橋本岳さんは「真備町に夜行くと、明かりがついているのは1割だ」と語り、住民が戻れるよう要望しました。

 公明党の石田祝稔さんは「補正予算に800億円、学校教室へのエアコン設置費が入っている」とし、「私の地元では、エアコンの導入で、学力が全国比で0・92から1・09に上がった。もっと強力なエアコンを導入すればよかったと思うが、そこまでのお金はかけられない」としました。800億円あると、日本中の全教室にエアコンをつけられるようですが、設置が来夏までに全部できるとは限りません。

 野党からは、立憲民主党の4人が登場。

 長妻昭さんは「公文書改竄で、財務省はトップが責任をとってやめないまま、同調圧力が強い組織に成り下がっている」と指摘しました。外国人技能実習生法案(未提出)をめぐっては、山下貴司法相が移民の定義をとうとうと述べたうえで、「外国人技能実習生は移民ではないし、出入国在留管理庁(未設置)が管理する」と答弁。失踪者については、ことし上半期6か月間で「4279名」としました。長広舌になったことから、野田聖子予算委員長が3回、山下法相を注意する格好となりました。今国会の最も目玉法案を、最も経験が浅く、石破派という党内基盤が弱い大臣が担当することになりました。

 長妻さんはまた、3党合意の実務者として「なんといっても総合合算制度だ」とし、総合合算制度が全く検討されない中での消費増税構想を批判しました。

 野党筆頭理事をつとめる逢坂誠二さんは、「カレンダーの売り上げが記載されていない」と片山さつき地方創生相をせめましたが、「ホームページに載っているのは、2012年のカレンダーで、売り上げが無い」とかわしました。

  川内博史さんは、岩屋毅防衛相に対して「同じ学園(ラサール)の先輩で、私が中1のときに高3だった。応援団長をしていて、めちゃくちゃかっこよかった」と持ち上げました。そのうえで、辺野古新基地建設をめぐって、大臣同士が行政不服審判を使う安倍晋三内閣の手法に異を唱え、石田総務相に見解を問いました。石田総務相は一貫して、安定した答弁。この後、鳩山由紀夫首相の選挙前の「最低でも県外」発言を、沖縄県副知事が「基地は沖縄が引き受けるものだと思い込んでいた沖縄県民の頭の中に革命がおこった」と評価していると紹介。外務省北米局日米安全保障課長が、鳩山さんにブリーフィングした文書に不誠実な面があるとなじりました。河野太郎外相は、文書を徹底的に探させたけれども見つからなかったと、ぬけぬけとうそぶきました。

 本多平直さんは、「一般の有権者には居ないが、永田町界隈で誤解している人がいるので言うが、立憲民主党は自衛隊を合憲だと考えている」と語りました。東京医科大学など複数の医大が、女性の受験生を足きりしていた問題で、柴山昌彦文部科学相に対して、受験が近いので急ぐよう要請。柴山大臣は答弁中に野次が飛ぶと、ペーパーをみながら「ですが、ですが・・・」と接続詞のところで語調を強め、答弁への説得性へのこだわりをみせました。

 明日は、岡田克也さんも登場。明日中に委員会では採決される見通し。本会議通過は来週。【追記午後7時】本会議が設定されたので明日通過しそうです。【追記終わり】

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会が開かれました。あすの本会議を開かないことも確定しました。補正予算案の衆議院通過は来週となります。【追記】情報が違いました。明日の午後5時に本会議が設定されました。【追記終わり】

【参議院 同日】

 ありませんでした。

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