宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【2/1】目まぐるしいジェットコースター政局に、遠山清彦辞職、松本純・田野勢太道副大臣・大塚隆司も同伴で銀座クラブへ

2021年02月01日 17時23分40秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]銀座の夜、5年前、宮崎信行撮影。

 月初から、第1月曜日から目まぐるしいジェットコースター大政局となりました。

 先に過去の記事で、13年前の2008年5月1日付の当ニュースサイト記事は、ガソリン値下げ隊による25円値下げを衆議院再議決により値上げに成功した町村信孝官房長官(故人)が銀座の料亭で祝杯をあげ、国民ではなく政府を見て政治をやっているのではないかと指摘。その翌年に大敗しました。

 銀座は海に開かれた情報の街で、銀行の頭取らは平日の昼間は営業マンが争っているのに、夜は銀座のクラブで情報交換をしています。しかし、今回は、遠山清彦・公明党議員(「平和安全法制」特別委員会理事)が出入りし議員辞職へ。脇が甘くて知られる松本純議員(神奈川1区)に続き、田野勢太道議員(奈良3区)が異性を同伴して同行したことが判明。元総務会長の息子の田野瀬議員は、当選同期の福田康夫元総裁の息子、武部勤元幹事長の息子、中川秀直元幹事長の息子(元議員)ら「党役員の世襲議員」と遊び歩いていることで知られ、政治資金力も「魔の三回生」同期を圧倒していました。そして、たたき上げの大塚高司議員(大阪8区)は郵政選挙以降は野党の代表格・中野寛成さんを小選挙区でしのぐ勢力となりましたが、暴力事件の後も、議員を続け、今回、銀座クラブの出入りが明らかになりました。菅義偉首相は、田野瀬副大臣の報告に激怒したようで、持ち回り閣議で更迭。この後、午後7時15分から天皇陛下が後任者の認証式にのぞむようです。


[写真]松本純さん、きょねん2020年9月、宮崎信行撮影。

 ところで今それを書くかと言われそうですが、立憲民主党の複数回当選している衆議院議員とおととし銀座のクラブに行きました。それは私の中学高校の同級生が経営している寿司屋に来てもらっているので、流れで二次会で行こうということで、今の任期になって東京でついてくれたベテラン秘書から「従姉が経営しているから、センセイ、ぜひ一度行ってください」とのこと。タクシー降りてから、場所が分からず数十分ぐらいスマホ見ながら迷いましたが、雑居ビルの狭いエレベーターの上階でママと合計2人で狭い部屋で経営しており、高齢男性の「太い客」リピーター1人が合計2名で来ていました。代議士たるもの、東京でついてくれたベテラン秘書が従姉が経営しているので顔を出して下さいと言われれば一度顔を出すのが人の道。リピーターの友達の高齢男性は「きょうは誕生日だから来たんです」とはしゃいでカラオケを楽しんでおられましたが、年に複数回、誕生日がある方だったようです。銀座は文明開化以来の「情報の街」ですから国会議員の出入りがあってしかるべきですが、今回の与党議員4名の常連慣れは論外で、遠山アントワネット、マリー松本、ルイ田野瀬、大塚16世となじられて当然。

【衆議院本会議 きょう令和3年2021年2月1日(月)】

 極めて異例の月曜本会議。設定は午後5時ですが、早い段階から午後5時半との説も出ていました。

 最後に、遠山清彦さんが議員辞職がはかられます。【追記18:25】全会一致で許可されました。【追記終わり】

 まず緊急上程。「新型コロナ特措法、感染症法、検疫法改正案」(204閣法6号)について内閣委員長が「修正する」と報告。これに対する各党の討論があります。公明党は、平和安全法制を遠山さんと進めた浜地雅一議員と同期の「浜・浜コンビ」の浜村進議員が賛成討論。遠山さんの件に言及するかどうかも注目されます。

 なお、本会議の討論は、「衆議院先例285」により、反対→賛成→反対の順で、その中で議席数が多い順になります。そのため、共産の反対討論→自民の賛成討論→国民の反対討論→立憲の賛成討論→公明の賛成討論→維新の賛成討論という珍しい順になります。 まず、遠山清彦さんの議員辞職がはかられ、全会一致で決まります。

 その後、採決。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「新型コロナ特措法、感染症法、検疫法改正案」(204閣法6号)が採決されました。共産党、国民民主党が反対し、自民党、立憲民主党、公明党、維新が賛成して「修正すべきもの」と決まりました。本会議に上程。

 これに先立ち、午前9時から初めての対政府質疑がありました。しかし、既に修正合意済みですので、静かな質疑となりました。維新の足立康史さんは事業者が国家賠償請求する可能性はないかと問い、内閣法制局長官は憲法29条3項の補償は、財産権に内在する社会的権利を定めたもので、前回制定時に整理されているとの認識を示しました。


[画像]修正案を朗読する今井雅人さん、きょう、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 質疑終局後の修正案は、自民党の松本剛明さんが筆頭発議者として、自公立維4党が提出者となりました。立憲の今井雅人さんが朗読し、「入院者の正当な理由のない逃亡で、政府案では1年以下の懲役など刑事罰とするとあったが、これを50万円以下の過料など行政罰とする」と説明しました。討論では、立憲の柚木道義さんが「賛成するが、時短要請の補償額は全額とすべきだ」としました。共産党の宮本徹さんは「修正しても罰則が残るので、反対する。感染者や濃厚接触者への所得補償も検討すべきだ」としました。

【衆議院内閣委員会・厚生労働委員会連合審査会 同日】

 内閣委を親委員会、厚労委を子委員会として、開かれました。「204閣法6号」は修正合意済みなので、立憲の山井和則さんらが支援金の充実などについて働きかけました。

【与野党国対委員長会談 同日】
【野党国対委員長会談 同日】
【参議院議院運営委員会理事会 同日】
【衆議院議院運営委員会理事会 同日】

 慌ただしい位置にとなりました。まず明日の参議院本会議で「204閣法6号衆修正」が審議入りへ。緊急事態宣言の延長が、衆参議院運営委員会理事会で事前報告と質疑をする方向。菅義偉首相も出席するようです。首相の政府報告の中で、田野瀬前副大臣らの銀座クラブの問題について言及し、質疑を受けることになるようで、政府与党には大逆風となります。ただ、緊急事態宣言の質疑をあすやってしまえば、週内に当初予算案の審議入りができるという与党の日程感があるかもしれません。

【自民党幹事長室 同日】

 神奈川1区・松本純、奈良3区・田野瀬太道、大阪8区・大塚高司3衆議院議員が離党届を提出しました。第48回衆院選で自民党は218小選挙区で勝っているので、そのうちの1・3%に過ぎません。

【公明党 同日】

 遠山清彦さん、51歳、平和学博士が首になり、神奈川6区国替えも白紙に。そもそも次期衆院選不出馬となりました。公明党は東京割り当ての長沢広明元参議院国対委員長の参議院麹町議員宿舎カードキー渡し切り不倫、樋口尚也衆議院議員の解散直後の創価学会信者との不倫と、不適切な事案が続いています。樋口議員の解散直後不倫発覚は、北側一雄元幹事長が、小選挙区後継候補として比例代表から降りてくるのを潰そうとした説もあります。現に、太田昭宏元代表は東京12区を比例北関東の岡本三成議員に譲りますが、大阪16区は北側元幹事長が引き続き公認を得ました。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報

Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

きょう(2/1)午後5時過ぎの本会議で採決の「感染症法など改正案」で枝野幸男立憲民主党代表「2党だけの修正協議は今回だけ」「今後は案件ごとにケースバイケース」の姿勢示す

2021年02月01日 07時10分27秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]オンライン党大会にのぞむ、枝野幸男・立憲民主党代表=代表撮影方式で同党提供=。

 きのう(2/1)の立憲民主党大会は、きょねん9月の結党大会と同じザ・プリンスパークタワー東京で開かれましたが、感染防止の観点から、事前に全者が代表撮影方式で合意していたので、フリーランスの私も代表撮影の写真をもらえました。上級機材による写真をもらえたのですが、会場内でもソーシャルディスタンスの望遠写真だったので、トリミングして掲載させていただきました。

 さて、きょう(2/1)は衆議院本会議としては極めて異例となる、2月第1週開催、月曜日開催となります。「新型コロナ特措法、感染症法など改正案」(204閣法6号)が採決され、「修正」で衆議院を通過します。

 先々週金曜日(1/22)に閣議決定され、衆で補正予算案審議中の先週火曜日(1/26)から修正協議開始。自民党と立憲民主党の国対委員長、内閣委・厚生労働委筆頭理事の合計6名で合意しました。

 「2党合意」に一部の与野党から異論が出ています。公明党の高木美智代・政調会長代理は先週金曜日(1/29)の本会議で「修正合意には、政府与野党協議会の一員として協議を重ねてきた私としても感謝します」と、わざわざ強調。きのう(1/31)のNHK日曜討論では、維新の浦野靖人政調会長が「そもそも与野党協議から排除されているが、21日に我が党から自民党さん、公明党さんの方に申し入れさせていただき、(罰則は)なるべく小さくすることを申し入れた」とアピールしながらも「あまり差はないことだったと思う」とし各党の政策の差は少ないので今回の2党協議に理解を示しました。舟山康江・国民民主党政調会長は「閣議決定までは政府与野党協議会でいろいろ議論したのに、とたんに自民、立憲、2党だけの協議になったのは残念だ。始まったばかりの国会審議の前に全部合意するのは拙速だ。ならなぜ、きょねんのうちにやらなかったのか」と批判しました。舟山さんは合意内容について「一歩前進のところもあると思う」と理解を示しました。同党は採決で反対に回るとの観測もあります。また、共産党は過料も含めた罰則そのものに反対するようです。

 これについて、きのう(1/31)の定期党大会後の枝野幸男代表に聞きました。枝野さんは「今後、与野党で修正協議などのケースがありうる場合のやり方は、これまでもそうですが、それぞれの状況、案件ごとに他の野党の皆さんの理解も得ながら一番いい形でやっていくということなので、まさにケース・バイ・ケースです」とし今回の2党協議は例外だとの認識を示しました。枝野さんは「国対委員長のところで共産党さんや国民民主党さんにはこういうことで進めていくということを了解をしながら、ただし、それぞれの党、政策論的な考え方の違いがあるから、別に各党を代表して協議をするわけではないということをお互いに納得し合った上でこのプロセスを進めてきている」と述べました。

 さて、きょうの審議は午前9時から衆議院内閣委員会で政府原案を審議。急に出てきた印象の「まんえん等防止措置」についての対政府答弁が求められています。修正案は最終的に午後4時過ぎの内閣委員会で初めて提案される見通し。内閣委、連合審査会で合計6時間コースの質疑になります。この後、午後5時設定で本会議に上程されるはこび。

 一方、感染者数や実効再生産数は抑えつつありますが、緊急事態宣言の延長は不可避となってきましたこのため、2月7日よりも数日前、おそらくきょう午後から、延長に関する衆参の議運委員会への報告と質疑に関する日程の協議に入ると思われます。当初予算案の審議入りが一日強後ろ倒しされることが予想されます。

 ゆうべの地方選では、戸田市議選で公明党新人が落選したほか、北九州市議選の中選挙区で、自民党現職3人巴倒れ落選がありました。千代田区長選は定数1の都民ファースト都議が「横滑り」で、元警視総監の息子というパワーワードもあり圧勝しましたが、「銀座クラブ問題」も響いたようです。政府与党の劣勢が続きます。

●1年前の記事「コロナ政令」を国民民主党の要望で施行日前倒し改正

 それから、gooブログのシステム「1年前の記事」ですが、きょねんも1月第3月曜日が召集日でした。このため、きょねんの国会と日程が重なってきているところがあります。きょねんは、新型コロナに関する政令の施行日を、14日後ではなく、前倒してあすにしろ、との国民民主党が予算委で要望。政府が「政令の施行日を前倒ししする改正政令」をつくり実現しました。これは地方自治体の「新型インフルエンザ実行計画」を、「コロナ」と読み替えて使える、とする政令でした。

【1/31】新型コロナウイルス政令、国民民主党の申し入れを受けて公布日前倒し、予算委集中審議開かる
[写真]国会議事堂内の閣議室、3年前の2017年5月、宮崎信行撮影。 当初予算案の審議前としては異例の集中審議がきょうありました。安住淳国対委員長と森山裕国対委員長の信頼関係もある......


このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報

Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。