牛の腸は大きく分けて大腸と小腸がある。「コッチャン」は脂という意味を持つ“コッ”と腸という意味を持つ“チャン”を合わせ、脂気の多い腸のことをいう。名前のとおり「コッチャン」は、腸の中の「コッ(脂)」を味わうところがポイントだが、大腸も多少脂っこいながらも香ばしくて歯ごたえのいい逸品。ただ牛一頭からとれる大腸の量は少なく、おもに日本へ輸出しているため量の確保が難しく、「コッチャン」に比べると少し高い。
牛の内臓は、赤身の肉よりもたんぱく質、ビタミン、無機質などの栄養素が豊富で、特に酒の肴として多く食される。「コッチャン」の場合、見た目や「コッチャン」の中に入っているものが嫌で食べない人もいるが、「コッチャン」をころころと転がしながら程よく焼けていく姿を見ているだけでもう「コッチャン」の魅力にハマってしまうこと間違いなし。また「コッチャン」という同じ材料を使っていてもお店によってそれぞれ違った味を楽しめるのがコッチャングイの特徴!理由は、それはお店によってコッチャンクイに使う秘伝ソースが違うため!家で作って食べるときの味ともまた違う。
「コッチャン」を代表する料理としてはコッチャングイ(牛の小腸焼き)とコッチャンチョンゴル(コッチャン鍋)がある。コッチャングイというと、牛の小腸を焼いて食べるものをいい、「コッチャン」は味付けをしないで焼いて食べるのが一般的。大腸はおもに味付けをしてヤンニョムグイ(味付けされた焼きもの)にして食べる。また、火があまり通っていないレア状態だと噛みごたえを楽しめ、焼きすぎるとしぼんでしまい噛みごたえがなくなってしまうので、「コッチャン」を食べるときは強火でササッと焼いて食べるのがいい。また中を完全に火が通るまで、外をキツネ色になるぐらいまで焼いて食べると「コッチャン」の香ばしさを楽しめる。またケンニッ(えごまの葉)やキムチで包んで食べるとこれもまたいける。「コッチャン」とは切っても切れない永遠のコンビ、「ヤン(牛の1つ目の胃)」といっしょにヤンコッチャングイを注文して、おいしさを2倍楽しもう。
金野浩一でした。