cocoloni PROLO より転載です。
面白そうな映画です。
今度見に行ってみたいです。
いつも笑顔でいたい。そう思っていてもイライラしたり、落ち込んだり。ときには大声をあげて泣きたくなることもあるでしょう。
人はなぜ、ポジティブな感情だけでなくネガティブな感情を持っているのか…。その理由がわかるのが、大ヒット公開中の映画『インサイド・ヘッド』です。
主人公は5つの感情
『インサイド・ヘッド』の主人公は、11才の少女ライリーの頭の中にいる、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミの5つの感情たち。
それぞれのキャラクターは、簡単に説明するとこんな感じです。
◆ヨロコビ…ハッピーな気持ちにさせ、面白い遊びを思いつく
◆ビビリ…恐怖や危険から守ってくれる。慎重すぎる部分あり
◆ムカムカ…嫌なものを遠ざけるのに力を発揮してくれるが、気分屋で文句が多い
◆イカリ…不公平を許さず、エネルギーを生み出すが、一度キレたら止められない
◆カナシミ…悲しい気分にさせる。どうして必要なのか、その理由が謎に包まれている
ライリーを幸せにするため、感情たちは自分の個性を活かして日々、奮闘中。
その中でネガティブな言動しかできないカナシミの存在はかなり浮いています。ビビリやムカムカやイカリは、生きていくうえで何だかんだ必要ですが、みんなの足を引っ張るカナシミは正直、いなくてもいい…?
なぜ、カナシミは必要なの?
毎日ハッピーでいたいなら、カナシミなんて不要なはず。
でも、この作品を観てカナシミの“秘密”を知った観客たちは、みんな彼女のことを好きになってしまうそうです。
そして、「カナシミは自分が成長するために必要な感情なんだと気づき、大好きになった」「マイナスイメージを持ってしまいがちなカナシミが、人生には必要なんだというメッセージに感動した」などのコメントが多数寄せられています。
その理由っていったい何なのでしょうか?
映画の製作段階のリサーチに協力した心理学者のダッチャー・ケルトナー博士によると
・「カナシミは、鑑賞者に悲しみという感情の重要性を教えてくれるキャラクターである」
・「悲しみは社会生活に必要な感情であると同時に、ライリーのような思春期の女の子にとっては当たり前の感情」
・「喪失や苦痛が生きることの一部だということを教えてくれる」
・「映画では、最終的にこの感情によって人々の絆が強くなることがわかる」
とのこと。
カナシミは、人生においてなくてはならない感情なんですね。
“別れがあるから出会いがある”のと同様に、“カナシミがあるからヨロコビがある”とも言えるのかも。
悲しみを抱えるのはつらいことだけれど、その経験を経てこそ、人は喜びの瞬間を心から慈しむことができる…。
そう考えると、カナシミという感情が宝石みたいに貴重なもののようにも感じられます。
カナシミのブルーに秘められた秘密とは?
なお、カナシミの人気の理由はそのビジュアルにもあるようです。
丸々とした体に丸メガネ、ダボッとしたセーターを着た姿は何ともかわいらしく、観る者を魅了するのだとか。
彼女は顔も髪も青い色をしているのですが、青は「相手を尊重する」「思いやり」「気配り」「控えめ」といったイメージを与える色。
諦めが早く、「私なんて…」とネガティブ発言を繰り返すカナシミは、最初は鑑賞者をイライラさせてしまうかも。けれど、あるシーンで青色のイメージ通り、相手を思いやって“寄り添い力”を発揮することで、物語に大きな影響を与えるのです。
自分の感情との向き合い方がわかる
ところで、前述のダッチャー・ケルトナー博士によると、この作品は“自分の心と向き合える映画”“自分の感情を上手に捉えられるようになる映画”なのだそう。
「この作品には、感情と向き合う様々な方法が描かれています。また、カナシミが持つ知恵や強みに焦点を当てていますが、このことにより、観客はたとえ悲しい思いをしても、あまり気を落としすぎることなく、よりポジティブな側面に目を向けることができるようになるはず」
自分と向き合うのって勇気が要るし、できれば避けて通りたいこと。でも、しっかり向き合えば人として飛躍的に成長できたり、心豊かな人生を送るためのヒントを見つけられたりするかもしれません。
心理学者も太鼓判を押す感動のストーリー。カナシミの持つ<秘密>を探ると共に、本当の自分と出会う準備をするためにも、映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか?
【STORY】
11才の女の子、ライリーの頭の中に存在する5つの感情たち---ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。彼らは、ライリーを幸せにするために奮闘の日々。だが、ライリーを悲しませることしかできないカナシミの役割だけは、大きな謎に包まれていた…。
そんなある日、見知らぬ街への引っ越しをきっかけに不安定になったライリーの心が、感情たちにも大事件を巻き起こす。頭の中の“司令部”からヨロコビとカナシミが放り出され、ライリーは2つの感情を失ってしまったのだ!
このままでは、ライリーの心が壊れてしまう! 果たして感情たちは、ライリーの危機を救うことができるのだろうか? そして、カナシミに隠された、驚くべき<秘密>とは…?
全国で大ヒット上映中
監督:ピート・ドクター 共同監督:ロニー・デル・カルメン
日本語吹き替えキャスト:竹内 結子(ヨロコビ役)、大竹 しのぶ(カナシミ役)、佐藤二朗(ビンボン役)、他
製作:ジョナス・リベラ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン