かわいそうな ぞう

2015-08-13 20:30:38 | 忘れられない本

   

 

今日の北海道新聞に、2枚目の写真の記事が出ていました。

熊本で、27年前に出版された 「ごめんねメリー」 という本の、よみ聞かせをされている皆さんの紹介です。

 

戦時中に、象が空襲で脱走した場合に備え、猛獣を処分する命令が出ました。

 

有名なのは、1枚目の写真にある「かわいそうな ぞう」上野動物園の話です。(金の星社)

 

これは、読むのが嫌でした。

胸が痛くなるからです。

最近やっと、冷静に読めるようになりました。

 

 

象を殺す命令が出たとき、上野動物園では、毒を入れた好物のジャガイモを象にやりました。

でも、ジョンは、ジャガイモを、鼻でポンポン遠くへ投げ返してしまいます。

食べ物をやらないで13日目に、ジョンは死にました。

 

トンキーとワンリーは、かわいい目をじっとみはった心の優しい象です。

動物園の人は、トンキーとワンリーを何とか助けたいと思いましたが、だめでした。

 

ほっそりと痩せたぞうは、象係りの人の前で、ぐったりとした体をもたれあって、芸当を始めました。

後ろ足で立ち上がり、前足を折り曲げて、万歳をしました。

しなびきった体中の力を振り絞って、芸当を見せるのでした。

 

我慢できなくなった象係りの人は、餌をあげました。

誰もが見て見ぬふりをして、早く戦争が終わればいいと願っていました。

 

そのうち、ついにトンキーもワンリーも弱って、いきました。

とうとう、万歳の芸当をしたままで死んでしまいました。

 

「像が死んだあ、象が死んだあ」

象係の人はきちがいのようになって、叫びました。

象に近寄って、抱きついたまま叫びました。

「戦争をやめろ」

「戦争をやめてくれえ。やめてくれえ。」

後で調べますと、たらいぐらいある象の胃袋には、一滴の水さえもはいていませんでした。

~抜粋と要約~

 

動物は、純粋です。

人間の思惑なんてわかりません。

 

全国の動物園で、どれくらいの動物が殺されたことでしょう。

熊本でもあったんですね。

きっと、読んでもらった子供たちも、忘れられない本になるでしょう。

 

それでは、また。

 

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