知り合いのところへ顔を見せてくれた、30代の男性がいます。
彼は、肝臓を患っていて、顏も黄色が通り越してどす黒かったそうです。
入院中で、自分が外出したいと言うと、医師も看護師も、快く、「いいよ、行ってきなさい。」と口を揃えていう。
きっと、自分は、もうダメだから、好きなようにさせようとしていると思っていたとのこと。
実際、その男性の奥さんの話では、インターフェロンもやっているが、もう見込みがないとのことだったのです。
奥さんも、周囲に勧められて、今後の生活のために、正規職員の試験を受けたりしていたそうです。
知り合いも、見舞いに行こうかどうしようか迷っていたところへ、ひょっこり顔を見せてくれたのです。
何かやりたいことあるのかと聞いたら「学生時代の友人のお葬式に、友人が誰も出れなかったから、追悼の会をやってあげたい」と言ったそうです。
それはいい、やろう、やろうと、協力者を募ってやりました。
彼は、ギターが得意だったのです。
その後も、喫茶店のマスターに頼んで、一番お客さんの来ない時間に、ギターを弾かせてもらったり
また、それを気に入ってくれたお客さんがいて、ミニコンサートになったり。
そうこうしてるうちに、なんと、肝臓が安定してきたそうです。
インターフェロンが効果があったのか、何がどうかは、はっきりとわかりません。
人間の体は不思議ですね。
悪性のものを、悪化させたり、鎮静させたりする力を持っているのですから。
知り合いも、きっと、好きなことを楽しくやれたことが、良かったのではないかと言っていました。
人間には、自分の身体を良くも悪くもする、理屈でない力があるのだろうと思いました。
それでは、また。