旭川も、やっと、クロッカスが咲きました。
小さいけど、強い感じの花です。
黄色のクロッカスを見てほしかった患者さんがいます。
ご本人に、「癌」だとは言わなかった時代のこと。
癌と言われれば、命はない と同じことでした。
富良野から来られた、50代の小柄な女性の方でしたが、肺癌でした。
乳癌の闘病記を書いた「千葉敦子さん」の本を読まれていました。
患者さんも、大体の人が、はっきり言わなくても、病気の程度はわかります。
今でこそ当たり前ですが、担当医師は、「告知した方がいい」という、その時代には、新しい考えを持っていました。
予後告知もしたかどうか。
予後とは、あとどのくらいの命かということで、これは恐ろしくて、なかなか聞けません。
とても静かに、ただ医師の話を聞いておられました。
娘さんが、お母さんの小さな肩を抱いて、倒れんばかりに歩いて。
その夜は、市内の娘さんのお宅に外泊されました。
自分の家族や、自分自身だったら。。。
とうとう意識が混濁し始めました。
庭の黄色のクロッカスが咲いて、元気出るかなとか思って、鉢に入れて持っていきました。
クロッカスは見てもらえませんでした。
その朝、早くに、亡くなっていたのです。
また、クロッカスを家に持って帰り、土に戻しました。
何で人は死ぬんだろっ。。。
今は、その頃より死が身近になっています。
死なない人はいないのですから、恐怖でも、何とか皆死んでいく。
こればかりは。。。
熊さんと八つぁん
「あの世はどんなところだい」
「いいところらしいよ」
「へえ~、どしてだい」
「戻ってきた人は誰もいない」
笑って死にたいものです。
それではまた。