看護師だった頃のことです。
お母さんが亡くなった時、娘さんから、「あんたたちのせいでしょ」と大きな声で責められたことがあります。
私が、娘さんに「大丈夫、つらいね」という気持ちで、肩に手をかけようとしたのを、振り払って。
自分では、一緒に最期の一時期を共にした気がしていましたが、到底、家族とは一緒にはなれません。
その場は、頭を下げるしかありませんでした。
どうしようもない気持ちを爆発させている、それも受け止めるのが仕事と思って。
看護師は、すぐ後で他の患者さんに、笑顔で向かわなければならないこともあります。
でも、娘さんは、お母さんに着せたいと、真っ白いネグリジェを持ってきていて、私に渡してくれました。
悲しみ、混乱、身近な人の死は、とても一言では言い表せません。
カウンセリングでも、クライアントさんの感情を受け止める、なんて言います。
「受け止める」って、静かだけれど、なかなかのエネルギーがいる。