古森病院@福岡市博多区です。
今日は九大百年講堂にて 福岡市院内感染対策のブロック交流会(福岡ICT交流会)がありましたので
行ってまいりました。
今回のテーマは「AST(抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team))活動について」
医師の少ない、また予算に限りがあり 高価な抗生物質が使用できない当院には
あまり関係のない?話ですが
過去記事でも触れていますが
世の中では急性期病院を中心に、高価で広域(幅広い)な抗生物質(細菌を殺す薬)が その必要性が
十分でない状況でも多く使用され、その結果抗生物質が効かない細菌(耐性菌)が増えて どの病院でも対策に
頭を悩ませています。
当院については高価な抗生物質があまり使用できないので 耐性菌とは無縁というわけではなく
当院に新規入院されてこられる患者様のほとんどは 急性期病院からの転院ですので
かなりの患者様が耐性菌を抱えた状況で入院されてこられます。
急性期病院の話をお伺いしていると、院内にある高価な薬をできるだけ使用せず、結局は当院のような
安上り治療の方向に 急性期病院の医師の治療方針を誘導するのに苦労されておられるようです。
(抗菌薬適正使用支援というのは 平たく言えば 高価で広域な抗生物質を根拠なく多用する医師を
安価な抗生剤でも大丈夫なことが多いですよと再教育することですので
容易なことではありません・・・。)
ちなみに当院も耐性菌を抱えた患者様が多いのですが、
管理人の患者様に関して 耐性菌のせいで困った状況になったことはあまりありません。
どうしてかと言えば
①当院に来られる患者様は耐性菌の多い?急性期病院で生き延びてこられた
抵抗力をかなりお持ちの方々であるということ
②当院では高価で広域な細菌に効果の高い抗生剤を使用しないことから、
新たな耐性菌が作られることが少ないこと
③実際に耐性菌が発熱の原因になることが少ないこと
が理由として挙げられます。
医者が高価で広域な細菌に効果のある抗生物質を使いたがることで起こるこの手の話の際に
管理人はいつも
「そもそも各病院での医薬品採用の段階で 抗生物質は一系統一剤薬品(かせいぜい二剤薬品)に
医師の投票でもじゃんけんでも(!)してしぼったらどうか」と申し上げ、実際それしかないのですが、
なかなか大人の事情で実行は難しいのが現状です。
それにしても
医療安全でも 院内感染でも 医療介護連携でも
どこでも多職種連携の足を引っ張るのが
「医者」
というのがなんとも・・・(苦笑)
管理人も急性期病院で感染対策のチームに入れられたら・・・
感染症に関心のない医師を説得する自信はないですね・・・。
その意味で 今日の演者であった某病院の先生の
院内で感染症の治療に関心のない医師の考えを変えるため
最初関心のある一人の医師の感染症治療教育から始め、その医師の口コミで他の医師も教育に参加し、
ということを地道に繰り返し かなりの医師の考えを変えていかれたお話は 非常に感銘を受けました。
医師は院内感染に関心はないが 正しい治療には関心がある
医師は面倒なことは嫌いだが (正しい治療によって患者さんが速やかに治癒し)楽になることは好きである
とその先生は言っておられました。まったくその通りだと思います。
当院ではささやかですが、感染症治療の啓蒙として
外来に感染症で高名な先生の本を何冊も置いて 困ったときにいつでも見れるようにしています。
九大から来られるアルバイトの先生にも好評のようで、よく本棚から出してあります。
製薬メーカーの宣伝に負けず、王道を歩む医師が増えるよう 微力ながらお手伝いしてまいりたいと
思っております。
http://komori-hp.cloud-line.com/
今日は九大百年講堂にて 福岡市院内感染対策のブロック交流会(福岡ICT交流会)がありましたので
行ってまいりました。
今回のテーマは「AST(抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team))活動について」
医師の少ない、また予算に限りがあり 高価な抗生物質が使用できない当院には
あまり関係のない?話ですが
過去記事でも触れていますが
世の中では急性期病院を中心に、高価で広域(幅広い)な抗生物質(細菌を殺す薬)が その必要性が
十分でない状況でも多く使用され、その結果抗生物質が効かない細菌(耐性菌)が増えて どの病院でも対策に
頭を悩ませています。
当院については高価な抗生物質があまり使用できないので 耐性菌とは無縁というわけではなく
当院に新規入院されてこられる患者様のほとんどは 急性期病院からの転院ですので
かなりの患者様が耐性菌を抱えた状況で入院されてこられます。
急性期病院の話をお伺いしていると、院内にある高価な薬をできるだけ使用せず、結局は当院のような
安上り治療の方向に 急性期病院の医師の治療方針を誘導するのに苦労されておられるようです。
(抗菌薬適正使用支援というのは 平たく言えば 高価で広域な抗生物質を根拠なく多用する医師を
安価な抗生剤でも大丈夫なことが多いですよと再教育することですので
容易なことではありません・・・。)
ちなみに当院も耐性菌を抱えた患者様が多いのですが、
管理人の患者様に関して 耐性菌のせいで困った状況になったことはあまりありません。
どうしてかと言えば
①当院に来られる患者様は耐性菌の多い?急性期病院で生き延びてこられた
抵抗力をかなりお持ちの方々であるということ
②当院では高価で広域な細菌に効果の高い抗生剤を使用しないことから、
新たな耐性菌が作られることが少ないこと
③実際に耐性菌が発熱の原因になることが少ないこと
が理由として挙げられます。
医者が高価で広域な細菌に効果のある抗生物質を使いたがることで起こるこの手の話の際に
管理人はいつも
「そもそも各病院での医薬品採用の段階で 抗生物質は一系統一剤薬品(かせいぜい二剤薬品)に
医師の投票でもじゃんけんでも(!)してしぼったらどうか」と申し上げ、実際それしかないのですが、
なかなか大人の事情で実行は難しいのが現状です。
それにしても
医療安全でも 院内感染でも 医療介護連携でも
どこでも多職種連携の足を引っ張るのが
「医者」
というのがなんとも・・・(苦笑)
管理人も急性期病院で感染対策のチームに入れられたら・・・
感染症に関心のない医師を説得する自信はないですね・・・。
その意味で 今日の演者であった某病院の先生の
院内で感染症の治療に関心のない医師の考えを変えるため
最初関心のある一人の医師の感染症治療教育から始め、その医師の口コミで他の医師も教育に参加し、
ということを地道に繰り返し かなりの医師の考えを変えていかれたお話は 非常に感銘を受けました。
医師は院内感染に関心はないが 正しい治療には関心がある
医師は面倒なことは嫌いだが (正しい治療によって患者さんが速やかに治癒し)楽になることは好きである
とその先生は言っておられました。まったくその通りだと思います。
当院ではささやかですが、感染症治療の啓蒙として
外来に感染症で高名な先生の本を何冊も置いて 困ったときにいつでも見れるようにしています。
九大から来られるアルバイトの先生にも好評のようで、よく本棚から出してあります。
製薬メーカーの宣伝に負けず、王道を歩む医師が増えるよう 微力ながらお手伝いしてまいりたいと
思っております。
http://komori-hp.cloud-line.com/