まだ駆け出しの頃の話。
パワーストーン図鑑を編集レイアウトするお仕事をいただきました。
著者は学者さんではなく、何年も独学で勉強し、書き上げたそうです。
カラー写真にそれぞれ解説がつき、専門的な内容に及ぶ箇所もあったので、少しでも読みやすくと難読漢字にはルビを振る提案をしました。ところが!
「読めない漢字は、ご自身で調べていただきます!」
「……!?」(絶句&頭の中で鐘が鳴る)
なるほど。ルビがあればスラスラ読めるでしょうけれども、内容が素通りしてしまうかもしれません。読めない漢字は、自分で調べてこそ、脳に刻み込まれるのかも!
苦労して原稿を書き上げた著者の言葉は、深く心に刺さりました。
そして「安易にルビをふって、読みやすくしてあげよう」なんていうのは編集者のおごりかもしれないと、姿勢を正したものです。
ただ、難読漢字が頻出すると、途中で読むのをやめてしまう読者もいるかもしれません。最近では調べ方が分からないという人も。なので、そのさじ加減は永遠の課題です。
アシスタントの汗と涙 ⑤
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