僕はどっちかな?(2)

2018-09-13 05:37:50 | 童話
ある日、僕は寝そべっているタロウに寄り掛かってお昼寝をしました。
そして、僕は体が重たくて目がさめると、タロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は
『ワン』
と言いました。するとタロウが
『なぁに?』
と言いました。
あれっ、前の夢の時と同じだなぁ、と思いました。タロウが
『何して遊ぶ?』
と言ったので、
『今日は駆けっこをしようよ。』
と言いたかったが
『ワンワンワン』
と言いました。また夢の中と同じだと思いました。

そして、僕とタロウは公園へ行き、駆けっこをしました。タロウが『
早くおいでよ。』
と言ったので、僕は
『ワンワン』
といってタロウを追いかけました。
近所のおばさんが
『二人とも元気ね。』
と言ったので、僕は
『ワンワンワン』
と言いましたが、タロウは
『そうだよ、二人とも元気だよ。』
と言いました。
僕は夢の中ではないのに変だなぁと思いました。

家に帰るとお母さんが
『あらっ、おかえり。』
と言ったので、僕が
『ワンワン』
と言うと、タロウは
『ただいま。』
と言いました。
タロウが居ない時は普通なのに、タロウが居る時は僕が犬になっているのは変だなぁと思いました。
そして、このまま、僕が犬でタロウが人間になってしまうのかなぁと思いました。

ある日、タロウの
『ワンワンワン』
と言う声でお昼寝から目がさめました。タロウの方を見ると、タロウが人間の僕になっていて、『ワンワン』
と言っていました。そして、僕の姿を鏡で見ると犬のタロウになっていて、人間の言葉を話していました。
あれっ、いつの間に反対になったのかなぁ?
そして、お外へ行くと、近所のおばさんが
『タロウは今日も元気ね。』
と言ったので、僕は
『うん、元気だよ。』
と言いました。
人間になったタロウは毎日お母さんに注意されます。
『ちゃんと歯をみがきなさい。顔を洗ったら顔をブルブルッしないで、タオルで拭きなさい。お風呂ではよく洗うのよ。お野菜も食べるのよ。』

人間になったタロウが注意されなくなったある日、僕とタロウはお昼寝の夢の中で
『ワンワン』
『なぁに』
とお話しをしている時に目がさめました。
今度は、タロウが
『ワンワン』
と言って、僕が
『なぁに。』
とお話しをしました。

今は夢の中なのかどうか、僕は分かりません。
そして、僕とタロウは、また今度交代するか分かりません。
分かっている事は、僕とタロウは、いつまでも仲良しだという事です。

おしまい


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