今日は、私が興味深く読んだ2冊の本を紹介したいと思います。
それは、
「世界の技術を支配する。ベル研究所の興亡。」
と
「クロード・シャノン 情報時代を発明した男」
です。
「世界の技術を支配する。ベル研究所の興亡。」では、AT&T、WE、ベル研究所の研究者達の偉業が書かれています。
この本を読むと、ますますWestern Electricというブランドが好きになり、虜になってしまいます。
洗脳されて信者となるかも知れません。しかし、この発明偉業は歴史上の事実なのです。
アメリカの巨大通信事業者AT&T傘下の開発研究会社「ベル研究所」、そして製造子会社「ウエスタン・エレクトリック」がいかに優秀な技術集団で有ったかを改めて知る事が出来ます。
現代のエレクトロニクスーー電気電子、通信、デジタル、コンピューター技術、軍事上の電気技術ーーの基礎は、この時代にここで作られたのだという事が良く分かります。
内容については、Webで調べて貰えばわかりますので詳しくは書きませんが、ビル・ゲイツが「タイムマシンに乗ることがあったら、最初に降りるのは1947年12月のベル研究所だ」。また、ピーター・ドラッカーは「現代のエレクトロニクス産業の大半を生み出したのは、ベル研究所の発明や発見である」と述べているそうです。
書の中で私が特に興味を持った内容が、「マービン・ケリー」による真空管の研究。これがなければトランジスタの発明も無かったと言うことと、「クロード・シャノン」によるデジタル情報技術の発明。全ては「0」と「1」で置き換える事が出来るという理論の確立です。
当時は真空管を大量に並べて計算機を作っていた様です。そりゃ、部屋も温度上昇しますし、信頼性も重要になります。
また、通信に関しては、何度も試行錯誤を重ね大西洋を伝達ロス少なくノイズにも強い海底ケーブルで渡す技術。例の神格化されたオーディオ用「ウエスタン・ケーブル」も恐らくこの技術がベースになっているのでしょう。
最初はアナログ音声を増幅しながら送っていた(増幅には、あのトランスも使われたのでしょう)が、やがてデジタル伝送技術が発明されて「暗号化」「信号圧縮」技術を使って通信される様になったそうです。
また、現代実用化されているGPSやドローン、衛星といった技術も、この時代に、ここで、開発されていたのですね。驚きです。
何度も読み返したくなります。
WEマニアだけでなく、ビンテージ・オーディオ・マニアも読んでおきたい本です。
現代の電気技術、情報通信技術の源は、全てここに有りです。
Amazonのレビューも参考にしてください。
ちょっと厚いので読み応えがありますが、英語原本の翻訳本としては読み易いです。
デジタルの生みの親「クロード・シャノン」に関する本にも興味深い内容が書いてあります。
生きざま、人物的にも一般人とは違います。
恥ずかしながら、この人が情報量の単位として「ビット」を初めて使用したことや、カジノで勝つ為にウェアラブルコンピュータを開発したことは、この本に出会って初めて知りました。