無花果や崩るるほどの抱擁す ころころ
先日の句会に出した拙句ですが、無点句でもありあえて
紹介もしませんでした。
この句は28歳のときの詠んだもので以下が元の句です。
無花果や崩るるほどの接吻す
当時は感性にまかせての二物取りあわせの句が多く
一極は飯田龍太の世界に、一極は塚本邦夫の世界にと
向かっていたような気がします。
啓蟄や胎児心音止めてをり
この句は塚本邦夫さんの特選に採って頂いた句ですが
自解では胎児にあってすでに出生の意思があると詠んだ
つもりでしたが、読者の解釈は様々でした。このような
句は詠むべきでないという先輩のご意見もありました。
無花果の掲句はもし連衆に採って頂いても講評に困ります
よね。俳句は伝えようとすればするほど伝わらないもの。
特に愛、欲、性の句を講評をしようとすれば、読者のそれに
ついての考えや本音を言ってしまう恐れもあります。
無花果と接吻の取りあわせは自分では新鮮でソフトな感覚
なのですが・・・